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適合者はこの俺!!!!  作者: こしあん大福
第0章 漆黒の守護者
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【side episode】 カーㇴの記憶 ~はじまり~ 後編

昨日はあと2本投稿するとか言って出来ず申し訳ない。

出来てはいたのですが色々用事があり気が付いたら夜でした。テヘッ☆

という事で今日は今度こそ投稿すると言っておきます。

ひとまず昨日の分含め4回は投稿したいですね。

彼の言葉は、この世界の静寂を呼んだ。


それくらいの沈黙がその言葉にはありました。


私は頭が真っ白になり、次に浮かんできたのは焦りと少しの怒りでした。


怒りは、八つ当たりかもしれません。


ですが、少なくとも此処までは良好だったのに、と少し残念だったのです。


彼は悪いと謝ってきました。


私が何かやってしまったのか、と問いかけるも彼は気持ちだと言いました。


そして彼は理由を話し始めました。


聞けば、どうやら過去に何かがあって目の前で誰かを亡くしたことがあったようです。


彼曰く、自分の意思で動いたわけではなく、一時の感情で戦ったと。


臆病で本当は生きているか死んでいるか分からないとも仰いました。


私は、すぐに否定しました。否定せざるを得ませんでした。


彼は苦しそうな顔で、死ぬのも生きる事もどちらも望んでいて苦しいと発言しました。


私はもう何も言えず黙るほかありませんでした。


何も思いつかなかったのです。


しかし、唯一聞きたかったことがありました。


それは、何故急にこんな事を言い出したのか、という事でした。


リーパーの初戦闘が原因の様で、異偶は悪ではありましたがそれを一撃で粉々にするような力が怖いと言います。


正直、これに対してはもう二の句が継げませんでした。


私たちからすれば、世界を壊した悪魔そのもので同情の余地などなかったからです。


しかし、彼は優しすぎた。


彼は、弱かったのだと思います。


弱さと優しさのせいで、辛かったのだと思います。


私はここで、それでも...と思いました。


彼には辛いことかもしれません。


しかし、私たちにとっても、この世界にとってもあの異偶を倒していくことは有益で、優先すべき事項なのです。


仲間たちからは、逆に私を脅してくる人や乗った瞬間人格が変わったようになる人、或いは彼のように怯えて戦えない人間かもしれないと言われました。


そうなった時のためにと、リーパー適合者に対して電撃を流す事の出来る装置を私にくれました。


いざというときに使えと。


しかし、私とてそんな時が来てほしくはありませんでした。


彼に自力で戻って欲しかったのです。


私は、大切な人がいるんじゃないかとか、押し付けてしまったことの謝罪とその上での警告だとか、あらゆる事で彼に説得しました。


しかし、悉く躱されてしまいました。


埒が明かない。


私はつい、装置を使おうと思ってしまいました。


それだけは、それだけは本当の最終手段にしたかったのです。


私は使うのを踏みとどまり、もう一度説得を試みました。


彼は特定されることの怖さも語りました。


危機が迫る世界でも、彼の世界では議論をし最悪の想定としては国の反逆者扱いされる可能性が有ることを知りました。


そして彼はついに、アイツが死んだ時点でこの世界の人間などどうなったっていいと言ってしまいました。


彼は、そして死ぬのも悪くないとばかりに失笑しました。


それを見て、私は、()()()を思い出しました。


その人は不器用で、諦めが悪くて、いつも挑戦していました。


そしてその人は自身の炎を燃やし、燃やし、燃やし尽くして、燃え尽きてしまいました。


彼は、()()()()()()()()()()()()()()()()


