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適合者はこの俺!!!!  作者: こしあん大福
第0章 漆黒の守護者
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第40話 漆黒の守護者

暑くなってきましたね。

虫が多くて嫌な季節がやってきました。

是非、夏の間もよろしくお願いします。

病院の食事に飽き飽きしながら過ごす事数週間...。


リーパーの特性なのか、はたまた刺激的すぎる戦闘の日々での弊害なのか、身体の治りが速いらしい。


先生にもあまり見ない驚異の回復力と言われてしまった。


全治半年から1年と言われていたのだが、なんか大幅に短縮されていた。


しかも俺自身それを感じているのがヤバい所だ。


こんなの知られたらそれこそ俺の身体を狙う人間()も現れるんじゃないか?!


.........いやそこそこの回復力は要らんか。


そんな凄い事でもないしな。


兎に角、俺は既に頭痛や眩暈などは無くなり、手術後の傷も特に見当たらなくなり、そして元気に歩ける程度には復活していた。





















この数週間の間に色々あった。


まず、俺はSNSでは大分有名人になっているらしく名前も住所も分からないがかなり探されている模様。


怖いな、ネットって。


因みに家で色々と調査をしてくれていたカーㇴは怪しい奴に俺の写真を見せられ、


「ねえねえお嬢ちゃん、この男知らない?」


等と尋ねられたという。


俺はそれを聞き、今度からは警察呼ぶとでも言ってやれと伝えた。


お嬢ちゃんと分かっているなら不審者ヅラして近寄るなよ。


ふんまにもう。


まあカーㇴからは、


「ですから!!!私はもう子供じゃないんです!!!!みんなして子供扱い!!!!」


と、別のところでご立腹だったという。


......それは、仕方ないんじゃないかな。








それと、会社の人らに聞いたが会社はやはり存続は不可能。


社長や偉い人たちは新しい会社を立ち上げるらしい。


合田さんは実家に戻って手伝いを、小沢くんもキャリアを生かして転職するらしい。


みんな、もう元の生活に戻りつつある。


それに保険も降りたし色々あってあと数か月は働かなくても何とかなりそうなくらいの金は出来た。


といっても、俺も病院生活が終わったらとっとと就活しなきゃな。


やれやれ。















あと、仮面男は結局見つからなかった。


あの後、他のみんなにも警戒するよう言っておいたが何もなかったらしい。


何処に息をひそめているのか分からないが、今度会ったら必ず倒す。


流石に法の国に住んでいるから殺す、までは行きたくはないがとりあえず再起不能くらいが妥当なんじゃないかと思う。


実際、色々な人の命や未来を奪ったわけだしな。


アイツ一人の命で償えるわけはない。


そう思ったら、再起不能にして一生後悔して生きた方がよっぽど罰になるだろう。


どちらにせよ、アイツがどこかで回復してたら意味がないし、早く俺も良くなろう。















そして、カーㇴからの報告でとんでもないことが分かった。


あのファイルとタンクの液体についてだ。


ファイルには今回の計画がびっしりと書かれていたそうだ。


俺はどうせ読めないからと続きは見ていなかったが、大事そうな部分には黒塗りがされているか虫食い状態だったようで見れなかったらしい。


そこから読み取れたのはほぼ奴が言っていたことだったが、アイツが【ダリア】という名前のこと、そしてあのお方、とかいうのが組織のボスらしいこと。


更に、デスペラードとかいう中二病集団とかが居る事とあの蜂色マシンはデッドリーという名前だった事もだ。


何というか、デスペラードって名前のセンスがキツイな。


流石に俺でも分かる。


フィクションなら分かる、現実でそれは痛すぎるだろ。


しかし、奴の名はダリア...か。


結局、何がしたくて何だったのかはイマイチ分からなかったが何やら伝説の獣とかいう伝承が関わっているのとかを考えると、きな臭いぜ。


どちらにせよ考える事は沢山あるが、ひとまず敵の情報が少しでも分かったことに感謝だ。


カーㇴは寝ずに作業したのか眠そうだった。


途中、うつらうつらしていて心配になってしまった。


あくびをかみ殺した彼女の視線は重かったが、話はかなり軽くて嬉しい話だった。


