表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/19

理由


<理由>


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「何やねん、受け取れや。」

「いらないって言ってるでしょっ。」

「遠慮すんなて。」

「遠慮じゃないですっ。」


詰め寄ってくる京典を、私は力いっぱい押し返す。


「必死やな、んははははっ。」

「何よっ。」

「クククク。ほんま、桃とおったら癒されるわ~。」

「え・・?」


そう言いながら、お茶を飲む京典を私はじっと見る。


「あの。」

「ん?」

「まだ聞いてません。」

「何?」

「どうして・・今まですぐに帰らされてたのか・・。」

「あ~。」

「・・どうしてですか?」


キッチンから出てきた京典は、ニヤリと笑う。


「聞きたい?」

「・・・はい。」

「そんな大した事ちゃうねんけど。」

「え・・?」

「桃は、実家やろ?」

「はい・・。」

「やから。」

「え?」

「それだけの事。」

「ど、どういう・・?」

「実家住まいの二十歳の娘を、易々と外泊させるわけにはいかんでしょーが。」

「は・・?」

「年上の責任。」

「はぁ・・。」

「桃が一人暮らしやったら、とっくにココ連れてきて、一緒に住んでるトコやねんで?」

「は?」

「何で、別々に住まなならん。」

「い、家は別々でしょ・・?」

「何で。」

「だ、だって・・っ。」

「ん?」

「・・・ふ・・ぅふでもないんだし・・。」


私はボソボソと聞こえないような声で言う。


「はぁ~?何~?」

「な、何でもない・・。」

「夫婦でもないんだし、つったか~?」

「き、聞こえてるんじゃないですか・・っ。」

「ククク。」

「・・逆に聞きたいんですけど・・。」

「ん?」

「どうして・・今日は泊まれって・・言ったの・・?」

「ん~?」


じっと京典を見る私を、彼はニヤニヤしながら見てくる。


「何ですか・・?」

「帰したくないから。」

「はい?」

「桃を、帰したくないから、泊まれっつたの。それだけ。」

「・・じゃぁ、今までは・・帰したかったって事ですか・・?」

「何でやねん。」

「だって・・。」

「あのなぁ、一から十まで話せなあかんのか?」

「え?」

「もっとこう、ニュアンスで理解しろ。」

「・・・できないもん・・。」

「パンダやから?」

「それは全く関係ないでしょっ!?」

「ぶははははっ。」

「パンダパンダって、いつまで言うの!?」

「いつまでも言う。」

「止めてください!」

「無理やねぇ。」

「何でっ!?」

「ククク。」


私は、京典の肩をバシっと叩いた。


「痛いなぁ、お前は。」

「バカッ。」

「ククク。」


私は、京典を思いっきり睨むと、プイっと横を向く。


(ふっ・・可愛いやつ・・)


京典の桃日を見る顔が、自然とニヤけてくる。


「オイ、パンダ。」

「パンダじゃないっ!!」

「水浴びしてこい。」

「み、水浴び!?」

「人間界は風呂やけど、パンダ界は水浴びっちゅうねやろ?」

「っ!?京さん、ほんっと最低!!!」

「ククク。」

「京さんが先に入ればっ!」

「ええよ、パンダの桃ちゃんからどうぞ。」

「バカッ!!!!」

「あ、一緒に入って、洗ってやるわ。桃ちゃん~おいで~?」

「ほんとムカツク!!!!!」

「んはははは。」


私は京典をキっと睨む。


「こわ~。」

「・・・お風呂は、京さん先に入って・・。」

「桃入れって。」

「ここ、京さんの家だし。」

「関係ないやん。」

「ダメ。」

「一緒にはい」

「絶対ヤダ!」

「かぶせてくんなや。」

「早く入って。」

「ったく、我侭なパン」


バシッ


「いった。」


またパンダと言おうとした京典の背中を、私は思いっきり叩く。


「それ以上パンダって言うなら、私帰るからね。」

「え?」

「本気だからね。」

「ククク、はいはい。」

「・・・・。」

「ほな、風呂入ってくるわ。」

「・・・・はい。」

「大人しく待ってろな?」

「・・うん。」


京典は立ち上がると、バスルームへと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