A-101の世界に、彼だけがいなくなってしまいました。


どうして彼がいなくなったのか、それはだれにも分かりませんが、恐らく、折れてしまったのだと思います。


そして今、目の前の貴方に、彼が重なりました。


私が言った生きてていいという言葉に激情し、彼は怒鳴ってきました。


知ったかぶるなと。分かったような口をきくなと。


きっと彼は今、誰よりも不安定で、折れかかっているんだと、そう感じました。


気が付いたら、私も叫んでいました。




「分からないから、知ろうとするんじゃないですかぁっ?!!」


私も、正直何をそんなに熱くなっていたのか分かりません。


こう言ってしまっては何ですが、いくら世界の危機とは言え、彼と出会ってまだ2日の私に何が言えるというのでしょうか。


しかし、私の告ぐ言葉に彼の瞳の光は少しずつ戻っていきました。


分からないから知りたいし、分からないから死にたい理由も理解できない。


それは確かに私の本心でした。


彼は、初戦闘の時私に言いました。


あの時のような思いは御免だと。


しかし、彼はあれすら意味が無い、嫌だと言います。


ただ、彼には色々とちぐはぐな部分がありました。


死にたい人は見聞なんか最早気にしませんが、彼は明らかに生きたい人の生活をしていました。


悩みがあって苦しんだとしても、夢を見ながら必死に生きる人間の()をしていました。


彼は全て否定しましたが、そこで私の勢いにつられたのか、”約束”と溢し慌てて取り繕いました。


初めて聞いたもので、私はすぐに彼に約束を守るべきだと言いました。


彼はある意味その約束によって生かされている、いわばそれは命を繋ぐ命綱であり、彼にとっては一生離れられない希望(やくそく)と言う名の呪いだと思いました。


彼はそれすら否定し、死者とだからと反故にしようとしました。


しかし彼は苦し気でした。


彼はやがて、一人塞ぎ込みながら一番弱い部分をさらけ出しました。


こうする事で、私が興味を失うとでも思ったのでしょう。


彼は、間違いなく英雄様(イフルト)でした。


自分の行いで、誰かが死に、誰かが脅威に晒される。


例えそれが今日知り合った人間や、敵であるはずの怪物だとしても、それが許せないようでした。


彼の希望が全てを縛っているような、そんな気がしました。


私は彼の事を、可哀想な人だと思いました。


同時に、彼はやはり私の世界の”彼”と似ているとも思いました。


”彼”はもう居ませんが、この人はまだ生きている。


絶対に死なせやしない、そう思い...


こう誓いました。
















「だったら、私があなたの希望になります!!!私たちにとってのあなたが希望であるように、私があなたの希望をやって見せます!!!!」


無責任で、自分勝手な意見です。


彼がどう思っていようが関係なく、彼の心を抉るかもしれない言葉です。


でも、言わなければいけないような気がしました。


彼は、私の言葉を掴もうと藻掻きながらも、手を握らずにいました。


私はその手を取る必要があると思いました。


彼は、私にこう問いかけます。


「どうして、どうしてそこまで俺にする?」


と。


私は、最大限の気持ちを込めて返しました。



















「世界が終わってしまう前に、貴方が終わってしまうのを見たくないから。」


















あの後、彼はしばらく放心状態でしたが、寝る前になって急に意識を取り戻し私に寝室を使うよう言いました。


彼の方こそゆっくり休むべきだと言いましたが、無理やり押し込められてしまいました。


私はベッドに入り、今日を振り返りました。


少し無責任すぎたかもしれません。


明日になったらまた怒って、そして絶対に乗らないと言われるかもしれません。


そうしたら今度こそ、装置を使わなくてはいけないかもしれません。


ですが、ですが、、、


仲間には悪いですが、使わず済むなら当然使いたくはありません。


使わず済むよう祈りながら、私は床に就きました。






翌朝、いい匂いと日光に起こされた私は慌てて着替え、謝りました。


しかし、彼は妙に清々しい顔でした。


憑き物が落ちたような、そんな顔でした。


まだ完全には立ち直れないようでしたが、見違える程になったと思います。


そしてむしろ自分が悪かったと、そう私に謝りました。


私は多少こそ驚きましたが、元々は私たちの世界の事情だと気を引き締めました。


彼に申し訳ないような気がしたので、もうこの話はしないと誓いました。


しかし、昨日はあのまま寝たのでお腹がとてもとても空いていました。


がっつくのはあまりマナーが良くないですが、耐えられませんでした。


彼のまで頂き喜ぶ私を、彼は微笑みつつ見つめていました。


彼は嬉しそうで、なんだか私まで嬉しかったです。







そして、朝食後彼からお出かけの話を貰ったのです。


私の服やたりない日用品を買いに行こうと。


彼ともっと親睦を深め、彼を知る為にも当然一緒に行くと志願し彼と一緒にショッピングセンターへ行きました。


しかし、そこは再びの戦いの幕開けだったのです。

ありがとうございました。

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