人間
人はなんて愚かなのだろうか。
生きるものは全て死ぬ運命なのにそれに逆らい長く、少しでも長く生きようと足掻いている。
傍から見ていれば醜いとしか言いようがない。
他にも恋をしている者はとても滑稽に見える。
その『愛』の正体がなんなのか考えたことがあるか?
好きな人間が他の男や女と話していたり仲良くしているのを見ると何故イラつきを感じるのか、何故嫉妬にも似た感情が湧き上がってくるのか考えたことがあるか?
それはその『恋』という感情の正体が実は『独占欲』だからだよ。
自分が好きな人間を『独占』したい、つまりは『自分のお気に入りを誰にも渡したくない』って事なんだよ。
それをほぼ全ての人間が『愛』を『独占欲』だと知らず『愛』は美しい物だとか思っている。
なんて滑稽な事だろうか。笑っちゃうよ。
他にも友情とか信頼とか絆とかそんなものが最後の最後になんの役に立つ?
友情?女の場合も男の場合も『ずっと友達だよ』とか言っていても好きな人が被ったり付き合ったりしたら直ぐに崩れるくらい脆いだろう?
信頼?そんなのは力の前にはなんの役にも立たない。どんな事が起こっても最後まで相手の事を信じられるか?ある場所に閉じ込められたとしよう。そこで人が死んだ。その場にいるのはあなたと相手とあと二人だけ。しかも相手は過去に「人間って案外簡単に死ぬんだよ」と言っていた。そんな状況でもお前は相手の事を信じられるのか?
絆?絆で人は生きられるのか?もしお前らが事件に巻き込まれて警察にはお前らの中に犯人がいると思われている。しかも警察は「犯人を教えてくれたら直ぐに帰してあげて君の身の安全を保証する」と言っている。君は会社の重役だとしよう。もし君が社内で犯人だと噂がたったら君は降格になるかもしれない。その時家族はどうする?もしかしたら家族にも負担を掛けるかも知れないなぁ?
それでも君は仲間を売らないと言えるのかい?
他にも「自分は運命とかそんなのは信じない!自分は自分の道を行く!」とか言ってる奴。
最初に言おう。そう言って自分の道を行ってる事自体がもはや運命なんだよ。
運命には絶対逆らえない。それが不文律なんだよ。
さて、ここで問題です。
生物は何故生きているのでしょうか?
答えは『そう作られたから』でした。
この世界で生きている全てのものは神が決めたシナリオの最終話に行くための歯車に過ぎないんだよ。
だから本来は無駄な事をしなくても良かったんだよ。何も考える事なく生きて子供を作ってれば良かったのに。
まあそれも又運命ということだね。
まあ、ここまでずっと否定してきたが自分は思う。
人間は愚かで滑稽で無知で醜いが、それでも運命に立ち向かおうとするその姿は美しい物だと。
自分はこの世の全てを受け入れる。そして受け入れ理解した上で否定し拒絶する。
何が愛だ。何が信頼だ。何が友情、絆だ。そんなものなんの役にも立ちやしない。
せいぜい足掻け、自らの身が朽ち果てる時まで。運命に立ち向かい続けろ。そして…自分の無力を思い知るがいいさ。
『人間』如何でしたか?
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