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橙
お空でふるえる橙
夕暮れの毛布をかぶせて
街並み沈んでいく
伸びていく二つの影
手を繋ぎ歩いた道に
新しい季節の花が咲いたよ
とてもきれいだよ
風に流るるちぎれ雲
わたがしが壊れたみたい
うれしそうな君の顔が
今も遠く浮かんでる
電車が通りすぎていく
あそこには誰が乗っているかな
いつかは遠くへいこう
二人で色んなところへ
伸びていく君の背にも
届いた枝が今年もまた
つぼみをつけたよ
うちへと帰るムクドリを
君は走って追いかけた
振り返る頬は空と同じ
淡い愛しい橙
風に流るるちぎれ雲
君と手を繋いだ夕暮れ
少し冷たい風が今も
変わらず街を泳ぐ
君がくれた橙色
やがて染まる秋の空




