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足掻き
窓越しの日差し
部屋をじわじわと侵略する
夏の名残の暑さはそのままに
陽の光は確実に秋を物語る
横たわる身体を
夏の陽が焼き尽くすのか
秋の陽が暖かく包むのか
残り少なくなった砂時計は
永遠に尽きる事のないものなど
ありはしないとサラサラと落ちていく
虚ろな瞳は差し伸べられる手を
宙に浮いた腕は絡める指を求め
熱る体は抱きしめてくれる腕を
捜し求め続ける
足掻き続けた僕
その視線の先に写るものは
屍を見下ろす冷たい陰なのか
命を吹き込む暖かい陰なのか
臆病な僕は瞳を閉じたまま
未だ足掻き続けてる。