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俺と幼馴染の悲劇

作者: 日向小太郎

完全ギャグ作品です、結構パロネタとか、色々仕込んでますね。

初投稿にしては色々はっちゃけてますが、それも楽しんで頂けたら!

幼馴染好きな人や、変な小説読みたい方は読んでみて下さい。

幼馴染題材ですが、結構暑苦しかったりします。


感想、待ってます。

ある薄暗い部室。

そこでは、 暗い中、 存在する数人の人影が顔をきっちり覆うタイプのマスクを被っている。

全員の顔はわからず、 見えるのは目だけだった。

この組織の部長が、 教壇に立ち、 何かを主張する様子だ。

部長と他のメンバーの相違点は、部長は胸に金色の大きなバッジをつけている事だ。

リーダーにはどこかカリスマがあり、 他のメンバーと違う空気を感じる。

マイクに近づき、主張を始めるかのようだ。

俺は何故このような所にいるのかと言うと…






俺、 桧山絵明(ひやまえあ)は。

何気無く教室で会話をしていた時に、 その悲劇は始まった。

俺はごく普通の高校生、 成績が良かったり、 運動神経抜群でもない。

きっと作品に出るとしたら、 何のとりえもないけど何故かモテるラブコメ主人公か、 主人公の友人Aだろう。

いや、 と言うか何故か何もしないでモテる主人公なら大歓迎だがな!

不思議な力に目覚める事も、 幽霊少女や翼を携えた少女と対面したり、 やたら料理が上手く作れたりもしないし、 ニート守護者に学校から発進する巨大ロボをもらう事も。

義理の可愛い妹も、 未来予知能力も、 幼馴染も存在しない。

そう、 「幼馴染」…このキーワードが悲劇の元だった…

「いやー、 俺金ないけどさ、 テールズインシンフォニー、テンペス、エターナルやりたいんだよねー

あとさ、誰か『れでぃばう』って小説持ってないかな?読みたいんだよ」

俺は友達に何気にゲームと小説の話をしていた。

今思うと…その時にきっと…マークされてたんだろうな…

普通に会話してるだけで悲劇に繋がるなんて…




俺は廊下を何気無く歩いていた。

何気無く鼻歌を歌いながら。

「あーたっく、 きらーとまーと♪ あーたっく、 きらーとぅめいとぅ♪」

そんな時、 俺の横から人影が現われ、 俺に声をかける。

「君、 ちょっといいかね?」

その人物は、 制服のバッジで俺の先輩だとわかったが。

どこか落ち着いた雰囲気があり、 高校生とは思えない程大人びた感じだった。

顔立ちはシャープな美形と言う感じで、 歳相応だが、 どこか大人びたオーラを感じる。

おお! 神々しい! こんなカリスマ持ってたら女も食い放題で、 並大抵の事出来るんじゃねえか?

俺のような没個性のエアーマンに個性を分けて欲しい所だね!

「あ、 はい」

俺は間抜けな返事をしていた。

その男の間から煮汁のように滲み出てる存在感に押されていたからだろうけど。

「君は先ほど、 テールズシリーズをやりたいと言ったね、それに、君が読みたいと言う小説なら。

俺はあの小説、 36冊持っているよ。

よろしければ君が触れたいと思っている作品、貸してやってもいいぞ」

「うお! マジですか! それなら是非ともお願いします!」

俺は今まで遊びたいと思ったゲームを遊べる喜びと、 今まで読みたいと思っていた小説を読める喜びで舞いあがっていた。

だが、 それが大間違いだったのだ…

そこで、 その男は微笑みかけた…その笑いが、 悪魔の笑いだとは知らずに…

「ふふ…だが…そのかわり…君は幼馴染が好きだろう?」

「ええ、 まあ」

俺は適当に返事をした、 その適当っぷりは、 切羽つまった時に読書感想文を適当に仕上げた時のようだ。

そう、 それらの作品の共通部分は…「幼馴染萌え」と言う事。



それから…紆余曲折と、 ちょっとした事が小さじ1杯分あり、 俺はこの、 怪しい部活、 OMS(幼馴染萌えはさいこーだ)部に入れられてしまったのだ!

