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適合者はこの俺!!!!  作者: こしあん大福
第0章 漆黒の守護者
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第38話 集約

昨日はあまりに業務に疲れたので素直に寝ました。

という事で今回分です。

その言葉を思い出し、思わず思い出さなければ良かったと後悔する。


きっと思い出す事さえなければ、このまま死ねたかもしれない。


だが、思い出してしまったのなら、もはや死ぬことは許されない。


俺にとってあの一連の出来後はそれを決定づけている。


約束を果たす為に.........死ぬことは許されない!


「...ぅぅううううおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!!!!!!!!」


自身の全てを懸け、制御を利かす。


例え無理だとしても、ここで諦めたら未来そのものを諦めたことになる。


それは約束に反する。


それに、俺は誓ったじゃないか。


カーㇴにとっての英雄(イフルト)になると。


そして彼女を運命の巫女と信じ、戦い続けようと。


なのにここで投げ出したら、また俺は後悔する。


もう、諦めるのはナシだ。


負けたとしてもベストを尽くす。


汗が額を流れ、滴り落ちる。


フルパワ―の副作用で俺のいるコックピット?はとんでもない暑さとなっている。


流れた汗が、視界以外は何もない筈のリーパーの操縦場の床へと落ちた音がした。


「ッぐ...はあああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!」


制御した身体は思うように動かなかったが、気合と感情で無理やり動かす。


ここで壊れても必ず直す!だから、今は動いてくれ!!!


すると、想いが通じたかのようにリーパーの動きが軽やかになる。


フルパワーの継続時間はあと持って5分。


その間に何としても勝利を掴む。


一先ず、地面を蹴って遠くへと逃げ、時間を稼ぐ。


俺を吹っ飛ばした奴も斧を生成した分とあんだけのデカさの斧を振るっているからかかなり体勢を戻すのに時間がかかっているようだ。


とはいえ、俺よりも動きは軽やかで且つパワーもまだまだ申し分ないだろう。


ここから何が出来る?


俺に何が残っている?


考えてもどうしようもない。


こうなったらいっそ主砲に賭けてみるか?


だが、主砲は既に種はバレている。


今チャージしようものなら恐らく気づかれてチャージする前に主砲ごと切り裂かれてしまうだろう。


本当に、もう詰んでいるのか?


俺に何も残っていないのか?


そんな事を思い、悩んでいると。


「楼汰様ぁぁぁっ!!!死なないでっ!!!!!!!」


「ロボットの兄ちゃん、負けんなぁ!!!!」


「お兄さん、あの時はありがとうございましたっ!!!!」「「ままを助けてくれてありがとぉ!!!」」


何処からか、小さな声量で、でもそれでいて大きな音量で、声が聞こえる。


カーㇴの声と...あとはさっきの人たちか。


ふと周りを見ると、瓦礫や壊れた建物に道路で気づかなかったが避難場所にした学校だった。


戻ってきていた。


そして、そこの唯一壊れていない小屋の陰に、その人らはいた。


みんな思い思いに何かを叫んでいる。


「そんな奴、ぶっ飛ばしちゃってください!!!!」


「みんな言いたいこと言い過ぎ。こういう時は、ありがとうの一言でいいのに。」


「岩動ぃぃぃ!!!!!!頑張れぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!!」


「岩動さん!!!!」「岩動ィ!!!」「楼汰様っ!!!!!」


みんなが俺を見て、自分の危険を顧みず声を張り上げている。


普通なら、隠れてろと注意するべきなのかもしれない。


だが、この時はそれがとてつもなく嬉しかった。


ショーとかで声援を貰うヒーローたちは、きっとこんな思いで戦ったのかもしれないな。


もう時間が無い。


この人らの為にも勝ちたい。


だが、もう作戦も余裕もない。


俺を見て、みんな一人ひとりが何か出来ないかと相談してくれている。


気持ちは嬉しいが、そんな力ではどうにも.........。


どうにも.........?


今、俺、何か違和感を感じなかったか?


待てよ、俺は今何を思った?


気持ちは嬉し......いや、もっと前だ。


みんな一人ひとりが何かできないかと...?


