第10話 回帰
昨日は色々忙しくて出せませんでした。申し訳ないです。
本日から再開いたします。
カーㇴに諭された日の夜。
アイツは自分は客人なのだからソファで十分と言ったが、俺の気が休まらないのでベッドに行ってもらった。
俺はと言うと、一切眠れずにソファで寝そべりながらじっと天井を見ていた。
何故あんなことを言ってしまったのだろうか。
自分の事情なんて、彼女には全く関係のないもので、俺が言う理由などなかったはずだ。
俺のトラウマや嫌な感情を吐き出したところで、何か現状が変わるわけでもないのに。
とはいえ、少し自己認識は出来た。
きっと、俺は認めてほしかったのだ。
誰かに、自分がどんなに弱くて、嫌な性格をしていて、友人の幻に縋りつくようなやつでも生きていていいと、受け入れてほしかったんじゃなかろうか。
俺はアイツがいなくなってから、極端に誰かと関わるのを減らした。
といっても、最低限度の付き合いはするが。
自暴自棄になって一時期は死んだように生活していた。
けれど、結局は後追いすらできなかった腰抜けなだけだった。
そしてその弱さが、日に日に大きくなり、こうして変な所で爆発してしまった。
あまりにも、自分が情けない。
自分より歳もいかない少女に慰められて、自分を見つめ直すとは。
カーㇴに感謝しなければいけないかもしれない。
朝、カーㇴより早く起きた俺は素早く朝食を作る。
と言っても簡単なものだけだ。
インスタントの味噌汁と白飯、小さいソーセージとサラダだけの質素な朝ごはんだ。
全て机に置いたのち、彼女を呼びに行く。
と、部屋の中から彼女の声がする。
「ぉ、おはようございます。昨晩はすみませんでした。」
彼女は少し照れたような、申し訳なさそうな顔で謝ってきた。
「ん?謝る事なんてないぞ。むしろ、俺が悪かった。すまない。」
彼女に向って頭を下げる。
面食らったような彼女は慌てて、
「い、いえいえ!!元はと言えば私がそもそも貴方に重荷を背負わそうとしていたのが過ちだったのですから!!気になさらないでください。」
「いや、お前がどんなに無理難題を言おうと、昨日の事とは何も関係はない。俺の弱さが生んだ負の意思だ。もう、俺は迷わない。」
彼女はそれを聞くと、少し驚いた顔をしつつ少しまだ申し訳なさそうな顔で
「...。まぁ、楼汰様がそう言ってくださるのなら、もう昨日の話はしません。ありがとうございます。」
「ああ、そうしてくれ。...そうだ、もう朝飯が出来てるぞ。とりあえず食べろ。話はそこからだ。」
彼女は席に着くとがっついて食べだした。そういえば、昨日は気まず過ぎて何も食わず寝たもんな。
腹減ってるわけだ。
思わずじっと見ながら俺の皿のウィンナーを置くと、彼女はこちらを見て
「いいんですか?!頂きます!!」
と食べだし、思わず笑ってしまった。
何か、俺の中に俺が戻ってきた気がする。
それもこれも、この子が、カーㇴが、
”私があなたの希望になります!!!”
”世界が終わってしまう前に、貴方が終わってしまうのを見たくないから。”
こう、言ってくれたからなんだろう。
そういわれたからには、俺は頑張らなくてはいけない。
何せ、どうやら俺は適合者で、英雄様らしいからな。




