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適合者はこの俺!!!!  作者: こしあん大福
第1章 真紅の雨
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第62話 もっと頼って

最近のコンビニの弁当、美味しいですよね。

俺を引っ張ったカーㇴだったがそこでまさかのゴミ箱に躓いてしまった。


勢いよく後ろに倒れ込む形で尻もちをつく。


となると、当然服を掴まれている俺も危ういわけで。


勢いよく俺も倒れ込んだ。


「いって~~~。」


と言いつつ目を開けると、カーㇴの身体に寄りかかってしまっていた。


「...!?...すまん、思わずな。」


慌てて立ち上がり、手を貸すと滅茶苦茶恥ずかしそうに手を繋ぎながら立った。


「す、すみません。後ろを確認していなかったもので。お怪我はなさっていませんか?」


珍しく言葉を詰まらせながらあわあわしているカーㇴ。


「これしきで傷ついたりしないよ。カーㇴの方こそ大丈夫か?」


「ええ、ご心配おかけしました。......それであの、何で今出てきているんですか?外は現在何かと危ないですよ?」


「ああ、マジでそうだな。ちょっと歩けばマスコミだもんな。もっと考えるべきだったわ。」


「ええ.........、てことはまさかもう既に!?」


そうなんだよ、すまないカーㇴ。


カーㇴ自体はあまり注目されていなかったため、これ幸いとちょくちょく小間使いにしてしまっていた。


俺がバレそうだなって時はカーㇴがいってくれていたのだが、今回で全てパーだ。


「悪い、俺が考えなしなせいで。さっきの騒動聞いたか?...バレちまったんだ。」


「...そうだったのですね、そうなった以上は仕方ありませんよ。大丈夫です。」


本当にカーㇴって優しいな。


こういう時くらい怒ってもいいんだぞ。


「...では、お言葉に甘えて。」


え、冗談やん。


うそやんうそやん。


「あの、楼汰様。何故、連絡なさってくれなかったのでしょうか?何か特別な用がお有りでしたか?」


あ~。


いや、確かに特別っちゃあ特別ではあるな。


「いや、その、ええと。............腹減ったんで飯を買いに来ました。」


「そ     れ     く     ら     い     私     が      買      い      に      行      き      ま      し      た      よ?」


あっ、滅茶苦茶怒ってるわこれ。


今までに無いくらい怒ってるわこれ。


「いや、ごめん。本当にごめん。」


「...私が外出しているなら携帯の端末にメッセージを送ってくだされば買いに行けました。何故、そんな事をなさったのですか?」


彼女の顔はなんというか、言うなればあれだ。


孫に盆栽割られた祖父の顔だ。


怒りたいけど他の要因が邪魔して怒れないってな感じの顔してるわ。


「いや、その。毎回毎回頼んでるし、丁度時間も空いたから自分で行ってもいいかなって、思ったんです......。はい...。」


ちょっと自分でもかなしい。


俺はついに行動にも不自由が生まれてしまったのか。


何が悲しゅうてこんな思いしなきゃいけないんだチクショー。


クッソー、マスゴミめぇ~~~。


覚えとけよクソぉ。


「...そんな事、気にする必要はありません。貴方は私と世界にとって英雄であり、救世主です。ですからそんな雑用などは任せて頂いて構いません。私は嬉しいですよ、お役に立てるので。」


「......でも、俺は気にするよ。カーㇴは相棒であって俺の奴隷じゃないからな。」


「...私じゃ、お役に立てませんか?...私では力不足でしょうか?戦闘面ではてんで役に立たないのでせめてと思っているのですが......。」


おいおい、そんな事思ってたのかよ。


とはいえ思ってたんだろうなあ。


やっぱ、カーㇴの闇は思ったより深そうだ。


「...その言い方はズルいだろ。力不足な訳ないだろ。助かるし嬉しいさ。...カーㇴがいいなら、これからも頼んで良いか?...俺も希望として戦ってみせるからさ。」


「ええ、お任せくださいませ!」


カーㇴはいつになく嬉しそうに笑った。


こんなに有能な彼女が役立たずと罵られる異世界、一体どんな魔境なんだ?


正直俺なんかよりよっぽど頑張ってる気がするけどなあ。

















「じゃあ、楼汰様はここでお待ちください。」


彼女はそう言った。


「すまない、折角俺も来たってのに結局頼む羽目になっちゃって。...ていうか、何か用事があったんだろ?大丈夫なのか?」


「はい、もう用事は済ませましたので。大丈夫です。くれぐれも見つからないように、ご注意を。」


カーㇴは口酸っぱくして俺に注意する。


今回のことがあっただけにお母さんみたいになってしまっている。


ま、お母さんだとしたらまだまだ若すぎるけどな!


