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適合者はこの俺!!!!  作者: こしあん大福
第0章 漆黒の守護者
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第29話 完敗

という事で本日分です。遅くなりすみません。

ようやく少しずつ、0章全ての輪郭が見えてきましたね。

全身が痛い。


頭は真っ白だし、あちこちが悲鳴を上げている。


何より、身体が熱くて寒い。


身体が動かせない上に視界もぼやけているので何だか分からないが、恐らく打撲などは熱く、傷は血を失って寒いのだろう。


本格的に体が冷えてきた。


俺.........、こんな志半ばで死ぬのか?


相棒を...、カーㇴを残していくのか?


あれだけ、自分が誰かに置いて行かれることに後悔したのにか?


駄目だ、何を想ってももう体が言う事を聴かない。


ダメージがデカすぎた。


アレは、恐竜の異偶を倒した後だったか。


突如現れた蜂カラーのマシンは、あっという間に俺を圧倒した。


ただでさえフルパワ―を使用した反動で出力エネルギーは普段の半分である30%をも下回る24%しか出ていなかったのだ。


必死に出した剣はぶった切られ、装甲ごと往かれた。


唐突に現れた敵に、俺は後悔した。


俺は気づかぬ内に所謂フラグを立ててしまっていたようだ。


フルパワ―を出しても、どうせ一体だけなら大丈夫だろうと高を括ったのだ。


必死で立ち上がり、何度も攻撃を振るう。


正直、使用コストに対してエネルギーが足りなすぎる。


フラフラのリーパーを何とか操って抵抗するも、蹴られ転ばされ首根っこを掴まれて叩き潰される。


正直、絶望しか感じなかった。


この時点で残ったエネルギーは19%。


どうしようもないのはわかっていた。


それでも、闘争心だけは失いたくなかった。


だから少しでもとガトリングで顔を狙った。


その結果、ダメージ自体は入ったようだが逆鱗に触れてしまったようだった。


左手のエネルギー発射砲のようなもので撃ち抜かれ、全て吹き飛んだ。


街も、リーパーも、全て。










不意に痛む身体を蹴られて目覚めた俺は、目の前に知らない誰かが居る事に気づいた。


ぼやけて何だか分からないが、きっとコイツがあのマシンの正体なんだろう。


だがもうどうしようもない。


俺は殺されてしまうだろう。


だが、俺が殺されたら彼女はどうなる?


カーㇴは、一体どうやって世界を救うというのだ。


この状況を乗り越えなければこの世界にも彼女の世界にも希望はない。


こうなったのがだれの責任でもいい。


早く何とかしないと。


と、ぼやけた視界と聴覚の中で恐らく目の前にいると思われる男の声が聞こえる。


何を言っているか分からないが、質問しているようだ。


答えられないし、答える気も無い。


すると...


「んったく、面倒くせえなぁ。調子に乗って戦うんじゃなかったぜ。今回はそれが目的でもねえしな。」


途端に声が聞こえるようになった。


まだ視界は覚束ないが、とりあえず身体の怠さも減った。


何より、身体が動く。


奴は黄色い液体の入った瓶を持っていた。


その奴は、白装束を着ていて黄色い仮面を着けた何か怪盗みたいな恰好の奴だった。


ソイツは不敵に笑うと俺に問うた。


「よお機械兵の搭乗者。お目覚めかなァ?気分はどうだ?」


「最悪の気分だ。腹も身体も痛い。」


「そいつは結構だ。で、何で俺がテメェを助けたか、言われなくても分かるよな?」


「それが分かるなら苦労はしてないさ。何故、俺を殺そうとした奴が俺を助けているのか。」


意味が分からない。


ソイツの恰好から察するに、恐らくカーㇴが前に遭遇した変な奴とはコイツの事だろう。


だが、何度考えても結論は一緒だ。


何故、俺を助けたんだ?


「...はぁ、言っても分かんねェか。ま、しゃあねえよな。じゃ、冥途の土産に説明してやんよ。」


「冥途の土産、だと?」


「ああ。テメェにはこれから一つ質問に答えてもらう。拒否権はねえ。質問が終わったら殺す。」


「ほぅ、じゃ答えなかったら?」


「勿論殺す。」


「じゃあ一緒じゃないか。で、何だよその理由は?」


「一緒じゃァないぜ。もし答えたら楽に死なせてやる。答えないんなら拷問しながら殺す。何方が良いかなんて、言わずとも分かるだろ?」


なるほど、よくある手口だ。


嫌な方のやり方を見せつけ、痛い目に遭いたくなかったら従えという最低な手段だ。


そもそも、この手の話は結局最後には死ぬんだからあまり意味が無いというのだ。


第一、俺は死のうとした人間だ。こんな話に引っかかるはずはない。


...そう、思ったのだが、何故だか身体は震えていた。


「はは、怖えよなァ。一つ吐きゃ済むだけだからよォ、気軽に話しちまえ。」


「...早く質問しろ」


「へいへい、助けた理由はただ一つ。テメェにとあるモノの操作方法を教えて貰うのさ。」


「とあるモノ、だと?」


「ああ、簡単に言えば機械兵(リーパー)だよ。それの変形?変身?方法を教えろや。」


リーパ―への変身方法?


そんなモン、知ってどうする気だ?


