第56話 失くす
三日ぶりですね、お久しぶりです。
仕事が忙しくなったので眠る時間が欲しくて1日、それと会社の飲み会があったので1日、そして疲れをとる為に色々休んでいたら1日経ってました。
という訳でお詫びで本日は少なくとも3話投稿予定なのでお待ちください。
和磨は、そんな俺を見てすぐに走ってきた。
アイツはすぐに俺からナイフを取り上げると、一体何があったのかと聞いてきた。
若干気まずそうにしつつもその場で俺らを見つめるその子らを横目に見つつ説明した。
なるべく、彼らの気持ちが分かるように。
和磨は良い奴だけど、恐らくコイツは彼らを傷つけてしまうだろうから。
案の定、和磨は聞いた後凄い剣幕で少年らに怒り出した。
「君たち、一体岩動さんを何だと思ってんすか!?そりゃ彼なら優しいから何かしらの代償は払ってくれるっすよ!!でも、それで満足っすか!?いくら子供だからって、流石に限度があるっす!!」
やっぱりかなり怒っている。
だが少年たちも負けじと反論。
「うるせえ、関係ないだろ、アンタは!!俺らは今コイツとやり取りしてんだ!邪魔すんな!!」
「そうよ!大体、この人のせいで両親は亡くなったのよ!!この人が殺したようなものだわ!!ねえ、そうでしょお兄ちゃん!」
「.........あぁ、そうだ。こいつが全て悪い。...............」
何というか流石子供、反論が反論になっていない。
これじゃ和磨の楽勝だな。
...しかし、男の子の方、さっきから妹への返答が遅かったり小声で何か言ってたりと妙な行動が多いな。
なんかあるのだろうか?
「君達、いい加減にした方がいいっすよ!あんま自分子供に言いたくないっすけど、今この世界を守っているのは彼なんすよっ。そんな彼を現状より追い詰めてどうするんすか!?」
「だから何だよ!?俺らは、俺らは家族を奪われてんだぞ!!コイツが守ってくれなかったせいで、俺たちの親が!!」
「...それは少なくとも、守ってくれた側に言う事では無い筈っす。それは奪った側に、言うべき事っすよ。だから、今は内輪もめしてる場合じゃないっす。あの怪物たちに、言っ」
和磨なりに頑張ったんだろう。
だけど、余計な火をつけてしまったようだった。
「...こっちが子供だからって舐めやがって!それで親が帰ってくんのかよ!?その言葉はそのバケモンたちに通じるのかよ!?無理だよな?!でも、コイツには言葉って通じるだろ!?バケモノじゃないもんな!!!...なあ、アンタ、俺らに報いたいんだろ??だったらさ、いう事聞いてくれたっていいじゃんか...?」
俺に目が向いた。
ぶっちゃけて言えば、俺だって腕も命も失いたくない。
約束があるからな。
それに、確かに異偶には話は通じない。
だが、じゃあ通じる奴になら直接死因に関係が無くても復讐していいのかとなるとまた別物だ。
和磨の前提もちょっと悪かったとはいえ、これじゃこの子たちは成長しない。
...だけど、この子らの気持ちも分かる。
少なくとも、誰かを失う怖さは。
だから俺はここで簡単に切り捨てたり酷い目に合わせたりしたくはない。
とはいえどうしたものか。
この子らに、どうしたら納得してもらえるだろうか。
下手なことをしたら、和磨のように余計怒らせるだけな気もする。
「...俺たちは幸せだった。だけど、その日常が急に壊れたんだ。...母さんに、謝りたいよ俺だって。でもその機会すら奪われた。.........全部、全部お前のせいだ!!」
「事情は分からないっすけど、どう聞いても少なくとも守ろうと立ち向かった彼に言うべき事では無いっすよ!?それに、彼が引き起こした訳でもないっす!君達は一体その言葉を誰に向けてるかわかってるんすか!?もし、君たちが狙われたとしても守ってくれるのは彼なんすよ!?」
「うるさい!どうせソイツは守れない!!!また誰かを殺すだけだ!!!守ってもらわなくて結構だ!!!」
「家族を失ったのが痛くて辛いのは自分も分かるっす!...辛いっすよね、子供の頃なら特に。けれど、それを守ってくれる人にいった所で不幸しか起きないっすよ。それよりも、君たちのご両親が命を懸けて逃した君達が、生きる事が最重要なんじゃないっすか?!君達は、生かしてくれたご家族の意志まで否定するつもりっすか!?」
おいおい、いくら彼らのいう事が滅茶苦茶だったとしてもそんないう事は無いだろ。
「...言わせておけばっ!!俺たちの苦しみなんて理解してないくせに!!」
やっぱこうなるか。
仕方ない。
「...和磨、悪い。俺やっぱりs」
言いかけたものの、その言葉を最後まで言うことは無かった。
和磨はなんと、俺にも怒ったのだった。
「岩動さんも岩動さんっすよ!?なんで否定もせずあんなにあっさり腕を行こうとしたんすか!?あれでもし本当に腕を使えなくしていたら誰が世界を守る気だったんすか!?」
「...それは、そうだな。だけど彼らは、彼らの気持ちはどうなる?...辛かった感情を俺で乗り越えられるのなら、安いもんだぜ?」
「...岩動さんは優しすぎるっすよ。そこで、彼らの気持ちを考えるなんて。自分は反対です。だって、ここで世界を守ることが、結果的には彼らの想いを受け止める事に繋がるんすよ!...彼らの命を、未来につないだ方がいいんじゃないですか?」
和磨は真剣な表情でこちらを見つめ言った。
確かに、普通ならこういうんだろうな。
ある意味、模範解答かもしれない。
でもな、少なくとも目の前で誰かを失ったらそんな事は言えないぞ。
俺も、今でこそこの立ち位置だが、アイツを......。
アイツを失ったときは、世界の全てを恨んだからな。
そう簡単に突き放すのは、今の俺はしたくない。
だからといって、流石にそのまま受け入れたらそれはそれでカーㇴとの約束も果たせなくなる。
どうしたものかと頭を捻らせていると、瞬間。
少年たちが叫んだ。
「もういい!!!!アンタらなんて知らない!!!!...行くぞ、魅羽っ!!」
「うん...」
その表情は、あまりにも辛そうで、現実を直視出来ていなくて、気の毒だった。
俺にとってアイツが家族同然だったように、彼らにとっての家族もまた大事な存在だっただろう。
それを途端に、しかもどうしようもないもので失ったんだ。
壊れておかしくはない。
和磨はというと、
「あっ、おい待て!!!まだ話は終わってないっすよ~!!」
等と叫んでいるが、正直良かった。
ここで話が終わっていなかったらきっと彼らはもう二度と立ち直れない言葉を和磨から言われる可能性があったしな。
判断にGJしたい。
...和磨、お前は後で少し説教だ。
何も全て正論を言えばいいってモンじゃない。
それを教えてやらなきゃな。
一方、そんな彼らから逃げてきた兄妹の背後には。
配信で世界的にバズったものの、残念ながら本人がバズる事は無かったとある男が近づいていた。
その出会いは、最悪の結末を呼ぼうとしていた...。




