表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/19

過去の話

<過去の話>


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「京典~?」


部屋の中に入った和斗は、キョロキョロしながら京典の姿を探す。


「ぬぉっ!?」


ブラインドで区切られていた奥のベッドに、京典の姿を発見し、和斗は固まる。


「いた?きょうす」


後からやってきた白石も、その姿に固まる。


「・・・二人して黙ってんなや。」


そんな二人に、京典は上半身裸で縛られたままの格好でぼやく。


「何のプレイやねん・・?」

「アホかっ。」

「京典、あんたほんとに節操ないわね。」

「何の話やねんっ。」


口々に言う二人に、京典は反論する。


「そんな格好じゃ、何言ってもただのバカにしか見えないんだけど。」

「うるさいねんっ。」

「せっかくやから、このままにしとくか?」

「写メ撮る?」

「アホかっ!早よ外せっちゅうねん!」


ニヤニヤしている和斗と白石に、京典は怒鳴る。


「まったく、心配して助けにきてやったら、こんな変態プレイしてたとはなぁ。」

「してたんちゃうわっ!されてたんじゃ!ボケッ。」


京典の手足を自由にしてやった和斗は、笑いが止まらない。


「お前、笑うてんちゃぞ、コラ。」

「やって。クククク。」

「しばくぞ。」

「ごめんごめん。」


自分の手首を触りながら、京典は舌打ちをする。


「あの女は?」

「そこ。」


白石が指差した先に、中原が背中を向けて座り込んでいる。


「ワケのわからん事しよって・・。」


京典は立ち上がると、中原の元へと近づく。


「おい。」

「・・・。」

「黙ってへんと、何か言えや。」

「・・・。」


京典の言葉に、中原は何も答えない。


「こんな事しくさって。タダで済む思てんのか。」

「・・・。」

「拉致監禁で訴えるぞ、ボケ。」


京典の言葉に、中原は振り返ると、涙を浮かべて睨んでいる。


「何やねん。」

「どうして・・。」

「はぁ?」

「どうして、あなたのしてきた事は犯罪にならないの・・っ。」

「え?」


中原の言葉に、京典は眉をひそめる。


「何言うて」

「あなたが・・っ・・私の事、散々弄んで捨てた事は、どうして犯罪にならないのよっ。」

「え・・。」


中原の言葉に、京典は固まる。


「私は・・っ・・私はあなたの事、本当に愛してた・・っ!でも、あなたは・・私の事・・お金のいらない、ただの風俗嬢くらいにしか思ってなかったんじゃないのっ!?」

「・・・・。」


泣きながら言う中原に、京典はただ立ちすくむ。


「散々・・酷い事してきて・・っ・・今更何が本命よっ!そんな事、許されると思ってるの!?」

「それは・・。」

「腹が立って・・立ちすぎて・・。あなたの一番大事なモノ、傷つけてやろうと思ったの。」

「え?」

「あなたの彼女、レイプされそうになったでしょ。」

「は・・っ!?」


京典を睨んでいた中原の顔が、ニヤリと笑う。


「ま・・さか。」

「私が仕込んだのよ、あの男。でも、失敗に終わって残念だったけど。」


中原は、フンと笑う。


「ちょっと・・っ!桃日ちゃん襲わせたの、あんただったの!?どういうつも」


声を荒げた白石を、和斗が制止する。


「和斗っ?」

「黙っとき。」

「でも・・。」

「ええから。」

「・・・。」


白石は、和斗のいう通りにした。


「レイプされたら良かったのに。」

「・・何言うてんねん。」

「見ず知らずの男に犯されて、一生傷ついてれば良かったのに。」


京典は、拳をぎゅぅ・・と握り締める。


「お前・・。」

「何?」

「女で良かったな。」

「は?」

「その顔、二度と見せんな。」

「・・・命令される筋合いはないわ。」


京典は、自分の洋服を身につける。


「・・過去の事は、謝る・・。」

「・・・え?」

「悪かった・・。」

「・・・。」

「けど、その事と桃日は関係ないやろ。」

「・・・・。」

「次は、ないからな。」

「え・・?」

「もし、桃日に手出すような事があったら・・。」


そう言って、京典は中原をじっと睨む。


「・・・・。」

「ほな。」


そう言うと、京典は玄関へ向かおうとした。


「ネクタイピン・・。」

「え?」


中原が呟く。


「あれ・・ほんとに、あなたがココに忘れていった物なのよ。」

「やから?」

「・・私が、プレゼントしたの・・覚えてなんかないでしょうけど。」

「・・・。」

「捨てたでしょ・・。」

「え?」

「ゴミ箱に・・。」

「ぇ・・。」

「許せなかったのよ・・私の事も、プレゼントした物も・・あなたは捨てた。」

「・・・・。」

「だから・・ここに連れてきて・・あなたを、私のモノにしたかったの・・。」

「ここに来たから言うて、オレがお前のもんになるわけが」

「一瞬でも良かった・・っ。」

「え?」

「目が醒めるまでのあなたは・・私のモノだったから・・。」

「・・・・。」


京典は、中原の背中をじっと見る。


「京典、帰ろ。」


和斗は、京典の肩をポンと叩く。


「・・・。」


3人は、そのまま部屋を出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