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適合者はこの俺!!!!  作者: こしあん大福
第1章 真紅の雨
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第48話 監視

もしよろしければ感想等お待ちしています。

あの後、帰ってくる最中に店によりイカリングを総菜コーナーから、タコ焼きを店内にあるタコ焼き屋で買った。


カーㇴはかなりわくわくしていて、タコ焼き屋では滅茶苦茶悩んでソースと明太マヨにしていた。


俺がポン酢にすると言ったからなのもあるだろうな、一口貰えばいいし。


イカリングは何もつけなくても美味いし特製ソースも美味いから丁度いいな。















「「かんっぱ~~~い!!!!」」


とりあえず、グラスをぶつけ合い疲れを労う。


今日のはちょっと高めの果汁感あるやつにした。


美味いんだよなコレ、高いけど。


カーㇴは隣で瓶のリンゴジュース飲んでる。


瓶のやつって果汁100%でこれも美味いんだよな。


正直、それに酒入れても美味いんじゃ?とか思ってる。


「さあ楼汰様。どちらからでも構いません!!お先に選んでください!!」


涎垂らしそうな顔で目をキラッキラさせながらこちらを見るカーㇴ。


俺からじゃなくていいよと伝えたが、やはり俺からがいいようだ。


別に取ってくれていいんだけどな。


そう思いつつイカリングを取ると、同じようにイカリングを皿に移していた。


イカリングを一口齧る。


途端にサクッと音がし、衣の食感とイカの柔らかさが歯に響く。


ついでイカ本来の甘味と揚げたことによるうま味がもろ伝わってくる。


美味い。


総菜コーナーはゆうてちゃんとそういう店員が作っているのだ。


美味いに決まってるな。


隣でカーㇴが、熱いのかはふはふしながらはむはむしていてかわいい。


ハムスターみたいな動き方をしている。


「あっ、熱いですがとても美味しいです。これはイカの脚を丸くつなげているのですか?大変な作業ですね。」


ふふ。


丸くつなげている、か。


「いや、これはイカの胴体の部分の中身をくり抜いてそれを円状に切ったモノを揚げたんだ。だから丸いんだ。」


と返すと、ちょっと顔を赤くした。


確かに、食うとこは脚だと思うよな。


でもイカは割とどこでも食えるんだよな。


熱を通せば割とな。


まあ、イカフライなんてのもあるし脚のやつもあるんだろうけどな。


さて、そろそろタコ焼きも行くか。


冷めちまっても嫌だしな。


タコ焼きは俺がポン酢、彼女がソースと明太マヨだ。


彼女は律儀な性格で買ってくれたのは俺だからとソースと明太マヨ1個ずつ俺に渡そうとしてくる。


涙目で。


滅茶苦茶悪い事をしている気分になるので、ポン酢との交換で明太マヨだけ貰った。


ソースは散々食ってるしな。


さて、頂くか。


一口齧ると、流石に熱い。


俺は割と熱には強い方で、イカリングの熱にすら耐えきったが流石にたこ焼きの中身はキツイ。


とんでもない熱さで舌があっという間にやけどするが、その代わりそこに中の溶けた生地とタコの食感・風味、そしてポン酢の爽やかさが広がってくる。


ポン酢はやはり良い。


たこ焼きの少し油っぽい部分を全て軽やかにしてしまう。


一方カーㇴは、人生初となるたこ焼き。


俺の食い方をみて気を付けたか、しっかり口で冷ましてから食べた。


が、まだ熱かったのか必死で口を抑えながらじたばたしている。


なんとか嚙みだすとだんだん笑顔になっていった。


「とてつもない熱さで舌をやられると思いましたが、その代わり中身はトロトロで、コリコリとした食感のタコがとても美味しいです!!」


「そっか、そりゃよかったな。」


「ええ。それにソースのこの濃さと少し野菜や果実のフルーティさもあるこの味わいが素晴らしいです。もっと早くお会いしたかった...。」


がっくりしている。


そんなか?...そんななんだな。


「私の世界にはこんなものはありませんでした。いつも羨ましいと思いながら観測していましたし。」


そういえば観測って言ってたよな。


「なあ、そんな観測っていったい何なんだ?」


「観測と言うのは、簡単に言えば世界の監視です。私の班ではここでしたが、それ以外の世界もあります。

 

