第50話 正式
ついに...。
カーㇴと夜に話し合ったが、俺と同じ考え方のようだったな。
やっぱ戦争は良くない。
それに、俺らのリーパーはそんなことの為の兵器じゃないからな。
都合のいい守り神にされてたまるか。
なお、カーㇴはカーㇴで......。
「どうしてもお金が必要なら私も働きます!」
とか言いやがる。
「いや、お前働けないよ。精々バイト止まり...っつっても身分証明すら出来ないもんな~。やっぱ無理だわ。」
「そんな、楼汰様のPCで見た漫画にはバイトをするとまかないが出るとかどうとか...」
いやどんな漫画見たんだよ。
「いやそれはほんの一握りだから。てか本来の目的じゃないだろそれ!!」
「わ...私だって協力したいです!!!その上で、もし更に美味しいものを味わえるなら尚更です!!」
「ほらやっぱ飯の為じゃねえか!!...ったく、まあでも実際猫の手も借りたい状況だし、カーㇴがはたらけりゃそれもいいかもなんだけどな。」
中学生くらいの女の子に働かせて虚しくならないかって?
いや、昔は当たり前だったみたいだしっ!
別に?
俺も就職するけど、その補助くらいあればいいなと思ってただけだし?
俺も余裕ないから正直働いてくれるのはありがたいとか思ってないし?
「...今、何か失礼な事考えませんでした?」
あ、カーㇴの年齢センサーが活発に動いている。
いや、カーㇴさんは勿論現代では高校生ですよ。
バイトなら出来る年齢です。
「.........誤魔化しても無駄ですよ?今、滅茶苦茶目が泳ぎました。」
......怖いな。
俺のプロかよ。
さて、働くことについてはさておきそろそろ身の振り方を考えるべきかな。
何処かの国には付いておかないといざって時にどの国からも歓迎されないじゃ困るからな。
しっかし、何処に着こうと言われてもな。
戦争を仄めかしてきた国はダメだ。
あれは利用して破壊行為を行う事しか考えてない。
かといって他となるとな。
誘拐しようとしたところは言語道断、懐柔しようとしてきた所はマシだけど報酬とかが今一つだったんだよな。
日本が何かしてくれればいいけど、今ン所俺に責任押し付けようとしてるみたいだしな。
さてと、どうするべきかな。
<ピンポーン
インターホンが鳴った。
見に行くと何やら列がある。
全部で4人か。
その内一人は和磨だ。
めっちゃ興奮してる。
そして更に3人はそれぞれあの会議の場にいた奴らだ。
2人は肯定派、1人は逃避派だったのを覚えている。
とりあえず鍵を開けると、笑顔で入ってきた。
「和磨は兎も角、他は何の用だ?生憎、もう話せる事なんて無いぞ。」
「君には無いかもしれないが、こちらにはあるのだ。聞いて欲しいのだが、よろしいかね?」
「......分かった。ただし用件は先に言ってくれ。それによっては対応を変えなきゃならないからな。」
この期に及んで無いとは思うが、君を問答無用で逮捕とか言ってくるかもしれんしな。
ていうか、大体なんで来るんだ。
和磨が心なしか上機嫌だが、それとこれに何の関係がある。
「岩動さん凄いっすよ!!前代未聞っすよ!!!」
何なんだ。
「では先に結論から言わせていただく。岩動 楼汰殿。貴方には今までの活躍とこれからの活躍に期待をし、国民栄誉賞を与える。」
「......は?」
「その上で相談、というか辞令を言い渡させて頂く。これから貴殿には、日本専属の守護者となってもらいたい。給与は...年で5...いや、10だ。10は出せる。」
「...............は?」
いきなりすぎて何言ってんだかわからん。
要するにだ。
専属守護者という事は所謂重要な役割入りしたってことで。
それはつまり。
俺が、俺なんかが国の中心になってしまったって事だ。
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!!!!!!!!!!!!???????????????」
落ち着いたのでとりあえず部屋へと通す。
まずは経緯を聞いてみた。
