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8/8

8/記憶同位体 == Lethe && の有効活用 == Gnosis

〝どんなもんでした、ツッチーの件は?〟

「あぁ、中々面白かったよ、横戸君」

 電話先の相手に向かって、鼎は答えた。

〝あぁーん? 面白かった? うわ、やっぱ変人だわアンタ。殺人鬼の事で面白いとかキモイです〟

「いやいや、今回は特殊だよ。絡んできた人間が、一人居てね」

 ふーん、と電話の相手――横戸縦は適当に答える。

〝まぁ、どうでもいいっスけど。オレは面倒に巻き込まれなければいいんで〟

 ところで、と横戸は話を変える。

〝己はどうなったんですか? アイツ大怪我したみたいですけど〟

「片腕を切断したみたいだよ。……そうだね、きっと彼の事だ、多分怪我が治ったら別の街で殺人鬼になるんじゃないかな」

〝何をさらっと言っとるんですかアンタ〟

 あっはっはっはっ、と笑いながら鼎は言う。

「別にいいじゃないか、私は彼を否定するつもりは無いし。何をするのも彼の自由だ」

 と、そこでドアノッカーが客の訪問を告げた。

「あぁ、お客さんだ。これで失礼するよ、横戸君」

〝へーい、そんじゃまた今度、機会があればー〟

「そうだね。それと今回は有り難う、楽しめたよ。それにお陰で面白い人材を雇えそうだ」

 へぇ、と興味があるのか無いのか、よく解らない声を出して横戸は電話を切った。

 さて、と鼎は玄関の方を見る。

「――どうぞ」

 その声に合わせて、がちゃり、と玄関のドアの開く音がした。そして彼女は入ってきた男を迎える。

「いらっしゃい、有栖君」

「……どうも、カナエさん」

 微妙に決まり悪そうな顔をした有栖に、鼎は微笑みを向ける。

「今日はどうしたのかな?」

「えぇー……いや、別に用は無かったんですけど……その、何と言うかですね……」

 有栖は口籠もりながら、遠慮がちに言う。

「えっと、俺働き口を探しててですね……ここ、万屋(よろずや)みたいな事してるって柘榴ちゃんから聞いて……それでそのー……俺の事、雇ってくれません?」

 それに、鼎は笑顔で答えた。

「勿論だとも」

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