あのタンクの中身は、普通の純度のエネルギーだったようだ。


あのデッドリー、俺のリーパーとは違い手動でエネルギーを交換しなければいけないらしい。


だからポリタンクがやたらあったのだ。


高純度なのも含めて、だからあんだけ強かったのだと納得するレベルだ。


しかし、俺と違って交換できないのはしんどいな。


更に言うと多分、俺たちを追いかけるのに夢中であの時交換なんかしてなかったんだろうな。


こればかりは運とタイミングに感謝だ。


あのエネルギーは、ポリタンク一つ分で俺らが回収していた輝光導石の約3倍くらいあるらしい。


カーㇴに言わせると、これは異偶を大体24体分倒していた結果に等しいという。


いきなりの収穫だったが、流石にこれを見つけた時はカーㇴもぶっ飛んだようだ。


眠気が無くなって一気にデータの抽出などを頑張ったんだそうだ。


欲しい量は40体ほどだった筈だし、実質あと15体くらいだ。


それでも多いが、かなり大幅にうれしい誤算だ。


減ったというのはデカい。


それだけ目標に近づいたって事だからな。






















それから更に2週間ほど経ち、俺は退院した。


先生や看護師からはとんでも回復力だった為か、診察が間違っていたんじゃないかなんて言われていたが、実際の数値や俺に違和感が無さそうと言った点で納得してもらえた。


久しぶりに我が家に帰ってくると、カーㇴが出迎えてくれる。


姿はあの日買ったワンピース。


可愛いけど何というか、彼女にはもう少し大人びた方が似合いそうか?


なんて思いながら家に入る。


彼女は色々と家の事もやってくれていて、家は清潔そのものだった。


俺の退院祝いに何でも作ってくれるらしいので、一緒にカレーを作った。


途中危ない工程があったのでサポートしたが、何とか作ることが出来た。


彼女はまだ未成年で酒は飲めないし買えないので一緒に買い物に行き、色々と購入できた。


俺に家族はもういないし、友達も居なくなってしまったが、こういうのが幸せなのかもなと、ふと思う瞬間だった。


帰り道に、嬉しそうに買ったアイスの袋を眺めながら歩くカーㇴはまだまだ子供でかわいい。


「あー?今、また失礼な事思いませんでしたか?」


むっ、何か最近やたらと推察してくるんだよな。


しかも大概当たる。


「いや、そんなことないって。てか前見て歩け。ぶつかっても知らんぞ。」


「あー!!また子供扱い!!!」


「いやこれは子供以前に危ないって話だろ!!!!」


こんな五月蠅く出来るのも幸せ、なのかもな。


何というか、妹とかいたらこんな感じなのだろう。


いや、妹はこんなかわいくないか。


そんな俺を見て笑う彼女が、小さく微笑む。


夕日が照らした道に、綺麗にくっきりと影が二つ残っていた。



















「「かんぱーーーーーーい!!!!!」」


ぷしゅっといい音がして、缶が躍る。


彼女のは缶ジュースだ。


俺は最近CMでやっている有名な企業のサワーにした。


何でも、昔懐かし冷凍ミカン味らしい。


何処が冷凍なのかは分からないが、結構濃い柑橘の味がする。


「これ、すっごく美味しいです!!1」


カレーを口に運んだカーㇴの目が輝いている。


「だろ?カレーは世界でも五本の指には入るであろう食い物だからな。」


言いつつ口にニンジンを運ぶ。


カーㇴが切ったらしいそれはかなりデカかった為まだ火の通りが甘かったかもしれないが、これはこれでありだ。


肉さえ温まっていればな。


「これがカレーなんですね。私の世界では、食事はあまり種類が無く、こんなおいしいものなんて無いんです...」


としょんぼりされた。


可哀想だけど、ちょっとかわいい。


「幸いカレーは大量に作れるからまだあるぞ。好きなだけおかわりしていいからな。」


と言っておく。


かなり気に入ったのか、まだアイスもあるってのにバカバカ食べに行っている。


アイツ、あの世界の人間は欲が無いって言ってなかったか?


多分、欲が無いんじゃなくてあらかた欲自体はあるけどその欲を解放できるモノが無いって事なんだろうな。


しかし、カーㇴと出会ってもうだいぶ経つ。


これからも、最後まで一緒に行きたいものだ。


苦しい戦いはこれからもあるだろうが、今日くらいはもう幸せに寝たい。


カーㇴの笑顔を見て、そう思う。


.........。


しかしよく食うな。


これは、止めた方がいいのか?


