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適合者はこの俺!!!!  作者: こしあん大福
第1章 真紅の雨
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第98話 人災と天罰

急展開はこの作品につきものかも。

「は?」


思わず声が出た。


何で、リーパーがあるんだよ。


仕舞われたんじゃ無いのか?


......確かに、俺は今回自分から抜けてはいない。


でも、少なくとも俺が病院にいる以上抜け出したはずだ。


一体、なんで消えていないんだ?





「何か、不思議そうな顔をしているな。」


玲子が話しかけてきたので応対する。


「いや、なんでリーパーが出てるんだろうなって思ってな。俺は消したかどうか覚えちゃいないが、少なくとも俺が外に出れてるんだから消したんだろうし......。」


「...そうか、お前はまだ聞いていないからか。」


...?


聞いていない?


「とはいえ私も、少し前にお前の相棒から聞いただけだがな。」


カーㇴから?


一体、何が?


「お前はあのマシンから排出され、そして気を失った。そしてあのマシンはそのままだそうだ。」


何?


リーパーが勝手に俺を出してくれたのか?


そんな馬鹿な。


俺が命令しない限りは出れない筈だ。


......いや、待てよ。


今までを思い出してみよう。


ダリアに敗北した時はあまりのダメージにリーパーのボディが耐えきれず消滅し更に復活に時間が必要になった。


トァネミに召喚された異偶たちは俺に大ダメージを与えたが、逆にリーパーがやられるほどではなかった為消滅はしなかった。


だが、あそこで仮にブラッディが目覚めていなかったとしたら...?


その場合、きっと搭乗者の危険を察しリーパーの中のAIみたいなシステムは俺を外へと放り出すだろう。


このまま接続されていては死ぬと。


つまり、今回もそのパターンな可能性が有る。


俺が超疲労し、このままではリーパーにも影響が出そうだから切断して俺を排出したんじゃなかろうか。


そして俺はそのまま仕舞わずに気絶したからずっと残っていて、それを吉と見た政府が今しかないとリーパーをいじくってるんだろうと。


でもさ、俺に許可なく弄るのってどうなんだ?


せめて俺が起きてから調べた方が良かったんじゃないか?


もし、それで変な所でも弄って壊したらもう誰も異偶と戦えないぞ?


いいのかよ。


もう少し対応は待てたはずだ。


判断を急ぎ過ぎたんだろうな。


ていうか、そうだよな。


変な所を知らず知らずのうちに壊されて使い物にならなくされる危険性が有るんだよな...!


やべえ。


こうしちゃいらんないな。


とっとと止めに行かないと。


ベッドの縁を掴み、そのまま起き上がろうとするも痛みと疲れで思った以上に腰が上がらない。


と、稔君が慌てて俺をベッドに戻そうとしてくる。


「何するんだ。俺は、あれを止めに行かないと。」


「ダメだよ!!今動いたら傷は塞がらないし疲れも取れないよ。今は安静にしないと。」


と医者みたいな事を言ってくる。


「いや、でも、今行かないとマズいんだよ。」


「...だったら、僕が行ってくるよ。」


と稔君は宣言した。


「いやいやいや、それこそダメだろ。稔君には悪いけど、ああいう大人たちは子供のいう事なんてと馬鹿にするぜ?きっとな。」


「そうかもしれないけど、それでもとにかく今行くのはダメだよ。むしろ、お兄ちゃんこそ動けない事をいい事に滅茶苦茶好き勝手言われる可能性が有るんだよ?僕が行った方がいいって!」


稔君の優しさは嬉しいが、今はそんな事を言ってる場合ではない。


子供一人行かせてもし何かあったり俺を逆恨みした奴に害されたりしたら魅羽ちゃんに何を言えばいいか分からなくなる。


せめて誰かが一緒に着いていってあげて欲しいのだ。


じゃなきゃ止めてくれ。


と、カーㇴ達が戻ってきた。


話を一連の流れから聞いたカーㇴは、


「なるほど、確かにそれは困りましたね。」


と顔を曇らせた。


だよな~。


やっぱ、ここは俺が......。


「ここは私が出よう。私ならばある程度国にも顔が利く。信憑性を持たせるなら私を連れて行った方が良い。それに、今はこんなんだが悪漢くらいは現在も倒せるぞ。」


と玲子が前に出る。


しかし、


「いえダメです。そんな頭に包帯を巻いて杖をついている様な怪我人が外出しちゃいけません。」


とカーㇴが止めた。


「このくらいなんて事は無い。私の傷だってほら......」


と包帯をとろうとしたので慌てて止めた。


流石にそれはねえだろ。


「こうやって皆さんに心配をかけるので、大人しく待っていてください。はっきり言いますが、怪我をした人が居ても邪魔になるだけですよ。ただでさえ抗議に行くのなら物理的に殴られたり捕らえられたりする可能性もありますからね。」