 あらゆる世界に異常が無いか見回るのが私たちの役目だったんです。」


なるほど、だから生活とかも見れていたわけだな。


「はい、観測している最中にたまたま外を歩いている人たちが何か美味しそうに食べていたりして羨ましかったです。私たちの世界、あまりに食事に乏しいので......。」


「えぇ?普段何食ってたんだ?基本的には望めば何でも手に入る世界だったんだろ?」


「ええ。ですが、あくまでもそれは私たちの世界の中でと言う意味です。他の世界のものまでは取り寄せられない。


 私たちの世界では基本的に食事は1分もあれば終わります。


 液状のゼリーの様な四角い赤いジェルパックと緑のジェルパック、それに黒い錠剤を飲んで水をとれば終了でしたから。」


「なんか、本当に怪しいSF世界だよな。何食ってたんだよ結局それ。なんか毒物みたいだな。」


「栄養素をまとめたものを人間が食べられるように調整し、味をつけたものと管理師の方は言っておりました。」


それ、なんかエナジーバーみたいだな。


まぁこの世界のエナジーバーは美味いけど。


「チャージゼリーとかと同類のやつだな。しかし、何とも味気ないな。」


「ええ。流石に私も世界を見る前はそれが常識と思っていましたが、観測後はただただ他の世界の人たちはなんてものを食べているのだろうと興味が引かず...。」


「なるほど、それでこの世界に来てそれが暴走しかけてるって感じか。」


「...はい。恥ずかしいです......」


顔をちょっぴり赤くし俯くが、これは仕方ないな。


誰だって美味い飯には抗えないもんだし。


「気にすんなよ。これからもちょくちょく美味い飯食っていこうな。」


「!......はい!」


嬉しそうで何より。


ちなみに明太マヨは辛かったようで途中で俺に交代した。


少し刺激が足りなかったのでありがたかった。


代わりにポン酢のやつを残り全部上げた。


遠慮していたが、気にするなと渡した。


確かに前買った所のより辛いな、分量ミスったか?


だけど酒飲みには丁度いい辛さだ。


こうして、夕飯を食い風呂に入り夜が更けていった。


















翌朝、軽い朝食をとった後外に出た。


カーㇴはお留守番。


いくら保険金と今まで貯めた金があるとはいえ所詮まだ5年分。


心もとないったらありゃしない。


とりあえず金を手に入れる為にも、就職しなければならない。


あんだけ旨そうにたこ焼き食ってたカーㇴの笑顔ももっと見たくなったしな。


何をやろうにもこの世界じゃ金は必要だ。


そう思って移動していたのだが.........。






「なあ、さっきから何で着いてくるんだ?」


そう、先ほどから何か気配を感じると思っていたんだ。


嫌だなひょっとして俺の荷物を狙う泥棒?


それとも、ストーカー?


なんて冗談で思っていたんだが......。


どうもずっと尾けてくるのでいい加減聞いておこうと思った。


すると、電信柱の向こう側から見知った顔が気まずそうに出てきた。




「あちゃ~、バレちゃってたんすね。」




その声の主は、察しの良い方ならお分かりだろう。


玲子と共に公安と名乗っていた砕けた喋り方の男の方だった。



「失礼したっす。改めて自己紹介っすね。自分は千崎和磨って言います。宜しくっす!!」


また軽い自己紹介だ。


いや、今はそれは良い。


「急に尾いてきて何なんだ。俺は今用事があって急いでるんだ。用事があるなら聞くから尾けてくるのは辞めてくれ。」


大体、急に本当に何だ?


コイツは俺に大分賛同的だったし、何か企ててるんなら俺が気づかないうちに殺ろうとするだろう。


なのにただ出てきて名乗った。


ひょっとして俺のファンみたいだったしサインが欲しいのか?


すると、和磨と名乗ったソイツもまた困ったように話してきた。


「いや、尾いてきて申し訳ないんすけど自分もこれ仕事なんす。」


仕事?


俺を尾け回すのが、仕事?


「うっす。自分、何か岩動さんが変な挙動しないか監視する役を貰ったっす。」


マジかよ。


あの政府の連中、全然疑ってんじゃねえか。


絶対あのやかましかった奴が仕掛けてきたな。


ていうか、それを俺に言っていいのかよ?