「今、滅茶苦茶失礼な事思いませんでしたか?」


あ、やっぱ気づくんだ。


「...イエ、何モ思ッテイマセンヨ?」


「何で片言なんですか!?」















カーㇴにコンビニに行って買ってきてもらうのはとりあえず弁当と飲み物だ。


飲み物は何でもいいが、弁当はなるべくボリュームがあるのをお願いした。


この歳になるとボリュームがあるのを下手に食べると胃もたれがヤバいのだが、最近はリーパーに乗っている反動なのか何なのか、やたら腹が減るんだ。


だから食っても大丈夫、だと信じたい。


ちなみに渡した額が足りる分はカーㇴの好きなモンも買っていいとは言っておいた。


まぁカーㇴの解答は、


「いえ、今は急ぐときですから。どうしても、どうしても食べたい!!!...ってものが無ければ楼汰様のだけを買いますね。」


だったが。


食いしん坊なのに俺の要件の為に急いでくれるの、ホント有能というかなんというか。


年齢弄り出来ないくらい優秀でマジで異世界が怖くなる。


ひょっとして俺、カーㇴの世界じゃマジのお荷物なのでは?














カーㇴがコンビニに入店して20分が経った。


.........遅いな。


何か気になるものでもあったのか?


外からじゃ確認できないが、コンビニあるあるな渋滞でもしてるんだろうか。


じゃあしょうがないな、実際結構車留まってるしな。


まあ待てばいい。


幸いカーㇴと和磨のお陰で今のところここに居る事は気づかれてないようだし。


とりあえず様子見だな。


















カーㇴがコンビニに入店して30分が経過した。


その間に車の入れ替わりこそあったものの、一向にカーㇴが出てくる気配が無い。


何だ?


まさか、マスコミの奴らがカーㇴを!?


...いや待てよ、カーㇴは少なくともマスコミには注目されてなかった筈だ。


じゃあ何でだ???


.........考えていても仕方ない。


とりあえず店内に入って探すしかないか。


いそいそとあたかも怪しくないですよアピールをしながら店へ入る。


......ここまですると返って怪しいな。


いつも通りにしておこう。


その証拠に、レジの店員さんがこちらを見ていた。


絶対不審者かスリだと思われてるなコレ。
















店を探し回ったが、カーㇴは何処にも居なかった。


トイレは流石に入れないが、たまたま通りがかった女性の店員に女の子が居ないか確認してもらったところいなかったらしい。


マジで何処に行ったんだ?


入れ違いにはなる訳が無いんだ。


コンビニの入り口は一つだけだしな。


と、さっきからレジの方の店員がやたらとこちらを見つめてくることに気が付いた。


いや、さっきも見られはしたがあれは不審者扱い的なアレかと思った。


しかし今の反応を見るにこれはなんというか疑いの目では無いという事実に気づいた。


何方かと言うと迷いと怯え、って感じだな。


そんな分かりやすい反応をしてくれるんなら聞いてみようと思う。


「すみません、あの。これくらいの背で白のパーカーを着た女の子、見ませんでしたか?」


「.........見てないですよ、僕は何も。」


おい、返答がもうそれじゃねえか。


怪しすぎるだろ、明らかに慌ててる感じあるし。


目を逸らそうと必死になっている。


これは黒だな。


「本当に知りませんか?...私の妹なんです。先ほどこのコンビニに入ってから姿が見えなくて。」


「.........僕も知らないです。み、見間違えなんじゃないですか?」


「見間違えな訳ありません。私は用が無かったので近くで待っていましたが、彼女とその際話していますから。」


「...そうですか、とは言われましても僕は知らないので。」


知らないの一点張りだ。


まだすみません、ちょっと分かりませんくらいなら可愛げがあるがこれは確実に何か知っている。


こうなったら最終手段だ。


正直群衆に今の状態をバラしたら最悪なことになるが、カーㇴが何か大変な目に合う前に状態を確認しなければ。


和磨に連絡をしたら次は警察だ。


警察を利用するほかない。


色々根掘り葉掘り聞かれるだろうが、もはやこれまでだ。


......ていうか、公安もそういう調査機関なんだよな。


なら、和磨に頼んだ方が手っ取り早いか。


そう思うのが早いか、俺はスマホで電話を掛けるべく取り出した。


すると、店員は焦ったようにこちらを見るとこう言った。


「あの。どちらに電話を?」


「え?いや関係ないでしょう。.........ここで妹が消えたと警察に連絡するだけですよ。」


すると、彼はひどく焦り出した。


「え?いや、それは困ります!そんな事されたら俺のクビまで............はっ!」


今、なんて言った?


間違い無く俺、聞いちゃったよな。


「今、なんて言いました?...答えてください。」


「............何も、言ってないです、ヨ?」


「クビがどうとか、言いましたよね?」


「いやいや、何も言ってないですって。」


これじゃ押し問答だ。


こうなったら仕方ない。


カーㇴがこんな嘘つき野郎に何かされるくらいなら、正体をばらした方がマシだ。


サングラスとマスクをとり、帽子を外す。


店員が息を呑むのが聞こえた。


もう後戻りはできない。


すっと深呼吸する。


「スゥーッ.........。早く答えろ!!!!」


「はいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」























彼から話された言葉は、俺にとって最悪を意味する言葉だった。


「...それ、本当なのか?」


「はい、間違いないです。......お願いします、黙っていてくださいね?」


......最悪だ。


どうして、こんな事に。





















カーㇴが、連れ去られた。

さて、大変な事になって参りました。

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