あのヤバすぎる機械(デッドリー)があるのに、まだ兵力を求めるのか?


そもそも、お前が吹き飛ばしてしまったせいでまだ復活中だ。


「ああ、復活時間があるんだよな?それくらいは待ってやんよ。その間に家族に別れでも告げて置きゃァいいんじゃねえの?ギャハハ。」


癇に障る野郎だ。


しかし、もうどうすることも出来ない。


俺が連絡したい人も特にいない。


「...なぁ、リーパーを使って何をする気なんだ?」


「あ゛?何だってそんな詮索をしやがる。答えたら黙っとけよ。」


「お前だって知りたいんだろ?リーパーの使い方。俺にしか出来ない工程だ。なのに、俺を殺してしまっていいのか?こうまでして知りたい情報なんだろ?」


「.........ちっ、クソ。テメェ、ぜってぇ教えろよ。」


意外とチョロいぞコイツ。


そう言うとソイツは「ま、どうせテメェはもうすぐ地獄行。今更喋ったところでどうにもなるまい」と話し出した。


どうやら奴は、輝光導石の話の時に出てきた伝説の獣とかいうヤバいバケモンのエネルギーのカケラを狙っているらしい。


だが、輝光導石同様素手で触るのは危険すぎるシロモノで、ましてや軍手や何か工具を使っても厳しいらしい。


そこで、俺のリーパーの力を借りたいらしい。


「そんなの、よく分かんねえけどお前のさっきの機械とかでやればいいだろ。俺のにこだわる理由はなんだ?」


「少し考えれば分かるだろ?あのお方から貰ったプレゼントでそんな危険なモン触れるかよ。」


そこかよ。


「なら、異偶とかを通して回収できないのかよ。異偶達もどうせお前らの差し金なんだろ?」


「はっ、召喚しか出来ねえんだよ俺らは。アイツらは勝手に騒ぐからナ。俺らじゃどうしようもならん。」


極力使えない奴ら、という評価になりそうだ。


しかし、さっきから喋っているが隙が見えない。


先ほどの回復薬のお陰で体力が戻ってきたが、ここから逃げ出せる自信が無い。


「そもそも、俺を倒す必要あったのかよ?」


「テメェが明らかにこちらを倒しに来るだろうとは思っていたからナ、とりあえず先手を打っただけだ。」


「何だよそれ、俺がまるで酷い奴みたいに。」


「それにナ、テメェに持たせてもし行けた場合、テメェを倒していなかったらきっとそれを返す保証は無かったからナ。」


ま、それはそうか。俺なら絶対返さないし当たっているだろう。


「そうか...。なら今持たせてみろよ。」


「はん、目の前に明らかに釣りだとわかる餌がかかっていたとしてそれに引っ掻かる魚は居ないぜ。いいから早く教えろよ。」


「分かった。教えてやる。」


「へへへ、それでいいんだよ。」


奴はにやにやしている。


どうやら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


意外と素直で単純だ、かわいい。


「リーパーの搭乗には、パスワードが必要だ。だが、もっと大事なもんがある。」


「ほぉ、それは何なんだよ?早く言えやゴラ。」


「急かすな。それは............



俺だ!!




「んだとォ、テメェ死にたいらしいな?ふざけんのも大概にしとけやカス。」


口は悪いが、怒る理由は分かる。


俺も正直、こう言っといてなんだが自分で言うと恥ずかしい。


「別に嘘は付いていないぞ。俺は本当にアレの適合者だそうだし、実際アレを扱える人間は今のところ俺だけらしいからな。お前じゃ、使えないぜ。諦めろよ。」


「?!んだとテメェこら、じゃ何だ、最初からお前使わせる気なかったってのか?!その上で情報を!!」


「当たり前だろ誰が敵に塩を送るんだよ。大体俺じゃ操縦者の交代方法知らないよ。」


「ざけてんじゃねえぞ!!俺が、ここまでに、どんだけ時間かけたと思ってる?!」


「はっ、知るかよ。ざまあみろ、この世界の安寧はカンタンには崩させないぜ。」


そうだ。


俺が例え今戦えなくても、逃げられなくても、出来る事はあるのだ。


それに例え俺が死ぬとしても、その意志はきっと誰かに引き継がれるはずだ。


ひょっとしたら、主が居なくなったことによってリーパーの搭乗者を変更できるかもしれない。


そうなったら万々歳だ。


なんだ、そう考えたら死ぬのも悪くないな。


ま、さっきから何故か脚の震えも止まらないんだがな。


「くっそ、他に方法はねえのか?!」


イライラしながら俺を蹴り飛ばすソイツ。


俺はその力の向きのままに吹っ飛ばされ、転がるもその先の地面から見上げ鼻で笑う。


「はっ、あったとしてもお前らみたいな悪に渡すかよ。俺たちの造ってきたやり方を。世界を守る秘訣を!」


俺は熱意のままに叫ぶ。


するとキレたソイツは何やら透明な銃を抜いた。


「喋らねえなら死ね!!!!」


そして撃ち抜こうとした。














銃声が聞こえた。


だが、俺に特に痛みも熱も無い。


一体何が、と目を開けると俺の近くの木に弾がめり込んでいた。


そして視線の先には............。























カーㇴがたった一人で立っていた。




















「彼を、解放しなさい。」

ありがとうございました。

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