回想に出てきた男は、 この部の部長だ。

半ば宗教のような部活で、 怪しく幼馴染を信仰する部活だ…

ちなみに、 他の部活との掛け持ちは可能だが、幼馴染以外の女性とくっついたら血の制裁が待っているらしい…

だが、 ここにリアル幼馴染持ちは何人いるのだろう…それはきっと禁句なのだろう…

だって幼馴染なんて、 巨大ロボットや義理の妹と同じく、実際いないから憧れるんだかんな!

部長の演説が始まる…辺りがシーンと静まり返る。

この男の演説には不思議なパワーがあり、 信仰する者のパワーを更に高める力がある…

と言うか、 部長はこんな無駄な事にエネルギーを使わないで、 別の事にエネルギーを費やしたほうが将来のためになるよ!

ま、 ロマンに理屈はいらないし、 気持ちはわかるよ。

本音を言えば、 俺はこのOMS部からとっととロケットブースター並みの勢いで退部したいけどな!

退部したい場合は…漫画くらぶシリーズを全て間違えないで購入してくると言う試練が与えられ、間違えた場合全部自腹と言う恐ろしさ…

まるで悪魔のようだ、 部長自身が把握しているかどうかは怪しく、俺も把握していない。

「幼馴染は!!」

部長の言葉が紡がれる、 いつもの演説だ。

「さいこーだ!!」

部長の声に続き、 他の面々も声を合わせる。

「眼鏡幼馴染は!? メイド幼馴染は!? 猫耳幼馴染は!? ウェイトレス幼馴染は!? 内気幼馴染は!? 強気幼馴染は!? ツンデレ幼馴染は!? 妹幼馴染は!? お姉さん系幼馴染はどうだ!」

部長の声が狭い部室に響き渡る。

「最高最高最高! 最高ー幼馴染!」

最高コールが響き渡る、 うざったいぐらいの勢いで俺の耳を侵食して。

いつも似たような演説で…この痛い部活は始まる…


「では! 幼馴染について語ってもらおう! 10番! 語るがいい! 脳内でもお前のリアル彼女でも構わん!」

それから、 覆面をつけた10番が教壇に立ち、 手をぎゅっと握り、 熱っぽく語り始める。

「えー、 では行かせていただきます。

私の幼馴染はちょっと強気で、 素直じゃないんですよね。

でも…可愛くエプロンつけて、 それで顔を赤くしながら私のために毎朝ご飯を作ってくれて…

その味はそんなに美味ではないのですが…それでも私は彼女の気持ちを…毎朝噛み締めています…

そして私は毎朝彼女と一緒に手を繋いで登校して…放課後はメイドコスプレで私の世話をしてくれます…

私はそんな彼女が大好きです!」

爽やかな、 いかにもスポーツ少年な爽やかな声が響き渡る。

あれ? この声どっかで聞いた事あるような…

わあああああ!! 

陳腐すぎる話だが、 その語りに大歓声が上がった。

ああ、 こりゃ嘘だな…嘘の味が大さじ10杯ぐらい濃厚だ。

「そこのお前! 次はお前が幼馴染について語ってみろ! えーと…名前何だっけな…とにかく5番!」

え!? 俺!? 俺は自分に指をさされた事に気づく。

俺名前忘れられてる!? 俺の名前は桧山絵明だ! ひやまえあ!

こ、 これはピンチだ… 俺は幼馴染に興味ないんよ、 萌え要素のなんたるかも理解してないし。

だが、 その場しのぎに定評のある俺ならどうにか出来るはず!

「えーとですね、 俺の幼馴染は素直じゃなくて、ツンデレで内気で内向的で活発、 ひらひらしたドレスをまとっていて、 ふわふわロングへアーの剣道少女で。

素直ヤンデレで自衛隊所属の剣道少女で、編物もやってるサーカスのスターな女の子です」

しーん…あれ? 俺のナイスな幼馴染語りに、 場が凍りついた。

なんで!? ナイスじゃん! 映画、 攻撃キラートマトぐらい!

がしっ、 俺は部長に頭を掴まれた。

痛い! 痛い! 脳みそが出る! 何かが砕けるぅー!やめてくれー!

めりめり音が聞こえるしー!