「勿論っすよ!!!!」


五月蠅いなこいつも。


「自分は岩動さんが怪しいなんてこれっぽちも思ってませんし、信頼してますから!!」


...それはそれで大丈夫なのだろうか。


まあ、俺としてはいいんだが。


「で今から何しに行くんすか?」


もはや友達みたいな距離感だ。


こいつ、まあまあイケメンだしこれがガチ恋距離とかいう奴なのだろう。


俺には分からんが。


しかし、何しに行く、か。


普通に関係ないだろと答えてもいいが、下手に答えるといくら温厚なコイツでも流石に報告されそうだしな。


何か秘匿している、とかね。


だからここは正直に話した方がいいだろう。


「就職だよ。俺の会社は異偶に襲われて消滅したんだ。保険とかは通ったからまだなんとかなるが働かなきゃ貯金に手を出す事になる。」


すると彼は滅茶苦茶顔が歪んだ。


めっちゃ悲しそうな顔している。


公安だけどポーカーフェイスは出来ないタイプだ。


「そんな、世界を救うヒーローがお金で苦しんでるだなんて!!......自分、少しなら渡せますよ?」


そんな事言われてもな。


流石にいきなり知り合った人に金を借りる程俺だって図々しくはない。


それに、切羽詰まってるわけでもないしな。


「大丈夫。ってか昨日知り合ったばかりの奴に金を貸す馬鹿がいるかよ。もっと慎重に考えた方がいいぞ。俺が返さなかったらどうするんだよ。」


すると彼は少しも考えず言った。


「返されなかったら自分の見る目がないってだけっす。それに、岩動さんはそんな人じゃないと信じてるっすから。」


こいつは本当になんなんだ、軽そうだった癖していい事言いやがって。


...嫌いじゃないがな。


ちなみに和磨は俺に対しこうも言った。


「自分のこと、怪しいと思ってもらって構いません。けれど、自分は岩動さんをサポートするっす。この世界を守っている岩動さんに少しでも何か返したいですから。」


全く、恩着せがましくもないし意味わからんな。


ここで恩を売っても何もおかしくはないだろうに。


「自分はあの人たちとは違うっす。この国を本気で守りたいんす。だから、それが出来るのなら例えみんなに疑われようとその人を信じるっす。」


はは、もはやコイツの方がヒーローだな。


議員の大多数よりよっぽど立派な考え方だ。


俺よりもリーパーに向いてるんじゃないか?


まあ譲れないけどな。


でも、嫌いじゃない。


こういう熱くて何かの誇りを抱いている奴は。


ただ、一つ確認しておきたい。


「何でお前なんだ?むしろこういうのは絆されない可能性のある玲子の部下辺りが来るんじゃないか?」


そう。


最初から俺に好感触だったコイツなら間違いなく俺の味方になってなんなら何かあった時に変に邪魔になる可能性だってあるわけで。


何故この男だったのかは知りたい。


「ああ、それは。自分が岩動さんに一番気に入られていてこの中で一番腹を探りやすいと会議中に玲子さんが言ってくれたからっす。」


玲子が勧めたのか。


ちょっとだけビックリしたが、アイツも今回の事は信じたくないと言っていただけで信じてはくれたしな。


だからいざというときには俺の味方になってくれるように手を回してくれたわけか。


アイツにも感謝だな、多少。


「そっか。なら、多少は信じるよ。」


すると彼は笑顔で返してきた。


「うっす!これから暫く、宜しくお願いするっす!!」


うるさくなりそうだ。


だが、やっぱり悪くないと思ってしまうな。























とあるビル、3階の秘密の部屋にて。


とあるスーツ姿の男が1人、PCで誰かと連絡を取っていた。


その言葉は英語で、そして鬼気迫る喋り方で誰かと話している。


「ボス、どうやらとんでもない兵器を奴らは手にしそうです。どうしますか?」


すると、彼のヘッドフォンに返信が流れる。


「どんな手を使っても構わん。資金が必要なら本国から送る。絶対にその兵器の保持者を手中に入れるのだ。」


「承知。では、早速明日より行動致します。」


「ああ。いい報せを期待しているよ。」


その対話を済ませた男は一人、足早に部屋を出た。









その日、かなりの数の外国人が一斉に動き出した。


とある目的を胸に。

お読み頂きありがとうございました。

次回もお楽しみに。

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