と、カーㇴ特有の大人に対し手厳しい説教が入り、玲子は不貞腐れたかのように


「ちっ、分かった分かった。じゃあ大人しく休んでてやるよ。」


と言い放った。


「玲子さんの分まで私が話しますから。では、早速行って参りますね。」


結局カーㇴが言いに行ってくれるようだ。


悪いな、毎回小間使いみたいにしてしまって。


「ご安心を、現在の私の役目は適合者の方に最も戦いやすい環境でのびのびと生活してもらう事ですから。楼汰様は私に全て任せて頂いてもいいのです。」


......何かそこまで言われるとかえって心配になるな。


無理せず休んでくれよ。


「ええ、大丈夫です。」


「じゃ、僕も行ってくるね。」


「いや、貴方もお留守番です。何行こうとしているのです?」


「いやいや、カーㇴさんまだこの世界の常識に疎いでしょ?もし、あっちがカーㇴさんの知らない常識で脅して来たらどうするの?」


「いや、そ、それは......」


おぉ珍しい。


カーㇴが言いくるめられてる。


確かに、カーㇴはしっかりしているから基本的には一人でいいかもしれないけどこの世界の常識だとか知識は未だ疎い部分がある。


稔君も話す感じしっかりしている子だししかも常識も子供ながらに結構ある。


ただ見た目が子供でしかないからそれで舐められる危険性はあるもんな。


その場合、確かにいいコンビに見える。


どちらもどちらのダメな点を補い合っている。


まぁ稔君一人じゃ危ないし、カーㇴ一人でも結構危ないもんな。


これくらいがいいんじゃないか?


カーㇴはまだダメだと言わんばかりの表情しているが、逆も然りで稔君もまた行きたそうにしている。


結局カーㇴが折れていくことになったみたいだ。


「それでは、行って参ります。」


「よし、じゃ行ってきま~す!!」


2人が行こうとすると魅羽ちゃんが立ち上がった。


そうだよな。


ある意味戦地に兄が行こうとしている訳だしそりゃ心配するか。


さっきまでは黙ってみていたけど、やっぱ兄だし止めたいよな。


その場合はカーㇴと俺で行くしかないな。


と思っていたが、魅羽ちゃんは一言、


「頑張ってね、お兄ちゃん。」


と言ったのみであった。


......信じてくれるようになったんだな、良かったな稔君。


稔君は少し驚いた顔をした後、笑顔で言った。


「ああ、任せろよ!」




















【稔視点】


カーㇴさんと一緒にタクシーに乗り、リーパーが座っている場所まで急ぐ。


お兄ちゃんの焦りは当然のものでむしろ政府の人たちこそ何をしてるんだよって話だね。


カーㇴさんとお兄ちゃんの話では、今がチャンスと捉えたんじゃないかってさ。


お兄ちゃんは倒れていて見ていない、他の面々も色々と焦っていてここにまで目が回らないと思ったんじゃないかって。


確かにやりかねないとは思うよね。


僕は確かに魅羽と一緒にデマ映像を拡散した。


その時、迷惑をかけた人は一杯いるから僕らが悪くないなんて言うつもりは無い。


けれどその僕らを叩いた人の中には政治の世界に居る人とかも居た。


その人たちだって、僕らが出した映像を信じて真っ先にSNS等で「皆さん、この差別と闘いましょう!」とか言ってたのに。


それがあるから議員とか政治家は信用できないんだ。


僕らが一番悪いから棚上げなんて出来ないけど、少なくともあの人らはそういう人たちだって知ってる。


だからこそ、今度は僕がお兄ちゃんのモノを守るよ。


待っててね。













現場に着いたけど、もはや大混乱が巻き起こっていた。


カーㇴさんとはぐれないよう手を繋ぎ、小走りに場所を目指す。


周りには様々な人がいた。


カメラを回しながらテレビ局と思われる人たちはマイクを手にしている女性とマシンを映そうと遠くから撮っている。


沢山の大人たち、学生たちがスマホを手にマシンを撮ろうと必死になって場所の取り合いをしている。


そうかと思えばその混乱に乗じてか痴漢をしたらしく女性に囲まれている男の人だとか、あるいは人が集まっているからと演説するヴィーガンの人なんかもいて大変な騒ぎになっている。