でも、本人が太るとか気にしてなさそうだし、いいか。


しかし、出会って以来色々あってゆっくりと酒を飲む時間は無かったな。


今日は久しぶりだが、やっぱ酒はこうじゃなくっちゃなって感じだ。


別に美味くなくても、食事を引き立たせられるその力が最高って感じだ。


今日は辛いことがあったと言えばあったが、酒はそれを忘れる為ではない。


今日の酒は、今日の気持ちを忘れない為の鍵だ。


そして、明日につながる命の水だ。


なーんて言ってるが、ただ飲みたいだけなのかもな。


ま、何でもいいか。


「俺もおかわりしていいか?」


「えー、もうほぼ無いですから全部行きたいです。」


「...?!お前全部行ったのか?!...ふふっ、はっはっはっは!!!お前マジかよ...!」


「?......そんな笑う事でしょうか?」


「いや、笑うとかの話じゃないって...ぶふっ、はははははははは!!!!!」


「ちょ、何なんですか?!」


あんだけあったカレーがもう空でびっくりと同時に笑いが込み上げた。


おいおい、この小さい身体の何処に入ってるんだよ。


明日腹痛くなっても知らんぞ?


「...分かりましたよ。じゃあカレーはお譲りします。」


ちょっと残念そうだが、カレーのラスト分は貰った。


てか、カレー”は”?


「その代わり、お先にアイス頂きますね!」


「お前やめとけよ!!!!!!!!!!!!」







賑やかに夜が過ぎていく。








過ぎていく。




















筈だった。






















\

ピンポーン

/





突如、インターホンが鳴った。


こんな時間に何だよ?


非常識な奴も居たもんだが、これが何か事件とかだったら大変だし、一応出ておくか。


「あ、楼汰様。私が...」


「いい、いいよ、大丈夫だから。お前は溶ける前にアイス食っちまえよ。」


言いつつインターホンを見ると、何やらスーツ姿の女性が立っていた。


なんだ、いきなり。


見た目だけなら何と言うか、真面目そう?だ。


でも何というか、ちょっと面倒くさそうな雰囲気も感じる。


これは記者とかそういう感じか。


ついに俺の住所、バレちまったのか?


...いや違うか。


俺が用件だとするならこんな聞きこみ調査みたいなのしないか。


仮に俺の事を聴きに来たとしても一軒一軒回っているだけかもしれんしな。


「えーと.........どちら様ですか?」


とりあえず聞いてみる。


「...私、こういうものでございます。」


は?


言いながら何やら手帳のような物を翳してきた。


なんだよ、おい。


直接言えよな、怪しいわ。


でも気にはなるから見てみる。


何々......()()調()()()......?


公安調査庁!?!?!?!?


慌ててドアを開けると、そこに立っていた女は不敵に笑いこう言った。


「初めまして。岩動 楼汰様。私は桐弞 玲子と申します。よろしくお願いいたします。」


丁寧なあいさつに面食らいつつ会釈を返す。


何なんだ?


「それでは、単刀直入にお聞きしますね。」


いきなり来たかと思えば何なんだよ一体。


カーㇴが歩き出した音もする。


と、玲子と名乗った女が言った。





















「破壊活動防止法に則り、貴方に容疑が出ています。ご同行願います。」












その言葉に、俺は絶句するほかなかった。


そしてこの言葉から、更なる戦いが待っているという事も。

という事で、第0章 漆黒の守護者 本編はここまでとなります。

皆さま、お付き合いいただきありがとうございました。


一か月が経ち、かなりの人に見て貰えるようになりました。

本当にうれしい限りですが、自分の作品を見返すとかなり無理のある設定や全然矛盾している設定なんかを見かけたり誤字を見かけたりするのが本当に恥ずかしいです。

これから、更に色々な方に見て貰えるかもしれませんので、誤字や設定には出来る限り気を付けたいですね。

とにかく、6月からもこの「適合者はこの俺!!!!」という作品を宜しくお願い致します。

この後はおまけと間章を挟み、1章へと向かいます。


本編は次回第一章をお待ちください。

改めまして、お読みいただきありがとうございました。

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