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叶うなら…
一人の夜は
部屋の明かりはいらない
狭い部屋が広く感じるから
一人の夜は
窓をさえぎるカーテンもいらない
優しく降り注ぐ月明かりを見たいから
膝に頬をうずめ
虫の声に
風の声に
獣たちのささやきに
耳を澄ます
ぽっかりと開いた心が
癒されるまで
毎晩、毎晩、繰り返す
誰か・・・・
僕の肩を揺すってくれますか
誰か・・・・
僕の頬を伝う泪を
ぬぐってくれますか
誰か・・・・
僕を陽の光の中に
連れ出してくれますか
叶うなら
僕が息することを忘れる前に・・・・