「お前のそれは… 適当に済ましているんだな…貴様には魂を感じない! 貴様の魂を教育しなおしてやるわー!!」

げっ!

俺は部長に頭を掴まれたまま、 拷問室に連れて行かれた・・・

誰もとめないばかりか、 周囲から「やーれ! やーれ! 」と声が聞えて来る。

や、 やめてくれー! 強化人間ばりの教育されるか! 拷問道具でも使われそうだ!

ここから先は…トランプタワーを101個作らされると言う拷問だった…

もう何も考えられない…まるで僧侶の修行のように苦行だった…




それから数時間後…俺は戻ってきた…もう夕日が昇っている…

「ご…ご愁傷様…ほら、 これでも飲んで体力回復してくれ」

10番はボドボドの俺に、 RPGとのコラボグッズであるエーテールの形をしたドリンクを渡してくれた。

うう…ありがとう…どっかで聞いた声の10番…だが、 死ぬほど不味くなければもっと嬉しいんだけどな…

だが、 10番以外誰一人俺を心配しておらず、 それどころか「余計な時間かけさせやがって」と言う目で睨んでいる。

君ら鬼ですか?

部長が口を開き、写真を俺達の目の前にかざす。

「今日の議題だが、 この男、 山田次郎は、 幼馴染が13人いるらしいぞ」

そう言い、 部長がそこらのゴミ捨て場から拾ってきたボロいテレビとビデオデッキに、 ビデオテープを入れ、 映像を映し出す。

そこには、 その平凡な名前の名前だが、 輝かしくて、 いかにも美形な少年が。

自分と同世代に見える女の子や、 大人びた女の子や、 

どう見ても幼女です、 ありがとうございました、 な幼く見える女の子まで、 よりどりみどりってカンジだったのだ!

ふーん、 沢山の幼馴染がいるのだね。

それで何を言いたいのか… 13人? 金曜日? 両親を探して銀河でも漂流するつもりか?

「うん、 幼馴染を大事にする姿勢は素晴らしいな、 だが… そんな13人も幼馴染が存在するなんて。

13股かけてるのも同然であるまいか! そのような輩は! 天に代わりて成敗するべきだ!」

だんっ!

部長が教壇を叩きながら、 まるで熱血少年漫画ばりの勢いで主張する。

あ…手の形に穴開いてる… すごい力だな。

あ、 そーいや今日13日目の金曜日か…

って言うか! なんだその某雑誌ミステリー調査団並みの超理論は!?

な、 なんだってー!? とでも言って欲しいのか!?

間違ってるよな! みんな!


だが…俺が目を向けると…

「うおおおお! すげえええええ! 同意! 同意!」

「そう! 俺は二股以上股野郎を殲滅するために生まれてきたんだ!」

「フハハ! 理想を手にしているのに更なる理想を求める! それは贅沢だと思わんか!? 」

こ、 こいつらー! 同調して適当な事ばっか言ってやがるー!

「そんな事言ってるけどさー、 君らイケメンの上に幼馴染沢山いるから山田に嫉妬してるだけじゃないの」

「………」

「………」

俺が軽くつっこみを入れると… 辺りは静寂に包まれた… 図星だったのか!

