11/39
瞳に映して
一人ベンチに腰掛け思うは何
秋晴れの空を見上げ思うは何
冷たい風が足元を通り抜け
かさかさと落ち葉を躍らす
お前と会った日は、
ギラギラと太陽が容赦なく暴れていたけど
お前は透き通るような白い肌に
スカイブルーの瞳で
儚げに風に揺れるカーテンを見ていた
俺を見上げ見つめる瞳に俺を映したくて
桜色の唇に微笑みを乗せたくて
片時も離したくないと願う俺
でもお前にはそんな俺の思いは
辛かったのだろうか
重かったのだろうか
指を絡ませ繋いだ小さな手は
大人の手に近づくごとに離れていき
俺の大好きな瞳は知らぬ間に
人工の黒い瞳になっていた。
近すぎてはいけない
俺の思いは終わりがない
お前のわずかな仕草や表情だけで
俺の心は乱れ抱きしめたくなる
それでも俺の後ろをついてくるお前
いつか横に並んで腕を絡ませ歩いてくれないか
俺の大好きな瞳に俺だけを映して
お前の瞳の中で俺は溺れてもかまわない
目を開けておくれ
俺の天使