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第一話 魔王の息子に転生した俺

ふと気が付くと俺は魔界にいた。


前世の記憶が残っている。真岡慎二。29歳彼女なし。


ブラック企業で絶賛労働中であったはずだ。


確か3日連続徹夜仕事だったな。その前も徹夜ではなかったが、休み無しで働いていた。


急に意識を失ったかと思えば、今、ここにいる。


なぜ、ここが魔界だとすぐ分かったのか。うん、俺にはこの魔界で育った記憶もあるからだ。


どうやら今の俺は、魔族らしい。生まれて13年目のまだまだヒヨッコだ。


自分のステータスを確認してみる。


名前:マオ・アーク・デモン

種族:D魔族

スキル:魔眼Lv1、魔淫Lv1

称号:魔王の息子

JOB:


名前がまんま過ぎる・・・


一見、俺の姿は人間っぽく見えるが、頭にクルリとした角が2本と背中には悪魔的な羽が生えている。


引っ込めること出来るかな~


「ふんっ」


イメージしながら気合いを入れてみたら、なんと、角も羽も引っ込んだ。


「おおっ」


我ながら驚いた。人間っぽいな。いや、人間と変わらないだろう。


スキルの能力が気になる・・と思ったら、脳内に説明が現れた。


「魔眼Lv1」・・・相手のステータス等を見ることができる。


ふむ、鑑定スキルみたいなものか。もうひとつは・・・


「魔淫Lv1」・・・相手の唇にキスすることにより相手を魅了する。魅了効果により、精神的、肉体的痛みを緩和する。


これは、何となく卑怯なスキルだな。だが、持っているのだから仕方ない。


そして称号は、魔王の息子。これもまんまだ。親父は、魔王だ。


ただの魔法馬鹿なのだが、強い。15年前に現れた勇者を出鱈目な魔法でやっつけたらしい。


いや、勇者負かすってスゲーな。そんな親父に惚れた竜人族の母親が俺を産んだのだ。


JOBが空欄になっている。魔族は13歳からJOBにつくことができるらしい。


13歳になるまでに、どのような訓練をしたかによってJOBが選べるのだ。


そう、今日はいよいよJOBを選ぶことができる。いいタイミングで前世の記憶が甦った。


さあ、いつまでも池の前で突っ立ってるわけにはいかない。


急いで自宅でもある魔王城へ戻った。そして父親のいる魔王の間に行く。


「マオ、遅かったじゃないか」


デカい。座ってるのに10メートル以上ある。今の俺の身長は160㎝ぐらいだろう。


将来俺もあんなにデカくなるのだろうか。


「ワクワクして、色々考えてたら遅くなりました。父上、お待たせして申し訳ございません」


「あら、マオくん、角と羽はどうしたの?」


親父の隣にいる母親が俺の姿を見て声をかけてきた。


見た目人っぽいが、肌は薄い鱗に覆われている。


身長は180㎝ぐらい。シュッとしてボンキュンボンである。


竜人族は、人の様にもドラゴンの姿にもなれる。


ドラゴンの大きさならば、親父と大して変わりまい。


俺は親父からは魔法を母親からは槍術を主に習っていた。


母親は、竜騎士をJOBに持っている。


角と羽を格納したままだった。急いで元の姿をイメージする。


すると、「ポンッ」という音とともに角と羽が生えてきた。


「あらあら~マオくんは角と羽の収納ができるのね。凄いわ~」


母親はなぜか大喜びだったので、俺も何となく嬉しくなる。


「ゴホン、そんな事より、さっさとマオのJOBを選ぶとしよう。」


親父がなぜか俺の方を睨みながら言った。


ん? まさか母親が息子を褒めたので嫉妬しているのか。


「そんな事とは何ですか。角や羽を収納するのは非常に難しいんですよ。アナタも自分の角収納できますか?」


母親がキレると親父はしょんぼりした。


まあ、親父の角は長いし、デカいし、あれ収納無理じゃね。


「爺、準備を」


小さな声で執事である竜人族の爺にJOB取得の準備をするように親父が告げた。


「母上、父上に怒らないでください。もとはと言えば僕が遅れて帰ってきたのが原因ですから」


母親の隣まで駆け寄ってそう告げると、


「まあ、マオくんは優しいのねぇ。私も本気で怒っているわけじゃないのよ。お父さんのことは大好きだから」


と言いながら、俺をギュっと抱き寄せ、頭に手をのせて、撫でてきた。絶対この人、息子ラブだよ。


親父は親父で、大好きとか言われたからか、もう機嫌が直っている。どんだけだよ。


「魔王様、準備が整いました」


「うむ、マオよこちらの水晶玉に手をかざすのだ」


爺が準備してくれた水晶玉は、鉄の玉のような感じだった。


俺は、魔法陣の上に置かれたテーブルの上の鉄のような水晶玉に手をかざした。


すると、玉が光り、水晶玉は透明になり文字が浮かんできた。


「労魔人」 ・・・何だこりゃ?


「水晶玉に触って手をスライドさせるのだ。」


親父の言うとおり、手をスライドさせると、文字が横に動き次の言葉が出てきた。タブレットかよ。


「竜魔人」 ・・・なんか強そうだな。とりあえず、何回か手をスライドさせ、言葉を表示させる。


しかし、そのほとんどが意味の分からないものばかりだった。全部で30ぐらい出てきただろうか。


「さすが、マオくん、いっぱい出てきたわね。好きなJOBを選べばいいわ」


「そうだな、LVが上がれば転職は可能だしな」


「「でも、労魔人はやめろよ(てね)」」


両親に言われた「労魔人」すごく気になる。


しかし、俺はもう決めていた。俺が選んだJOBは「魔槍師」


「ふむ、人間っぽいJOBを選ぶのだな。」


「マオくん、さすがだわ。私が教えた槍を使うJOBを選ぶなんて」


母親が俺を圧死させるような勢いで抱え込む。この人何なの。


タップして何とか腕の力を弱めてもらった。


何とか解放されて、まだ息が上がっている状態の俺に親父がいった。


「マオ、明日から勇者を討伐に行ってこい!」


親父、何言ってるの……。

初めて投稿します。頑張って毎日更新したいと思っています。


今日はもう1話投稿予定です。よろしくお願いします。

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