第7話 エネルギー
お待たせしました。
なんてこった。
まさか、肝心なエネルギーが底をついているなんて。
彼女は苦笑いしながら言う。
「...申し訳ありません。巻き込んでおいてこの体たらく。自分が恥ずかしいです。」
「いや、そんなことないぞ。ギリギリの状況で、むしろそんだけ用意できたならいい方だよ。1回とは言え持っただろ?」
「...はい。」
彼女はどこかしょげているようだ。元気づけてやりたいと、足りない脳で考える。
「それで俺に伝えることが出来たんだ。上出来じゃん。」
「!......はい!!」
少し笑顔が戻った。良かった良かった。
とりあえず、戻ることにしよう。
これからの事も考えなくちゃならないし、俺は何より...。
「あの、ありがとうございました。私なんかの言う事を信じて、戦ってくださって。」
「ああ、気にすんなよ。俺のやりたいことをやっただけだからさ。」
「ふふ......なら、良かったです。」
彼女はほっとしていた。俺もほっとしたし、もう俺は...。
とりあえず、戦闘地から離れた場所で降りたので一旦家に帰ることにする。
彼女も着いてくるそうだ。流石に異次元空間では人間は生きられないようだ。
ふと、あのバケモンを倒したところを見る。
黄色くて粘っこい体液の中に、光る何かがある。
「なあ、あれって宝石とかか?」
少し気になるので聞いてみる。
「え?......さあ、何でしょうか?異偶を倒しても普段はあんな物出ないんですが...」
「そうなの?...ちょっと気になるし、見てみようよ。」
彼女は本当に知らなそうだ。何より、少し不安げだ。
俺も気になる。正直、相手が人ではないとは言え、何者かの命を奪うのだ。
何か報酬が無きゃやってられないぜってんだ。
第一、俺はただの一般人だ。
あれがもし、この世界には存在しないような宝石なら丸儲けだ。
まあ、何処で手に入れたか根掘り葉掘り聞かれそうだが。
もし売った際に聞かれでもしたら
「あー、それ偶然現れたロボットの戦いに巻き込まれた際手に入れたんすよ~。え?偶然っすよw」
と言っておこう。
近づくとそれは、禍々しい光を放つ石だった。
赤茶色の肌をして、青白い光をヒビから放つなんとも奇妙な石だ。
正直、きもいなと思った。
しかしここでカーㇴが思いもよらない事を言い出す。
「これ、これってもしかして!!!!!」
「何だ、どうしたんだよ?そんなに慌てて。」
あわあわする彼女に聞いてみる。
「...ひょっとしたら、資源の問題が解決するかもしれません!!!!」
「本当か?!...まさか、それって!!!」
「はい、そうなんです。恐らくですが...」
彼女の言わんとしたことは分かった。確定ではないが恐らくそうなのだろう。
「すぐ帰りましょう!!...しっかりと調べてみます!!!!」
彼女は眼を光らせて俺に言った。
「わかったよ。そんな急ぐなよ。コケるぞ。」
全く、しょうがない奴だ。
大人みたいな表情を見せるときもあれば、年相応のあどけなさがある時もある。
不思議な子だ。カーㇴは。