「と! とにかく! 私の調査によると、 山田は今日の夜8時21分出かけるらしいから! その時に奇襲をかける!」




で… 8時21分… 俺は強制連行されていた…

あーあ… 大人気のドラマ、 湯煙忍者オールナイトエディション観たいのにな…

OMSのオールメンバーも、 山田襲撃作戦に参加して。

あーあ… 変なことになっちゃったな…

夜の闇が、 俺の心境を暗示しているようだった。

おっ、 待ち伏せしてると足音が聞えて来るな。

かつかつと足音が聞えて来る。

「ちょっと! やーちゃんはわたしの物なんだから離れなさいよ! この頭スカスカ娘!」

「ふふ、 何を仰っているのですか? これだから育ちの悪い娘は困りますわね、 少しは次郎さんやわたくしの優雅さを見習って頂きたいですわね。

品性も恥じらいもない方は無様ですわね」

「ふふ、 下品さは君には負けるよー」

そこから、 山田と女の子二人が歩いてきた。

ほのぼのとした会話を交わしていたが、 地獄よりも寒々しいオーラを同時に感じた。

わー… 俺だったら逃げるね…

「ははは、 お前達そんな喧嘩するなよー」

漫画のように冷や汗をかきながらも、 山田は紳士的に爽やかに応じている。

だが、 どこか顔が引きつってる気がする。




「俺が奇襲をかける!」

10番が小さく、 だが力強く言う。

その時、 OMSの一人、 10番が電柱に飛びあがり、 山田に上からの奇襲をするつもりだ。

10番の運動神経は秀逸で、 まるで陸上部エースのスパッツが似合う藤見さん並みの身体能力だった。 

まるで、 上から来るぞ! 気をつけろ! と言う感じだ。

彼はスナイパーのように山田を補足し、 電柱から飛び降り、 山田に飛び蹴りをかます!

その勢いは風を切り、 全てを打ち砕く一撃に等しかった!

目の前にいる俺にも、 その力は感じられた。

まさに雷神! それほどの物だ!

だが、 山田は即座に視線を向け、 裏拳でカウンターをする。

「ぐあはぁ!」

音を立て、10番のマスクが吹き飛び、 俺のほうに転がってくる。

「!? な、 何ぃー!? ま、 ま、 ま… 間緒だああああああああ!!」

俺は10番の正体に驚いた。

俺の絶叫が、 近所迷惑なぐらい大きく響き渡る。

まるで、 超大作RPGで主人公の父の姿が、 どっかの盗賊の色違いで、 パンツ一丁だった時の衝撃に匹敵する。

「お! お前はー! 間緒じゃないかー! 何故この部活に!? お前程のルックスと成績と運動神経と性格なら、 労せずに彼女ぐらい作れるだろーに!?」

マスクから美しいが爽やかで、 清涼剤のような空気さえ漂わせる顔が現われた。

そう、 その正体は… 俺の親友の間緒(まお )だった…

陸上部所属で、 運動神経抜群、 なおかつ成績も素晴らしく、 人当たりが良く、 ピアノも得意と言う。

ギャルゲーの完璧キャラ並みのチート性能な男だ。

あくまで、 運動神経が僅かに山田のほうが上だったので返り討ちにされただけで。

総合的スペックは間緒のほうが圧倒的だ。

間緒が息絶え絶えで、 言葉を紡ぐ。

「ぐはっ…確かにそうかもしれないな…だが… どんなに努力しても…幼馴染は手に入らない…

だから俺は部活に入った…幼馴染でメイドな女の子とねんごろしたかったんよ…

で…お前の名前何だっけ…親友…ぐはっ!」

間緒が、 某侍魂の剣士のように血を吐き出し、 気絶する。

口が裂けても… 俺は幼馴染萌えに興味がなくて。

お姉さん系が好き等と言う真実は告げられないな…

「間、まおおおおおおおおおおお! 俺の名前は絵明だあああああ!ちくしょう! 山田! よくも間緒を!」

俺は山田に向き直った。



だが、 誰一人俺の事を気にせず… 山田とOMS部の戦闘が開始されていた。

近所迷惑過ぎると言うか、 俺だったら苦情出すレベルの戦闘を開始して。

あれ… 俺の影…透けてないか… !?

普通主人公の出番じゃないか!