「何でそもそもこんなコトになったんだ?和磨が話したんだろ?」
「うぃっす。岩動さんが他国にとられないよう精一杯現状をお話しした限りっす。」
「そうです。彼の話を経て議会では真剣に会議が行われました。」
議員の彼の話では、その議会で俺を引き入れるか、そのまま放置するかで激論があったらしい。
否定派は勿論のこと、中には肯定派も流石に引き入れるのは政治的にマズいなどの話が合ったらしい。
ただ、俺への賞は国民には秘密とすること。
それと破格の金額を俺に支払う事。
それにも、現在の国の出費を嘆いてそんな事にと文句を言う奴はいたらしいが、何とかなったらしい。
知らんけど。
当然国民には内緒だろうな。
とんでもない混乱を招きかねないしな。
俺もなるべくトラブルは避けたい。
それらの話があって、結果として渋々両陣営とも答えを出したらしい。
結局、今回の会議で俺への待遇はかなり形として決まり、こうして俺の元の届いたという事らしい。
正直、そんな大変だったんだくらいの感想しか出てこないが、兎に角そういう事らしい。
ま、国にとって下手したらとんでもない価値のものを海外に流してしまったら大損どころじゃすまないもんな。
そう言った意味では日本がそうやってやってくれるのは大歓迎だ。
ただ、確認しておくことはあるな。
「比較的書類を見た感じもいいな。ただ、俺から確認したいことがある。」
「はい。何でしょうか?」
「まず、金額の5とか10とかって何だ?一日に5万くれるか10万くれるかって事か?まさか、月とは言わないよな?」
すると、彼は苦笑いしていった。
「流石にそんな額じゃ専用にすらなってもらえませんし国の品格が疑われます。5億、最低でも10億は下らないでしょう。そういう意味です。」
......。
待て待て待て待て。
億って言ったか?
言ったな。
待てよ、おい。
そんなの一生働かなくたっていい金額じゃないか?
...命を懸けるんだから、これくらい貰ってもいいよなぁ。
結構な金額来てるから正直頭がくらっとする。
それくらいの額だ、億ってのは。
ただ、こんだけいい職場っぽくても結局戦争に利用しますとかじゃ話にならない。
「こんだけの条件なんだ。一体、何が望みなんだ。何だ?」
すると彼らは言った。
「望みも何も、貴殿が日本をお守りして頂けるだけで感動でございます。他に何も望みはしません。」
流石日本、言い方が丁寧だ。
それに特に今までと変わらなくていいらしい。
好条件過ぎて逆に怖いまであるな。
「ええと、じゃあお前らは国を守る事以外に無いのかよ。」
スゲエなある意味。
しかし、ここまで来るともはやこれまでって感じがするな。
俺ももう色々と疲れてきてるし、ここらで傘下に入っておくのもありなのかもな。
と、最後に大事な確認。
「もし他の国が危険だったらその国に行ってもいいのか?」
「勿論です。是非向かってください。」
「じゃあ、もし戦争が起きそうになったらどうする?俺を抑止力に使う気か?」
ここだ、結局。
これではいだったら俺はもう誰にもつかない。
「...いいえ、むしろ全くの自由でございます。」
...ん?
んんん?
自由だと???
「ええ。これまで通り、化け物を倒しながら生活をして頂ければ幸いです。」
おいおい、マジかよ。
ここにきて日本が優良物件になったな。
「...何でそこまでしてくれるんだ?」
そう、何がそこまでこいつ等を変えたんだろうか。
その理由は、俺と同じだった。
「その力はあくまでも人間を守るための抵抗力であって、人同士で潰しあう為の拷問器具じゃないです。
だから、だからこそ、我々人類の手だけで止めなければならないのです。」
そう、それを前に言ったのだ。
マークに対して。
この人たちは少なくとも前の議員たちとは違うと感じた。
信じる材料は少ないが、言いたいことは伝わった。
何よりここにいる全員が、善意で必死に動こうとしていた。
俺は、それを信じてみる事にした。
おっさんの手を握り、そして頭を下げる。
「じゃ、宜しくお願いします。」
てことで政府お抱え搭乗者・岩動楼汰の誕生です。




