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透明スカイブルー 《青次郎の章》

神風青次郎かみかぜあおじろう

能力『』

カラー『青』

英雄序列『48位』

年齢『19』

身長『176cm』

体重『59㎏』

性別『男』

装具『特になし』


紫小柴むらさきこしば

能力『バーサーカー』

カラー『紫』

英雄序列『17位』

年齢『15』

身長『149㎝』

体重『38㎏』

性別『女』

装具『バトルグローブ』


桃瀬翌檜ももせあすなろ

能力『洗脳操作』

カラー『ピンク』

英雄序列『6位』

年齢『24』

身長『171㎝』

体重『46㎏』

性別『女』

装具『レイピア』

「いけますわ……二度と同じ轍は踏みませんの」


総人口・数千万人以上の超発展都市、「第二ネオ・イストレア」


この星に生きる、知的生命体のほぼ全てが住まう、複合都市だ。

その中央広場に浮かぶ、巨大なエアスクリーンからは、流行のアイドル達が、煌びやかに歌っている様が映し出されている。付近の茂みで、小柴こしばはほくそ笑んだ。視線の先には、巡回中の警備機体・セキュリティロイドが一体。その周囲を続々と行きかう雑踏。

あのセキュリティロイドさえ出し抜けば、そのまま人ごみに紛れて逃げ切れる。そう確信した小柴は、やはり笑みをこらえきれなかった。

一度目は準備不足で失敗、二度目は仲間に妨害された、今度は失敗しない。


己の中で、なんがしかの決意を込め、小柴は小さい体躯を茂みから解き放った。と同時にセキュリティロイドが小柴の存在を認識し、向かってくる小柴に物々しい機械装甲を向けた。が、見透かしたように小柴の右手が、機械装甲を容易く貫く。華奢な体には似合わない、凄まじい破壊力を持つ拳は、セキュリティロイドの外装、外殻、内装、導線、結核を瞬時に貫通した。一般人では数十人がかりでも、歯が立たないセキュリティロイドを、ものの数秒で起動停止に追い込むと、そんなことは意にも介さず、小柴は人ごみを駆け抜ける。一瞬でも迷えば、躊躇えば、逃げ切れない。セキュリティロイドを破壊したのだ、即座に協会本部に緊急信号が飛ばされ、応援が自分を捕獲しにやってくる。どうにかして、この閉ざされた都市から脱出しなければ……。


「小柴!!」

「っっ!」


突如、雑踏の渦中から響いた、聞きなれた声。周囲の人間たちは、自分たちの会話に夢中で、小柴たちには目もくれていない。おそらく、セキュリティロイドが破壊されたことにも、気付いていないのだろう。

そんな人ごみの中で、ばつが悪そうに振り返る小柴を、鋭くにらみつける男。青次郎であった。

翌檜からのメールを確認し、全力疾走でここまで来たのか、額には大粒の汗がにじんでいた。

「あらあら、青、こんなところできぐうで」「帰るぞ」「……」

あくまでしらを切ろうとする小柴に、取りつく島もない言葉で一括する青次郎。その態度に小柴も眉をしかめた。

「なんで邪魔するんですのっ! もうちょっと……もうちょっとですのにぃ!」

「脱走しても、すぐに捕まるだけだ、それよりお前……セキュリティロイドまで壊しやがったな、協会に見つかったら“再教育”じゃ済まないぞ」

「ふっん、いらないお世話ですわ……私は自由に」


『? なんだ?』

『おい、なんか向こうが騒がしくね?』

『やだ、なにあのセキュリティロイドの数、何かあったの?』


「! 小柴っ、いいから来い!」「ちょっ!? な、なにするんですっの!!」


辺りでにわかに騒ぎ出した民衆の声に、いち早く反応した青次郎は、いまだ逃走の意思を曲げない小柴を抱き上げ、セキュリティロイドの集まり始めた中央広場から、人ごみに紛れ、裏路地へ駆け抜けた。



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