表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
適合者はこの俺!!!!  作者: こしあん大福
第1章 真紅の雨
50/147

第42話 容疑

一章が始まりましたね。

今回の章も、是非楽しんでいただけると幸いです。

「破壊活動防止法に則り、貴方に容疑が出ています。ご同行願います。」


玲子と名乗った女は、そう言うと俺の腕を掴み、歩き出そうとした。


「おいおいおい、ちょっと待てよ。その破壊なんとか法ってのが何なんだよ?大体いきなり何なんだ?!」


聞き返すと、呆れたように彼女は返した。


「はぁ......。生産性のない会話は嫌いなんですが。そのくらい察してもらえませんか?」


おいなんだよコイツ。煽ってんのか?


「いや、いきなり公安がどうとか言って連行しようとすんのがおかしいだろ。それに察しろってどういう事なんだよ。無理だろ。」


「...貴方があの機械の搭乗者で、少なくともあの日何やら黄色と黒色の機械と争いをしていた。ここまでは合っていますか?」


急に何だよ。ていうか、俺があの機械の搭乗者ってどうやって掴んだんだ?


俺、そんな有名じゃないぞ。


SNSであの映像がいくらバズっていたとしても、そんなすぐ判定できるモンじゃあないだろう。


「...アンタは全てお見通しって訳か。だったら尚更なんでここに来たのか言えよ。急に出てこられれてもわからねえよ。」


「私が言っておいてなんだけど、結構荒唐無稽なのよ、今の情勢。だからこそ、直接この一連を知っていそうな人物に聞いて調べるのは当然だと思うけど?」


「直接俺に聞こうって腹積もりのところ悪いが、俺も巻き込まれた側だから特に分からんぞ。詳しい事もそこまで知らない。」


実際、カーㇴですらあまりつかめていないのだ。


俺が知る情報はまだ全体の1%にすら達していない可能性もある。


「......大体、犯人ってそういう事言うのよね。巻き込まれた、とか。知らない、とか。」


「...実際巻き込まれているからn.........って、犯人だと?!」


犯人とは心外だ。


俺は守ろうとした側だぞ。


何が犯人と言いたかったが、これは正直何度も予想していたことだ。


やはり来てしまったかと予想する。


と、部屋の向こうで何やら音がした。


どうやらカーㇴが盗み聞きしていたようだ。


多分俺に対する評価で愕然としているのだろう。


「ええ。実際、今の政府の動きでは貴方が起こした事件なんじゃないかと疑う人が多いわ。」


「何だと!?......まあでも、現時点だと出ている情報で整理すれば俺が一番怪しいわな。」


「理解が速くて助かるわ。...で、貴方も立場だとか、あるいは弁解の場が欲しいでしょ?」


「まぁな。そこまで疑われているなら、何とかしたいところではある。実際、みんながこの戦いに気づいたんなら協力してほしい部分もあるしな。」


「それに、巻き込まれていようが何だろうが、貴方は関係者ではあるでしょう?それは覆しようが無いわ。」


「......確かに、俺はバリバリ関わってはいるだろうな。」


弁解の場というか、そもそも俺が犯人ではないと証明する場が欲しい。


あの事情を説明したところで理解されるかどうかは分からないが、少なくとも国を守ろうという動きがあるのなら少しでも協力してくれる人だっていそうだ。


そこから色々やれば、俺が動きにくくなる状況も生まれにくくなる。


そのはずだ。


というかこの女、最初は丁寧だったが急にタメになったな。


敬語だとやりにくいからありがたいが、何というか急な距離感が気持ち悪い。


「私たちとしても急に一般人に、特に書類なども出さずにこんなことするのは本来いけないと思うわ。」


「だよな。急に来るなんて、本来はありえないよな?」


「ええ。でも、今回は政府も焦っているのよ。これ以上の損失はそろそろマズいみたいね。」


「...だとしても、俺が行く意味ってあるのか?下手に疑われていたら、罪になって、そこから身動き取れなくなって滅亡、とか嫌だぞ。」


政府が焦るのはいい意味も悪い意味もある。


だが少なくとも、その戦火の中に飛び込んでいけば確実に俺は何かしらで面倒ごとに巻き込まれ、おとなしくする他無くなるだろう。


そうなったら終わりだ。


今は行かないべきなんじゃなかろうか?


