表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の一般人?の戦争   作者: ヤオ カズト
第2章
13/14

~ただのエルフ少女は最強候補になるそうです。~

  「ハァハァハァ」


森の中に、草をかき分けるなんてことをせずに走る少女の姿があった。

その少女の正体は、ルナだった。 

村に爆発が、起こったことに気付いたルナは、ただひたすら、ひたすら走っていた。あまり、魔獣との戦闘に参加せずに、魔法を扱う者として、肉体的な鍛練というよりも、精神的、魔力の鍛練を重要視していたため、体力は少なかった。

そのせいで、走って10分もしないうちに、脇腹の辺りが痛くなってくる。それでも、ルナは、走ることを止めなかった。

大切な、里のみんなが、もしかしたら、最悪の状態に・・・という考えが、ルナの脳裏に浮かぶ。

それでも、やはり限界というものはある。みるみると、ルナが走るスピードが落ちていった。


「!?」


ルナが走っていると、急に足が地面から離れた。誰かの脇に抱え込まれているようだった。


「こっちの方が速いだろ?」


ルナが声のする方を見ると、そこには、ノアの顔があった。そして、ルナが走っていたスピードとは、比較にならないほど速かった。ノアは、瞬間移動魔法を使えば、一瞬で里に行けるのだが、里に一体、どれだけ敵の数や敵の強さが未知数なために少しでも、魔力を温存しておきたかった。

でも、今のノアなら全力で走れば、5分かからずに里に着けるから、別に大丈夫だろうと思った。


「ノアさん!?」


ノアがそんな説明を、自分の頭の中で、していたらルナが突然のことで混乱している様子だった。

さっき、頭の中で考えていたことをルナに伝えるために、自分自身に「リピート アフター ミー」の要領で説明した。

ルナは、説明を聞き終わると、渋々納得したようだった。ルナは、早く村に戻りたいと思っていたのだがノアの説明を聞いて、それが得策だろうと判断したのだった。


ーーーー数分後ーーーー


「「ギャァァーー!」」


これは、何かの咆哮だった。


「これは・・・一体なにがあったの?」


ノアとルナが村に到着すると、そこには地獄絵図、阿鼻叫喚といった言葉が似合いそうなほどに、惨劇が広がっていた。

まず、里の至るところに、魔獣。そして、それ応戦するようにエルフの里の戦闘員がいた。だがしかし、魔獣の数は、軽く100を越え、そしてエルフの里の戦闘員の数だけでは、対処しきれていなかった。そのため、討ちもらした魔獣たちが他のエルフを捕食していっていた。更に追い討ちをかけるように、魔獣がエルフを捕食すると、エルフに宿る、莫大な潜在魔力をその身に宿し、魔獣がパワーアップしていた。


「あ!ユリが襲われてる!助けなきゃ!」


ルナが、目の前で複数の黒い犬に襲われている友人であるユリを助けようと駆け出した。一瞬、ノアが制止の声をかけるが、必死のあまり、ルナの耳には届いていない。

その瞬間、家の裏に潜んでいた魔獣が駆け出したルナめがけて跳躍して、襲おうとした。その魔獣は虎型で、毛が黒く、そして赤い瞳をギラギラさせている。幾つかの戦いを、生き延びてきたのか右目は、縦傷があり、開いていなかった。

ルナは、突然、自分に向かって、跳んできた魔獣をみると死を覚悟したような顔になって、顔を伏せ、大人しく、これから迎えることになるであろう「死」を受け入れようと、目を閉じた。


「目を閉じるな!友達のところに行くんだろ!」


ルナは、その声がした瞬間、目を開けるとそこには、首がとれている魔獣と、そこら辺にころころと転がっている首があった。そして、ノアの右手には、錬成して造られた、鉄のロングソードがあった。

ノアは、ルナが家族がいないという話になったときに、「それでも、大切な友達のユリちゃんはいるけどね。」と聞いた。


「'錬成'」


ノアがそう短く言うと、ノアの近くの地面から、中くらいの窪みが出来ていた。そして、ノアの左手には、鉄のロングソードが握られていた。右手と左手に鉄のロングソードが握られている。そう二刀流だ。


「とりあえず、俺はエルフの里にいる、魔獣どもを一掃してくる。お前は、さっさと友達のところにサクッと行って、サクッと魔獣を倒して、サクッと助けてこい。」


ルナは、ノアの言葉を聞くと、力強く頷いた。そして、友達であるユリと魔獣の間に、走って入った。


「私が相手をする!下がっててユリ!」


ルナは、ユリにそう言うと、目の前にいる魔獣に集中する。ユリは、ルナが戦おうとすることを止めさせようとした瞬間・・・

ドン!!

ルナの魔力がはね上がった。ルナに宿る副神アクアの魔力や、魔法が、大切な友達がピンチ、ということをトリガーにしてルナは覚醒する。

今のルナには、副神アクアが得意とした水属性の魔法の数々の知識と発動の仕方などが頭に、情報の激流となって頭に入ってきた。

そして、情報の激流が終わると、今、自分がどんな魔法を扱えるか手に取るように分かった。


アクア・ヴァッサス(無限の水槍)


その瞬間、ルナを頭上に大量の水が出現。そして、その大量の水は、徐々に、徐々に幾つもの槍の形に形成されていく。だが、それは途中で形成されなくなり、まだ、ルナの頭上には、大量の水がある。

今は、槍の数は、約20本ある。ルナは、右手を銃の形にして、狙いを目の前にいる、黒犬たちに定めると、槍がその魔獣の方向へと向ける。

黒い犬の魔獣達は、ルナにとびかかる。それが悪手だとも知らずに。

そして、ルナは、手銃を射つ。

水の槍、槍20本が3本ずつ高速で射ち出されていく。10匹ほどいた魔獣が一瞬で空中に赤い、血色の花を咲いていく。

しかし、この黒い犬型の魔獣は、群れで行動するタイプだった。今は、効率化よく捕食するために分散していたが、群れの

他の黒い犬の魔獣は、異変を察知し、ルナのもとへと走っていく。その数、約50。

それもルナは、無限の水槍(アクア・ヴァッサス) を射ち出し、撃退していく。だが、弾は有限。今、その槍が尽きそうになった瞬間、ルナの頭上にあった、大量の水が槍へと形成されていく。出現させた槍を、また発射させていく。そして、発射したら、また槍を形成する。尽きることない水槍。

故に無限。

そうかからないうちに、黒い犬型の魔獣は全滅した。もはや、戦いではない。一方的なまでの虐殺だった。

そこには、魔獣との戦いにおいて、全くの役立たずの姿はない。あるのは、輝く水しぶきをあげながら戦う、戦の乙女があった。

そして、エルフの里にいた大量の魔獣は、ノアと一人のエルフの少女によって、全ての魔獣は、命を散らした。

その少女の名な、ルナ・ヴァルキーレ




最強の一般人?の戦争

~ただのエルフ少女は最強候補になるそうです。~














ルナ・ヴァルキーレ...命名センスは気にしないで下さい。

ルナ・・・最強候補の一人とかす。

次回をお楽しみに~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