第11話 休日
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今日は休日だ。
昨日あれだけ我を出すことが出来たのも、偏に休みだったからだったのもあるのかもしれない。
とりあえず、彼女が家に住むことになった。
正直に言えば、息が詰まることも無いことはない。
勿論、良い子だし色々と思うところはあるが、やはり年下の女と言う所や同棲するという事自体に忌避感を感じるのだ。
とはいえ、仕方ないものは仕方ない。
ほぼ恩人と言ってもいい彼女に野宿しろだなんて言えるわけがないし、ましてや金も無いのだから別の部屋を借りる事すらできない。
俺にだってそこまで余裕はない。
だからとりあえず生活スペースを区切ることにした。
幸い、俺の住んでいる部屋のうち寝室を彼女の自室とし、今まで趣味兼仕事部屋にしていた部屋に布団を敷いて俺の部屋にすることにした。
彼女はソファでいいといったが、それでは俺の気が収まらないからな。
それもあって、外に出ることにした。
彼女はそもそも着替えが無い。
しかも着ていた一着は輝光導石の件で汚し、現在洗濯中だ。
現在は俺のまだ着ていなかった服を着ている。
ということで外出しよう。
とりあえず、家具、日用品、服に食べ物とくればいくのはショッピングセンターだろう。
幸い、うちの近くには割とデカめのなんとかモールがある。
そこで買うことにした。
着いた俺たちは最初に家具屋まで行った。
彼女はひどく興奮しており、椅子とかベッドとかクッションとかを見つけては報告してくる。
何がそんなに珍しいのか聞いたが、彼女曰く、
「こんなにしっかりと作られている家具がこんな値段で買えるのですか!?」
との事らしい。
物価は俺が大体教えた。
彼女の世界では先に行きすぎて脳だけ休ませるブレインスリープなるものがあるらしい。
そのせいで逆にベッドやクッション、ハンモック等がとても希少で高値らしいことも聞き、少しびっくりした。
とりあえず、布団一式を買った。
その後も、ショッピングセンター内にある100円ショップや食品売り場などを回り、服屋まで来た。
彼女はあの和服のような白い服を気に入っているのか、そういうデザインばかりみていた。
しかし、彼女は一着だけ全く違う雰囲気の服を見ていた。
憧れと恥の入り混じったような表情で、見つめていた。
彼女のエキゾチックな感じに会う、なんとも風情のあるワンピースだった。
それを見ていると、彼女が言った。
「あの、本当に良いんですか?こんなに買ってもらったのに、服まで...」
「必要経費だからな。俺としても、高い店のが良いとか言われなきゃ大丈夫だ」
正直に言えばまあまあ手痛い出費だ。だが、これから先一緒に戦う仲間にはせめて金くらいはかけたい。
「私なら大丈夫です。日用品だとかは兎も角、服なら全然古着で構いませんので」
「俺が構うんだよ。いいよ、気にするなって」
彼女は悩んでるようだった。
「それ、気に入ったのか?」
俺が問うと、彼女は即座に否定した。
「あっ、いえいえいえ!!!!大丈夫です。お気遣いありがとうございます。」
しかし、明らかに見つめている。分かりやすいこった。
俺はそのワンピースを持つと、カウンターまで行った。
彼女は慌てて止めようとしてきたが、今更だ。
とりあえず、支払いを済ませ店を出る。
「うぅ~、本当にすみません。」
彼女は申し訳なさそうな顔で袋を受け取る。
「いいっていいって。気に入ったデザインなんだろ?俺も似合うと思う。」
すると、彼女は袋を両手で下げ、下を向き小さな声で言った。
「...似合う...か...ふふ」
「ありがとうございます。...嬉しいです。大切にしますね。」
「おう、どうせなら着てくれよな。」
と返しておいたが、さっき小声で何を言ったのだろうか。
まあ、気にしても仕方ないか。
その後流石に俺はいけないので彼女に下着屋に行ってもらい、無事全ての買い物が終了した。
そこで、彼女が何やらもじもじしているのに気付いた。
「どうした?なんかあったか?」
すると彼女は
「あの...お手洗いってどこか分かります?」
気づけなかったことを反省したい。まさか彼女の方から言わせてしまうとは。
「あー、そこ曲がってすぐだよ。荷物は持っておくから、行ってきな。」
「すみません、すぐ戻ります。」
そう言うと彼女は足早に立ち去った。
俺は手持ち無沙汰になった為、ひとまず邪魔にならないところでスマホを出す。
と、、、
【緊急!緊急!】
急に警告音と共にスマホから音が鳴り出した。
全員のスマホからだ。
だが、店内が揺れた感じはしない。
何事かと思っていた時、不意に耳鳴りがした。
そう、あの、アレが出てくるときのような耳鳴りが。