一応警察を対応はしているみたいだけど、ほとんど意味を成していないね。


少なくとも僕らだけでマシンに辿り着くにはかなり厳しい状況だ。


それでも、進むしかない訳だけど。


カーㇴさんは一言も発せず、ただ黙々と歩いていく。


時々僕がちゃんと居るか確認はしてくれるけど、あまり声は掛けてくれない。


多分カーㇴさんにも余裕があまり無いんだろう。


しょうがない事だし、僕は黙ってついていくだけにした。


ふと見ると、ユウではないが配信者の人も多いみたいで一斉に自撮り棒を向けて映像を撮っていた。


中には有名な配信者も居るらしく、少し騒ぎを引き起こしていた。


その混乱を何とか避け、マシンの付近までやってきた。


途中関係者以外立ち入り禁止と書かれたところで足止めを喰らったが、カーㇴさんが玲子さんから預かっていた重要機密情報取扱人の代理カードで突破した。


カーㇴさんやお兄ちゃんが「リーパー」と呼ぶ黒いマシンは僕らのすぐそばにいた。


まるで眠っているかのように静かにそこに座り込むそれは、確かに死神のような静けさだ。


と、そのリーパーに何かコードのようなものを取り付けて作業員の人たちが何かを取っている。


PCや色々な機材が運び込まれていて、テントの下で汗をかきながら調べていた。


と、カーㇴさんがその中に歩いていく。


ちょっと待って。


いきなり行くのは流石にマズいんじゃない?


もし、誰にも見られていなければ最悪処理しようとしてくるかも......。


と、そこに立ちふさがる影。


「おっと、お嬢さんたち。何か御用かな?」


それはスーツ姿の男性だった。


しわがれた声に白髪。


歳も70そこらだろうと思われるくらいの男の人だった。


「申し訳ないのですが、詳しく説明している時間はございません。即刻、この作業を終了し速やかにこの場から離れてください。」


カーㇴさんははっきりと告げた。


「...ん?よく聞こえなかったな。何を言ったのかね?...いや~最近耳が遠くてね、何を言ってるのかさっぱり分からんのだよ。」


めっちゃよくあるやり口だけど、それを立場がある人が本気でやっていいのかな?


というか、何というか人として恥ずかしい返し方だ。


この歳でこのユーモア、どうなんだろう。


「はぁ...。では一言だけ。この作業を終わらせて欲しいと言ったんです。」


「んんん?何かな?...ちょーッと分からんかなぁ?」


何この爺さん、お兄ちゃんだったら半ギレになりそう。


僕ですら少し腹立つレベルだ。


僕らをただの子供だと馬鹿にしている声だ。


「......歳を取ると耳だけではなく性格まで悪くなるのですか。初耳ですね。」


ちょっとカーㇴさん!?


なんか急に煽り出したんだけど?!


「あ゛?今、なんつったこのクソガキ!!!」


急に怒るし!!


「え?聞こえているじゃないですか?聞こえているなら早くしてください。」


......なんかカーㇴさん、頼もしいけどちょっと怖い。


「はっ、今更何も収穫ナシで帰れるかよ。こんだけの機材をかけたんだ、せめて情報くらい持ち帰らせてもらうぜ。」


「収穫...?一体、あなた方は何が目的でこんな事を行っているのですか?」


そうだよね。


僕らは理由を聞きに来ただけなんだ。


それでもし怪しげな事をしてリーパーを壊しでもしたら大変だからそれを止める為にね。


逆に言えば調べているだけなら別に問題は無いのかもしれない。


「あー?...お前ら、ひょっとしてこの機械の...?はっ、別に大したことじゃない。少しコイツの中身がどうなってるのか調べさせてもらうだけよ。」


大分マズいーーーーーーー!!!!!!!


諸々壊そうとしてるーーーーーー!!!!!!


「それは辞めてください。何か電波なり電圧なりあるいはエネルギー等の調査でしたら構いませんでしたが、直接システムを壊すような真似は...」


「そんな事は分かってる。だがな、いつまでもお前らみたいなどこの馬の骨かも分からん連中に国の防衛やら力やらを取られちゃ敵わねんだよ。自分たちでこの国を守れれば、お前らなんてお払い箱だからな!!」


