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夢
僕はいつも夢の中
仲間の話に耳を傾け
楽しい話に
声をだし笑う
仲間の話に相槌をうち
僕も楽しい話題を
振り撒く
夢から覚めて
鏡に映る僕
大きく口を開け
声をだす
音のない声
耳にも入ってこない
僕の周りは無の世界
静かな無の世界
自分の顔が
歪んで見える 僕の目が水浸し
止まらない涙で
現実と夢の間で
泣き声もなく
ただ、止まらない涙に
嫌悪する
情けない自分に
現実から逃げる自分に
僕は夢を見ていた
幸せな夢
僕を優しく包む腕
僕を優しく包む言葉
嬉しかった
幸せを感じた
僕は夢を見ていた
肌を滑る指に
囁く声に
初めての体の熱さを
胸の痛みを感じた
夢は夢でしかないのに
淋しい…