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陽炎
青空に手を伸ばす
泳ぐ腕が交差する
葉の隙間からこぼれた光
あなたの頬に落ち
夏の音耳を澄まし
ふるさとの景色浮かべ
泣きそうなほどに
懐かしいのは
夏がかけた小さな魔法
肩の上で花火見上げた
響く音夜空に散る
遠い日…
真夏の空を走る飛行機雲
澄んだ空気胸に詰め
溢れるほどに零れ出るのは
昔抱いた小さな愛
あなたの肩に滲んだ陽炎
あの日の声耳を通る
橋の上を走り出す
頭上のヒマワリ
飛んでいたのは
儚き命灯した火
胸に手を当て深く息をする
目を閉じてあなた浮かべて
優しい眼差しは
笑い声さえ切なくなる
夕立に濡れた花
苦しいほどに愛おしいのは
あなたがくれた確かな日々
あなたの肩に歪んだ陽炎
遠い日に少しずつ戻って
幼い私あなたを追って
抱きしめた
壊れそうなほど抱きしめるのは
あなたが愛してくれたから
あなたの笑顔が眩しいのは
夏に咲いた陽だまりだから
あなたが触れたその手に
陽炎