...酷い。


僕が言えた事では無いのは分かってる。


でも、ずっと頑張ってきたお兄ちゃんに対してこの発言は酷すぎる。


お兄ちゃんは別に誰かを害そうとかしていた訳じゃない。


確かにただの一般男性一人が武装を持つなんて怖いかもしれない。


でもお兄ちゃんの人柄を見れば一発で分かる事だ。


いつかは国もあのバケモノ相手に戦える装備を作ればいいと思う。


でも今、またいつ敵が現れるかもわかっていない状況で、お兄ちゃんが起きていなかったのをいい事に勝手に調べて壊すのは話が違い過ぎる。


本末転倒どころじゃない。


もしここでバケモノが現れたらどうするのか。


そこのリスクを分かっていなすぎる。


「それにな、こっちだってムヤミヤタラに壊そうと思ってた訳じゃねえよ。その為にな、ここに居る作業員を呼んだんだ。個々の人らは全国のそういった機械の制作に携わったスペシャリストたちだ。この人らなら、アンタらだって安心だろ?」


分かってない。


確かに専門家に任せればいいかもしれないが、そのマシンはカーㇴさんの話だと確かこの世界とは別の世界の技術で作られていた筈だ。


僕も最初聞いた時は訳が分からなかったが、もし本当だとしたら。


この世界の専門家ではどうしようも出来ない事態に繋がるかもしれない。


「楼汰様の話を聞いておられなかった方ですか!?あのマシンは特別なのです!!異世界で造られたモノでこの世界のモノでは無いのです!ですから、ここの世界の専門家でもどうしようも出来ない部分があります!!」


とカーㇴさんが訴えるも、相手の男は


「さっきからピーピーうるせえな!いいんだよ細けえ事は!!いいか、要はお前らが困ろうと俺らは困んねえって事だけだ!俺らからしたらとっととお前ら不審者には消えて貰いたいんだよ!!」


この人、話が通じなすぎる。


「いいのですか?!もしそれを壊したら、次い...化け物が出てきた際の対処が出来なくなりますよ!」


「その前までに完成させればいいだけだ!!」


「その猶予が本当にあると思っているのですか?!...この前の化け物が出てきてから一か月も経たずに別の怪物が現れ、別のマシンまで現れたんですよ!!このまま壊したらきっと後悔する事になります!!!」


「うるせえ!!!お前らの言う根拠のない言葉になんか耳を貸すか!!大体な、子供がいう事なんて99%嘘八百なんだよ!!!お前らはたまたま上手く行っただけの嘘つき集団だ!!!あのバケモノどもがそんなすぐ来るなんて保証もないくせに、自分たちが権益を得たいからって調子に乗んなよ!!!」


...今、権益って言った?


「今、なんて?」


そうだよね、カーㇴさん。


聞き返すよね。


「だからな、お前らが権益を得たいがために嘘かまして出鱈目を.........あっ!?」


あっ...じゃないよ。


はぁ~、結局大人ってそれか。


「今は権益とか言ってる場合では無いのは分かっているでしょう!?私たちはそんなものに興味はありません!!ただ、この世界を守るために!!」


「黙れ黙れ黙れ!!!!うるさいんだよ!!!!!お前らがどんな役職に居るかも、この世界の奴らにどう思われてんのかも全部知ってる!だからうぜえんだよ!!!努力して議員になった俺に、運だけで抜きやがって!!!ズルを使ったゴミどもの癖に俺に指図すんな!!!お前らみたいなガキに舐められてたまるか!!俺がこの力を手にし、お前らもこの国も何もかも超越した権力を手に入れるんだよ!!!!!」


...救えない人だ。


あまりにも、おぞましい。


ただただ自分の欲の為に、誰かの物を勝手に触り、調べ、壊す。


しかもそれを注意されて逆ギレし、歳と立場だけで反論。


その後はただの思い出トークで勝った気になりながら僕らを責める。


なんていうか、酷い人だとしか思えない。


こんな人しかいないのかな、政治家って。


「おい、こんなガキに構う必要は無い!!!とっとと重要システムだろうが何だろうが抜き出せ!!!」


そんな事をされちゃたまったもんじゃない!!!


