【side episode】 カーㇴの記憶 ~はじまり~ 中編
という事で、カーㇴ視点2話目です。
あと2話は今日中に投稿したい...出来たらいいなと考えています。
毎日見に来ていただいている方、ありがとうございます。
彼は...岩動 楼汰様は...
紛れもない、私の描いた通りの英雄様でした。
私はあの日、リーパーに乗りこの世界へと辿り着きました。
しかし、いきなりこんなマシンが出てくれば警戒され、大変なことになるかもしれません。
とりあえず腰の入り口から抜けた私はリーパーの肩に乗り、話し出しました。
と言っても、急にこんな話をしたところで誰も信じてくれはしないでしょうし、何より無関係な人間まで巻き込むのは不本意ですから岩動様の部屋に電波として音声を送りました。
ですが、初めて乗ったので正直限界で、リーパーがいくら頑丈で異空間に耐えられるシロモノだとしてももはやいるのが不快だった私は降り、近くの公園?のお手洗いに隠れ一人過ごしました。
翌日、彼のお家へ行きました。
しかし、おかしなことに気づきました。
何故か、歩いている人たちが私に気づかないような感じなのです。
途中何度かぶつかられました。
しかし、悪気はなかったようでぶつかると驚いたような、困ったような顔で
「あっ、えっ?!あっ、いや、すみません。ぶつかってしまって。お怪我はなかったですか?」
などと聞いてくるのです。
私はイマイチ意味が分かりませんでしたが、この世界の人間は鈍くさいのかもしれませんね。
部屋に付きましたが、どう入ればいいかわかりません。
と、隣の部屋に誰かが扉の隣の機械を押し入っていったので私も真似をしてみます。
それはインターホンと言うものでした。
離れて個人で暮らす人間がいない私の世界とは違うシステムだったのですが、こういうやり方もあるのかと勉強になりました。
「はい。どちら様でしょうか?」
と声がしました。
一応返事をしてみましたが、一切返事がありません。
機械の調子が悪いのか、とがっかりしていると扉があきました。
彼でした。
私の世界で見た、岩動 楼汰様でした。
私はA-101で決めてきたセリフを言いました。
彼は、私の突拍子もない話を半信半疑でこそあったものの全て聞いてくれました。
きっと、巻き込まれただけじゃんだとか、俺にも仕事がだとか、ドッキリでは?だとか色々な事を考え、信じられず不安になったかと思います。
しかし、彼は覚悟を決めてくれました。
途中、彼は聞きました。
あれはテストしていないらしいけど大丈夫なのかと。
それに関しては大丈夫です。
私の誇れる仲間たちと、何よりあの方と共に造った至高のマシンなのだから。
そう答えると、彼は胡散臭そうな、それでいて気まずそうな顔をしながらも受け入れてくれました。
この世界に初めて異偶が出たあの日、彼は本気で怒っていました。
その理由自体は、私には読み解けない複雑な事情があるようでしたが、それも含めて戦う覚悟をしてくれたのがとても嬉しかったです。
きっと、私には関係のないきっかけでしょう。
しかし、感謝せずにはいられませんでした。
彼は間違いなく、この世界も私たちの世界も救ってくれる、そんな予感がするのです。
私には言えない事がまだたくさんあります。
そしてこの世界にはフィクション?という創作物がありアニメーションや特殊撮影があるらしく、CGという技術も凄まじい進化を遂げているらしいです。
ましてや私はそのフィクションに出てきそうな格好らしく、しかも意味がわからないような話を持ち出します。
ロクに自分の話もせず、自分の世界の事情だけまくし立て、挙句この世界を危険に導いた、そんな女のいう事を彼は信じてくれました。
彼は、怒りと恐怖に震えながらも覚悟を決め、私の発声したパスワードを唱え、リーパーへと搭乗したのでした。
【漆黒の死神よ。夜を穿て! REALIZE REAPER!】
その瞬間彼は消え、目の前にあのリーパーが現れました。
私たちがどれだけ力を込め起動してもびくともしなかった黒き巨人が、構えをとり異偶を殴っていたのには感動すら覚えるほどの喜びがありました。
しかし、彼はいつまで経っても動く気配がなく、殴った後は静止していました。
彼曰く、装備の出し方がわからなかったとか。
我々とて作りはしましたが、発案者が1人だけ図面の中身全てを理解して作っていたので、正直にいえばどんな装備があるのかは知っていても、それをどう出すのかは私たちも知りませんでしたし、コックピットがあるものだと勝手に思っていました。
しかし彼は持ち前のプログラミング能力を、リーパー内で具現化させ武器を召喚、無事異偶を撃破しました。
初戦闘、そして初勝利に、私は胸に強い高揚感とそして彼への希望をより濃くしました。
私は彼に笑いかけ、そして彼もまた返した、そう思っていました。
しかし、彼は心の恐怖を抉られてしまったようでした。
彼が降りた後、彼から質問が飛びました。
リーパ―は普段どこにあるのかという質問には思わず首をかしげてしまいました。
この世界にも確か、異空間に入れる技術はあったはず、前にこの世界を監視中に青いロボットが机の引き出しに入りそこから時空転移装置とかいう夢のまた夢のようなもので飛び立っているのを見たことがありました。
なのでそれを伝えると私に大きな声でツッコミを入れた挙句頭を抱えてしまいました。
もう一つの質問はもう私の世界に帰るのかという質問でした。
しかし、私はその時にはさすがに落ち着いていたのでそれが無理だという事は分かっていました。
エネルギーは、片道1回分しかありませんでした。
ですが、まさかそれを覆すものがあるとは...
倒した異偶からキラキラと光る何かがあるのを発見した楼汰様の視線の先には、石がありました。
とても良く見慣れた石が。
私は許可をもらい、それを彼の部屋で解剖しました。
彼には心配されましたが、こういう時こそ私の出番。
彼の心配を振り切り、危険を伝え一人で石を調べました。
調べれば調べる程、劣化版ではありますが我々の世界のエネルギー源、輝光導石でした。
これならば集めることが出来れば、きっとエネルギーは溜まります。
私は喜び勇んで楼汰様に報告し、タオルで汗を拭き身体に付いた汚れを落としながら報告をしました。
といっても、これも不思議でした。
伝説の獣が死んだ証であるこれが、何故異世界の化け物から出てくるのかが。
そもそも、この石は私たちの世界にしか出来ない筈のものなのです。
一体なぜ?と考える時間はありませんでした。
偽物とも疑いましたが、エネルギーの量に差はあれど確実に輝光導石でした。
私は輝光導石に関する資格を保有しており、準1級まで合格しております。
しかし、そんな私でも知る由のないことでした。
ただ、少なくともこの時の私には希望が見えてきたと感じていました。
何せ、3、40体はかかるとはいえそれだけ倒せば帰れるのですから。
私もサポートは惜しまないと誓っていました。
これならば行けると、思っていた矢先。
彼から、衝撃的な言葉が飛び出すのでした。
「それなんだけどさ......悪ぃんだけど、俺もうリーパーには乗らないわ」
カーㇴはカーㇴなりに考えがあり、そして裏のエピソードがあったらしいです。
まあ、らしいといってもなんですがね...