だが、 もうなんつーか… OMS部は大半山田のチート的な身体能力で、 死屍累々になっていた。

「ぐあっ!」

「どえっ!」

「どへっ!」

ぶっ飛ばされー、 ぶっ飛ばされー、 戦隊物の戦闘員のように。

ま、 お約束だな… 俺は最早戦いに置いていかれた、 インフレについていけなくなった脇役キャラのようだ。

「きゃー! やーちゃん! すてきー!」

「次郎さん、 お見事ですわ、 その下等な者たちは木っ端微塵にするべきですわね」

あ… あ… 辺りが血まみれだ…

清掃大変そうだなー…近所迷惑だなー…俺はそんな事を考えながら、 現実をゴミ箱に投げ捨て、現実逃避していた。

と言うか、 山田の幼馴染二人組も何気に酷いよね。

残ったのは、 俺と部長だけだった…

「部長! ここは俺に任せて下さい! 間緒の仇を!」

俺はポーズを取り、山田を睨みつける。

「ふ…その必要はないさ… それっ!」

そう言い、 部長は懐から、 レシートの束(全部美味い棒を購入したレシート)を取りだし。

それは原理不明で、 刃物のような切れ味を持っていて、 異様な強度を誇っていた。

なぬ!? 漫画等でカードを投げ付けるシーンがあるが。

ふにゃふにゃのレシート(美味い棒購入)を硬化して、 カードのように投げ付けているのは。

非現実的だった。

「くっ! 食らえばいちころだな…」

山田が冷や汗を流し、回避する。

ずごごごごごと音を立て…

電柱を切断し。

レンガの壁をレシートが切断していた、 豆腐のようにすっぱりと。

「え、 ええええええ!?」

俺はあまりにも不条理な事態に、 混乱していた。

しかも本人達超まじめだし…

「くっ…お前ほどの者が存在したとは…」

「ふふ、 女心を弄んだ報いだああああ!」

部長が叫び、 止めのレシートを投げ付けようとする。

その時、 冷たい声が響く。

山田と一緒にいた女の子二人が口を開く。

「わ た し の やーちゃんに、 何、 するのかな? 

あはは、 ねえ、 あなたはそんな事するなら、 やーちゃんに一生関われないようにして、 あげよっか?

だって あなたのような人がやーちゃんに絡んだらー、 やーちゃんが汚れちゃうもん」

「野蛮人は困りますわね、 とりあえず、 黒魔術の実験にでもなりませんこと?

汚れた人間の魂は良い材料になりますから…」

女の子二人の声が響き… 部長は… 連行され… 闇の彼方に消えた…

「ヤンデレ幼馴染二人か! 俺は幼馴染ならなんでもいいー!」

それが部長の… 最後の言葉だった…

「ぶ、 部長ーーーーーーー!!」

俺は部長が、 どうなるのか… 気になるが… この後を想像すると、 恐怖に包まれた。

明後日は部長の大好物の、 しじみの豚汁が出てくる、 それまでに部長が復活するか、 気になる所だ… 


山田が、 全てが終わった事を悟り、 自分に言い聞かせるように言う。

俺の存在を忘れて…

俺! 主人公なんですけど! 主人公なのにー!

「俺は確かに愛してもらってるし… みんな大好きだ…

だけど! 愛情を平等に注がなければならないし、 何かのきっかけで俺の命はないかもしれない。

だから、 俺には俺の気苦労があるんだ… 誰か…わかってくれ…」

そうですね、 わかります。

俺も巻きこまれ体質だし…

でも… 俺空気なんですけど…






数日後

「いやー、 あの時どうなるかと思ったなー、 ふふふ」

部長は、 俺と一緒に学食でしじみの豚汁を飲んでいた。

OMS部は、 ヤンデレショックと、 部長の引き起こした騒動。

教師による部活動に相応しくないと言う判断で、 壊滅した。

俺は部活動なのに不純な事を、 もっと早く判断して欲しかった。

まるで亀並みのスピードだ。

で、 部長は酷い目にあったのに、 その翌日に腕にバンソウコウ(よい子の小サイズ)を張りつけて。

何事もないかのように回復していた。

まるでナメック星人並みの回復力だな。

食べたらなにもかも回復する豆でも食ったのか?

「はあ… さいですか…」

もう… 考えるのはやめよう… 頭が痛い…

「でな、 俺、 科学部に入るつもりなんだ、 お前も一緒にどうだ?」

おっ、 部長がよーーーーうやくまともな発言をした!

あの時生まれ変わったんだな!

「いいですよ!」

俺は力強く返事をした。

だが その期待は 1秒後に真っ二つに切り捨てられる…

「勿論! 科学部に入って! 幼馴染になってもらう薬を作るのだ! ちょっと記憶をあれこれしてだな!

待っていても始まらない! 自分から動くんだ!」

「イヤっす! そんなアホで非人道的なことに付き合えないいいいいい!!」

だが、 俺は部長にぐいぐいと強烈な力で引っ張られていた…

それは…俺のこれからの未来を暗示するかのよう だった…


FIN


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