慌てて止めようとしていると、そのスーツの男性の下に部下と思われる人が走ってくる。


「大変です!!」


「今度は何だ!?」


「先ほど二人組の子どもがここに入るのを見た、何故子供が入れて俺たちが入れないんだとメディアや配信をしている人々がこちらに押し寄せています!」


「なっ!?...貴様らァ、何をしてくれた!!!」


揉みくちゃになりながら機材のコードを抜く僕の髪の毛を掴み怒鳴りつけてくるスーツの人。


大人として、こうなったら終わりなんだろうな。


そのまま僕は勢いよく地面に叩きつけられた。


背中から勢いよくいったけど、なんとか受け身がとれた。


カーㇴさんに向かおうとしていたので脚を出して転ばせた。


思いっきりこけていた、ざまあみろ。


と、僕を睨みつけてくるが.........。


「「おい!!!!!俺たちも入れろ!!!!!!!お前らばっか近くで見てズルいだろ!?」」


「「「そうだそうだ!!!!」」」


沢山の野次馬が集まってきた。


そして、今の惨状を見て


「って、子供が馬乗りにされてないか!?」


「政治家が何やってんだ!?」


「てかそこの子供デマ拡散した奴じゃねえの!?」


「何がどうなってるのよ!!!!」


みんなが騒いでいる。


あーもうしっちゃかめっちゃかだよ。


どうしよう、みんな来ちゃったせいで何が何なのか分からない。


ただただ混乱の中人混みに紛れている。


カーㇴさんも何処か分からない。


と、そんな状況を天が見かねたのか。


突如。













ドドドドドド!!!!!!!!!!














とんでもない音がし、みんな騒ぐのをやめて一斉に振り返る。


後ろは当然戦地だったのもあって廃村みたくなっているが、一応道路がある。


そこには先ほどまでは居なかった置物が鎮座していた。


置物はまるで亀のような甲羅があり、それぞれ穴が開いている。


あれは何だとみんなが注目していると、突如その甲羅の穴から腕と脚と思われるものが出現した。


そして一番大きくて立派だった穴からは頭が出現した。


間違いない。


あれは、所謂異偶(バケモノ)だ。


亀型のだ。


まだみんな状況を分かっていないのか、或いは逆に怖くて竦んでいるのかは分からないが誰も動かない。


と、ソイツの脚付近に居た黒服の男性が動き出した脚に踏みつぶされた。


その後脚がまたズレると、そこには破裂したかのような遺体と血液、そして跡形も無い地面が残されていた。


亀の脚には赤い液体が付いていて、それが赤信号のようにやけにちかちかした。


次の瞬間にはみんなが叫び出した。


「うわー」とか、「逃げろー」とか、「助けてー」とかだ。


あれだけ自分の事しか顧みていなかった人たちが一斉に、他社を置いてけぼりにして逃げていく。


人間は薄情な人も居るけれど、ここまでずっと嫌な人しかいないとかえって凄いと思うね。


しかし逃げる人たちのお陰か亀型はそちらに着いていき、僕はなんとかカーㇴさんと合流出来た。


良かった。


案の定というかなんというか、何人か逃げ遅れが居て、その人たちは既に無惨な姿に変わっていた。


「カーㇴさん、どうするんです?」


「...ひとまず楼汰様に連絡します。少々お待ちくださいね。」


「わかりました!」


と、さっきのスーツの男性がびくびくしながら隠れている。


そんなに怪物が怖いのに、さっきまでその怪物と戦う唯一の装備を破壊しようとしたんだよね。


なんというか、本当に汚い人だなって思うよ。


「電話が済みました。...結論から申し上げると結構良くないようです。Escapeをしていないせいでリーパーの宣言だけでは一体化出来ないらしく、直接乗り込むしかないと言っておられます。」


え?


って事は、ここにお兄ちゃんが来るまであの亀型は倒せないって事!?


「そのようです。...まさか、リーパーにそんなシステムがあったなんて。知らない事だらけです。」


カーㇴさんが知らないなら、お兄ちゃんも知らないか。


お兄ちゃんが着くまでに一体どれだけの被害が出るのだろう。


そう考えたら、スーツの人の意見も一理あるのかもしれないな。


権益に関してだけは全く違うと思うけど。


「とにかく、私は出来る事を探します。稔様は、何処かにお隠れください。」


隠れろ......って言われてもなぁ。


どうしよう。


スーツの人と同じ場所じゃ気まずいし...。


がたがた震えていて、いざとなったら囮にされそうだから嫌かな。


かといって一人で隠れて連絡が取れないのも良くないよなぁ。


そう、考えた。


考えてしまった。


あれこれ考えていたせいで、視界が狭まっていたのかもしれない。


あるいはまさかそんな事をするなんて考えていなかったのかもしれない。


カーㇴさんに至っては全く思いつきもしていなかっただろう。


気が付いたら。


















逃げ場所を探していたスーツの人が、リーパーの前まで逃げていた。


そしてそのまま乗り込もうとする。


でも確かあれはお兄ちゃんにしか使えない筈。


それは無駄だとせめて言いに行こうとしたが...。















なんとリーパーの額にある小さい鉱石のような部分が光り、スーツの人を飲み込んだ。


そしてそのままその人は消え、鉱石の光が止んだ。


その次の瞬間、眩い光が起こって......!

てことでまさかのリーパーにスーツの男が入っちゃいました。

一体、どうなるのか。


次回、疑問だらけの戦闘が始まります。

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