そこで、ここの人たちと出会った際、会社の來瀬さんと話した会話を思い出した。


異偶に人間では勝てないと言われ苛立つ俺に、一人一人の力ではどうする事も出来ないと語ったあの日。


そこで彼は、こう言った。


「一つだけ分かった事。


 それは、みんなで信じ合い、助け合う事じゃ。


 一人一人では弱く、例え全力を出しても強大な何かには勝てない。


 だが、人間、その中でも日本人は様々な戦いに集団で気持ちを高め勝ってきた。


 全員が一つの事に取り組めば、きっと無敵じゃ。


 それがあれば、きっと、この状況も乗り越えられると信じておる。」


この言葉に、今の打開策の全てが詰まっていた。


今思えば、あの時もそうだった。


俺のいう事が信じられないとくちぐちに罵られたあの日、弱った顔で困り果てる俺を助けるために、


「待ってくれ」


の一言で彼らを待たせ、更に俺の、ただの同僚の為に頭まで下げてくれた合田さん、そして会社の人たちもそうだった。


何より、彼ら全体が避難所にいた時、それぞれがそれぞれを助け合って生活していたのだ。


それが、()()だった。


俺は、すぐにプログラムを記述するボックスを用意する。


そこに、とあるモノを書き込む。


想像するのは武術。


武闘家には「()」と言うものがあるという。


それは、目には見えないエネルギーの様なもので様々な技や回復術などを編み出す。


そして、彼らはピンチになった時、一時的に全身に満遍なく行き渡った「気」を身体の一部に全懸けするらしい。


それによって、ただ身体全体にエネルギーを入れるよりもより高くなった力でその場を切り開くことが出来るという。


一人一人、つまり一つ一つのエネルギーが全ての場所で活動すると、普段よりはそりゃあ性能は良いが、バランスよく強くなるのだ。


しかし、全員が一つの事に取り組む、つまりエネルギーが一か所に集まる。


それは、無敵の力を呼ぶという事。


もはや、これしかないと思った。


すぐに宣言する。


「Collect Power!! To Arm!!! And Indirect!!!」


すると、腕と身体の間接や動く所に力が集まっていく。


それ以外からは最低限の、ギリギリ動くためのエネルギー以外は全て抜けた。


だが、これでいい。


身体の動かす場所と腕だけにエネルギーを回し、それ以外の武器や可動する箇所にはもう何も残っていない。


エネルギーはフルパワ―を維持出来てはいないが、さっきまでフルパワーで何とか持ちこたえていただけあって多少は残っている。


ジェット噴射なども使わず、奴に対し走り出す。


脚に痛みがあった。


というか、脚以外にも胸には激痛が、腹にも気持ち悪さがあった。


エネルギーを完全に抜いたことにより、ひょっとしたら痛みを軽減していた部分も機能しなくなったのかもしれない。


痛みと熱で視界が歪む。


きっと俺の顔は今非常に不細工だろう。


だが、そのお陰で勝つ。勝てる。


奴は勝ったとでも思っているのか、さっきから何もしては来なかった。


勝者の余裕と言う奴だろうか。


と、こちらに気づいたソイツは動き出した。


とんでもない速さで、そしてとんでもないデカさの斧を、掲げて走ってくる。


俺に近づくとそのまま掲げた斧を、勢いよく俺に振り下ろす。


それは、とんでもないスピードで俺の装甲を裂き、消し飛ばす......。


それに対し、こちらはもはやどうにでもなれとばかりに左腕を繰り出した。


どう考えても、負ける可能性はあった。


だが運命は、運命の巫女のいる俺たちに味方した。


腕に斧が当たった刹那、斧を形成していたエネルギーが粉砕した。


更に、それによる驚愕で奴がたじろいだ。


その隙を逃しはしない。


たじろぎ、斧を持ったまま呆然と斧を見つめる奴のどてっ腹に右腕に移した全エネルギーの拳を食らわせる。


「く」の字に曲がった奴のボディは、ひしゃげ、とんでもない衝撃波を出しながら吹き飛んでいった。


そしてそのまま空中を勢いよく飛び、はるか遠くの山にぶつかり停止した。


俺ももう動く体力は残っていない。


だが、まだ技を繰り出せる分だけは取っておいている。


これで終わらせる。


奴がのろのろと起き上がり、こちらを向く。


斧はもはや形を留めてはおらず、身体からは煙が出ている。


それでもなお可能性を信じているのか、斧を構え、そのまま突っ込んでくる。


と言っても、あの斧には先ほどの緑の靄がかかっていて、エネルギーがそれなりに次ぎこまれているのが分かる。


だが、俺はそれなりじゃだめだ。


全てを失う覚悟で、全てを懸けなければ勝てない。


「Collect Power!! To Blade!!!」


そう宣言すると、今までとは比べ物にならないほどの光を発する剣が現れた。


そのレーザーブレードは、もはやエネルギーが集まり過ぎて何もしていないのに火花が走っていた。


両手に装備された剣を構え、最低限の力のみ入れた脚を出す。


右膝を落とし、左脚を後ろへ下げる。


そして腕をクロスし、腰を下げた。


奴の斧の断撃が、俺の頭上に来る1秒前。


俺は勢いよく右脚を踏み込みクロスした腕を振るう。



〈ー全双斬ー〉



双剣は斧どころか奴の身体そのものを切り裂き、そのまま斬撃の波は飛び空へと消えた。


星明りのみが照らす空に、銀河のような輝きの斬撃が去っていった。


奴の身体は泣き別れになりそのまま地面へと落ちた。


地面に透明な液体があふれ出る。


俺はゆっくりと体を起こす。


その視界には、朝焼けが映っていた。


それはまるで、戦いが終わった事を示すサインのようだった。


その朝日が照らす校庭から、大声で叫ぶ声が聞こえる。


喜ぶ声、泣き叫ぶ声、みんなで生き延びた事を喜ぶ声だった。


その声に気づいたとき、初めて俺は戦闘に勝ったという事に気づくのだった。












「っ......っっしゃぁぁぁぁぁぁあああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」












喜びの声は何処までも飛んでいき、世界を駆け巡って地に落ちる。


俺は、あの蜂色カラーのマシンに勝利した。

.........勝ちましたね。

次回、後片付けです。

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