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エーッ?!という出来事

美容院で、直立不動とは?!

作者: れんれん

はい、立って!

髪にブラシは、下から上にかけてね!


(お客さま、立って! そう、あ、動かないで!)

と、突然に美容師さんが叫んだ!

ビクッとして立ち上がり、一瞬、私の背中はピーン!

この方は、何者?


知り合いから、ちょっと値段が高いけどカットはめちゃくちゃうまい美容師がいる、と聞き、一度カットしてもらいたいと、店を教えてもらい思いきって出かけた。


初めての来店客は、スタッフに ボス と呼ばれるオーナー美容師に、優先的にカットしてもらえる。


(いらっしゃいませ!)と、ボス。

すぐに、カットが始まった。


使うのは、クシとブラシ、ハサミ一本。

さらに、髪の一部のクリップ止めは一切なく、首の後ろから顔の前まで、全体にまんべんなく、何度も、後ろから前に、後ろから前に、ブラシをかけながら、クシとハサミをバシバシ入れていく。


床には、驚くくらいに、髪がバサバサと落ちていく。


私、こんな沢山、髪の毛あった?

髪がなくなるんちがう? 大丈夫かな?


その時だった! (お客さま、立って! そう、あ、動かないで!)と、ボス。

え、美容院で、立つの? 何?


ビクッとして、言われるままに、直立不動で立ち続けた。

立ったまま、さらに、ハサミがバシバシ入っていく。


気がつくのが遅かったが、店内の壁は、全面、鏡張りだった。

自分の立ってる姿も、目の前に映ってる。

恥ずかしい!


最終、チェックなんだろうか?

沈黙が続いた後、

(本当に素敵になりました。よく似合ってます)と、ボス。


今まで、出会ったことのない髪型!

自分でも、似合ってるような? 似合ってないような? 半信半疑!


帰る前には、(ありがとうございました。本当に素敵になりました。パーマは必要ないです。今後も、カットだけでいいですよ。3ヶ月はきちんと髪型は持ちます)と、ボス。


自分でいうのも、おこがましいが、本当に、髪型が似合ってる気がしてきた。


そして、3ヶ月以上、髪型が維持でき、髪は手クシで決まり、跳ねる事も、ペッタンコになる事もない。


今まで、美容院に行くと、美容師さんと楽しく話し、なんかスッキリして、ストレス解消になり、安堵感で眠くなる時もある私!

これも、また楽しい。


今回は、ハラハラドキドキ!

眠気なし。立ったり座ったり、忙しい。


髪を一部分ずつカットではなく、髪全体を一気にカット。

髪のバランス、体とのバランスを見てる、プロ技術を感じた。


ボスが、言葉を話したのは、4回だけだった。


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