「行く意味?あるに決まっているじゃない。」


「...決まってるのか?」


「ええ。貴方ね、自分は事情を知っているから何とでも言えるかもしれないけれど、私たちは何も分からないのよ。


 貴方が犯人だとかそうじゃないとか、国をどう守るか、とか。


 まだ何もわかっていない状態なの。


 だから躍起になっているだけで、恐らく言っても本当に事情を聴かれるだけだと思うわ。


 私がさっき破壊活動防止法と言ったのも、一応貴方がもしホントに犯人だった時だけだもの。」


...それもそうか。


俺は色々な事情をたまたまではあるが知りえたが、この世界の99%は事情を知らないのだ。


よく考えたら分かる事だった。


みんな要するに不安なのだ。


だから、とりあえず分かる事に事態を収束させたいのだ。


事情を知らないのだから、俺がどうとか分かる訳がない。


ここで事情を話せば、分かってくれる人も当然いるだろう。


研究者とかな。


このまま何も言わないのが一番良くないな。


せめて中心にいる人くらいには知っておいてもらって、何とかするのが定石だよな。


そうすれば俺に対する不安や疑いも無くなるだろう。


......まぁ、逆に疑われるかもしれないがそうしたらそうなった時だ。


とりあえず、事情くらいは話しておくべきだな。


「わかった。着いていこう。...ただし、その事情を知っている人間がもう一人いる。連れて行ってもいいか?」


「そこにいる彼女の事?」


そう言われ振り返ると、不安そうな顔でカーㇴが出てきていた。


事情は聴いていたのだろうが、どうしようか迷った顔をしている。


「カーㇴ、大丈夫だ。それに、いつか話さなきゃいけない気はしてたからな。」


「ですが......。その方がいう話は怖いです。何か裏がある気がします。」


「裏?......ま、国の機関だしな。裏くらいあるんじゃないか。それを差し引いても、もうあの動画が流れてしまった以上事情は話さなきゃならんさ。」


すると、観念したかのような表情で彼女は頷いた。


「では、私も行きます。楼汰様ただお一人に負担はさせません。」


「そっか、ありがとな。...なぁアンタ、玲子とか言ったっけか?」


「ええ。それで、何?」


「少なくともそこに行くまでの安全は保証してくれるんだよな?」


そこに行くまでに殺されたりしないよな。


流石にそんな事はしないと思うが。


「ええ。誓って言うけど私たちはそんな事しないわ。ただの調査機関だしね。」


そうか。


信頼できるかどうかは兎も角、行くしかないんだろうとは思う。


「今、信頼できないみたいなこと思ったでしょう。仕方ないわね、これを見なさい。」


ん?何かあるのか?


玲子が差し出した写真には、大勢の人間が映っていた。


その中には、首相や大臣が映っていた。


「これは私たちが式典で撮られた写真よ。もちろんAIで捏造した画像とかではないわ。」


その説明が怪しいが、とにかく信用させようとしているのはわかった。


その画像で説明は付いたが、逆にぐいぐい来る感じが尚更詐欺師っぽい。


「まだ疑っているわね。どうしたらわかってくれるかしら。」


「そうだな、じゃあ証明書なんか持っていないのかよ。」


「悪いけど、本来であれば公安調査庁はね、正体は言えないの。それをここまで譲っているんだから譲歩しなさいよ。」


「じゃあ信頼できないな。...とはいえ、行くしかないが。」


「それにね、よく考えてみなさい。私たちは一応護衛用の道具を持っているとはいえ、貴方はあのマシンを出せるのでしょう?騙したりしたら命が無いわ。」


それは確かにそうだな。


別に普通の人間に暴力を振るう気はないが、もしカーㇴ何かに危害が向きそうなら戦うかもしれんな。


「でも、貴方の場合他の所で糾弾されそうね。」


は?


他の所?


他の所っていったい何だよ。


「その子、まだ未成年でしょう。そんな子と一緒に同棲しているなんてね。貴方の事も調べてはあるけど、特に家族や血縁も居ないでしょう?」


そんなことまで調べているのか。


ってそりゃそうか。


近辺の洗い出しは調査の第一歩ってなんかの漫画で読んだな。


「そんな貴方と一緒に住んでいるのが未成年の少女って、例えあなたが本当に国を守っていたとしても卑下されかねないわ。」


「そんなこと言わないでください!!!私はもう立派な大人です!!!!」


「俺がロリコンとでも言いたいのかよ、違うわ。これも色々事情が有んの。」


ああまたカーㇴの大人です問題が活発化してる。


カーㇴは滅茶苦茶納得できなそうなふくれっ面で睨んでいる。


「あらそうなの、じゃ立派なレディーでいいわ。」


妙にあっさりだな。


「別に貴方の実年齢がどうであろうと、英雄になるかもしれない男がロリコン趣味ってのはちょっとねぇ...」


「だから!私は本当に大人で...」


「ちょっとカーㇴは静かにしてくれ、話が拗れる。」


俺の注意でカーㇴは静かにはなったが、まだふくれっ面だ。


「あら、庇ってくれた女の子すら黙らせていい関係だこと。」


「違う、アレは本当にそういうコンプレックスなんだよ。」


「ふーん、ま、そういう事にしておくわ。...英雄色を好むって言うし、昔の英雄もロリコンが多かったみたいだしね。」


「だから違うっての!本当に事情があるんだよ。それも含めて説明してやるから早く行くぞ。」


全く、人をなんて思っているんだ。


俺なんてちょっとカーㇴを可愛がって欲しいものをご褒美に買い与えて寝食を共にして一緒に話す。


.........あれ、俺って傍から見たらロリコン?


しかもヤバめかもしれない。


なるほど、こういう勘違いも生まれるわけか、尚更注意しておかなければいけないな。


地球を守った機械戦士の搭乗者、まさかの性犯罪者だった!!とかネットにかかれんのも嫌だしな。


実際、身寄りのない少女と一緒に暮らす血縁ナシの成人男性とか合田さんの時にも言ったけどお縄だな。


少なくとも超怪しいし普通に犯罪者級だわ。


しかも今のままじゃ国家転覆企んでそうなやばい奴と来たもんだ。


このままじゃダブルで殺されかねないな。


カーㇴは不服そうだが、実際彼女はまだ中学生くらいにしか見えないし、余計俺がいやらしい奴にみえる。


その事情を話さないとお先は真っ暗だな。


とりあえず、色々含めて話をつけに行くか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