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適合者はこの俺!!!!  作者: こしあん大福
第1章 真紅の雨
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第97話 呪い

急に何?ってサブタイトルですね。

「あの......、お話の最中申し訳ないのですが.........。お手洗いに行ってもよろしいでしょうか?」


もじもじとカーㇴが話してきた。


ちょっと恥ずかしそうだ。


「あー、すまん。話が長くなったな。俺の許可なんか取らなくても行ってきていいぞ。」


「いえ、話は元々私が始めたようなものなのでそこはお気になさらず。...それでは、少し離れます。」


「......私も行きたい、お姉ちゃん着いてっていいですか?」


魅羽も行きたいらしい。


本当に話し過ぎたな。


トイレなんて我慢せずに行ってくれていいのにな。


てか、俺も腹減ったな。


しょうがない、カーㇴが呼んできてくれた病院食でも食うか。


お盆に載せられた少なくて健康そうな食事も今の状態なら滅茶苦茶美味そうに見える。


さーて、いっただっきまー............





prrrrrrrrr






なんとタイミングの悪い。


カーㇴに持たせていた電話が鳴り始めた。


基本的に俺が契約者である上、特に個人情報も無い為カーㇴのスマホは俺が出てもいいようになっている。


仕方ない、俺が出るしかないな。


稔はこっちを見ているが、玲子は窓の外を見て気を落ち着かせているようだ。


スマホを手に取りプッシュする。


「はい、もしもし?」


「お久しぶりです。ベディです。......あー、えっとベーツの部下の兵士だった男です。...ひょっとして、岩動様ですか?」


「おー、久しぶり。...ベディって名前だったのか。そうそう、俺が岩動だ。んで、どうした?」


「これ、カーㇴ様のスマホですよね...?カーㇴ様はいらっしゃらないのですか?」


「今席を外していてね。で、どうしたの?なんかあった?」


「いえ、先日カーㇴ様より怪物を倒した際に地面に落ちている石を全て回収して渡してほしいとの依頼を受けまして。我々も、少しでも償いたかったのですぐ回収したのです。そちらを連絡した次第です。手続が済み次第輸送いたします。」


なるほどなぁ、さっきカーㇴが言ってたな。


輝光導石が溜まってきてるって。


ちゃんと国の兵士とやり取りしてたとは。


ていうか、自分達はあくまでも命令上仕方なかっただろうに、ありがたくこうやって行動してくれるとは。


償いの意志とか言うけどさ、この人らもベーツとトァネミのせいで仲間を失ってるんだよな。


ま、だからベーツが糾弾される訳なんだろうけど。


それはそうとして、石回収と輸送はありがたい。


俺が貰いに行かなきゃいけないもんかと思ってたからな。


「サンキュー、助かるぜ。」


「いえ、この程度お安い御用です。............ところで話は変わりますが、少しお耳に入れておきたいことがございます。」


ん?


どうしたんだ改まって。


なんというか急だな。


「いえ、実は......というよりも、あの、言いづらいのですが............。」


なんだよ、そんなに勿体ぶって。


言いづらい?


イイよ怒らないから。


そんなに伝えにくい事なのか?


「その、変だとか何を言ってるんだとか思うと思うのですが...............カーㇴ様って、大丈夫なんですか?その、お身体とか。」


え?


カーㇴが、変?


「んーと、大丈夫って具体的にどういう事だ?身体って、まさかそっちの国で何か改造でもされたのか!?」


「あっ、いや違います。そういう事ではなくてですね......。その、何というか、時々、その、存在しているか分からなくなるって言うか?」


存在しているか分からない?


どういう事だ?


「いえ、自分もそこまで敏感に気づいた訳では無いのですが......。その、時々カーㇴ様がそこにおられる筈なのにいないと錯覚するというか。」


居るのに居ないと錯覚する?


「...カーㇴがか?」


「ええ、周りの兵士も口々に言っていました。時々、別に抜け出した訳もなく部屋に居るのに本当に部屋にいるのか分からなくなってしまう時があると。」


......んー?











兵士たちからの話では、カーㇴはどうも存在感が空気というか、何というか要領の掴めない話だった。


さっきの話以外にもカーㇴが抜け出したと勘違いした兵士が居て、それを報告した後部屋に戻ったら居て他の兵士は認識していただとか。


或いは逆にベーツが呼び出した際、カーㇴを探した兵士たちだったがその中で別の集団に居た兵士が「お前ら何やってんだ?あのお嬢ちゃん...?お前ら正気か?さっき、〇〇の部屋の中に居ただろ。」と言われ実際に確認すれば居たと。


だが、その部屋は既に探していたとか。


他にもあるらしいが、とりあえずこんなもんだ。


「その、明らかに部屋に居ないときはもっと分かるんです。あー、居ないなって。そういう事では無く、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()があったんです。...ですから、呪いとかなんじゃないのかってみんな怯えてしまっていたんです。」


呪い、ねぇ。


まぁそんな意味わからん状態になったらそういうものに結びつけたくなる気持ちは分かる。


だが果たして本当にそんなものがあったのか、俺には分からないな。


「...そうか、とりあえず気には留めとくな。ありがとう。...他に連絡はあるか?」


「いえ、他にはありません。それでは、準備が完了次第輸送しますので到着をお待ちください!何かあれば、また連絡を。カーㇴ様にもよろしくお伝えください。では、失礼します。」


そう言うとベディは切ってしまった。


何というか、一気に不気味になったな。


そんなはずはないと思いたいが、異世界人だしな。


何があってもおかしくはないな。


しかし、輝光導石は助かるな。


来たらカーㇴがエネルギーをとりだしてそれが異世界に戻るエネルギーになる。


それまでは待機ってやつだ。


.........呪いか。


どうしたもんかな。








「どうした?...何か考え事か。」









ふっと気が付くと玲子が話しかけてきていた。


結構考えちまってたらしい、全然気づかなかった。


「あー、いや、ちょっとな。」


「さっきの電話か。...何か気になる点があったのか?それとも、また奴らに失礼でもかまされたか?」


「まぁそうだな。気になる点があるんだ。」


「...話位なら聞くぞ。」


助かる、こういう時は素直に人に話すのも手だ。


幸いまだカーㇴは居ない。


話してみれば案外分かる人も居るだろう。


「実はさ............」















「という訳なんだよ。」


大体説明すると、玲子は少し考えてから言った。


「...私も、それを感じた事はある。」


え?


マジかよ。


「あぁ、アレは確かお前のデマ映像が拡散された時だったな。あの時あの少女は色々な所へと赴き少しでも力になれればと勉強していた。」


あー、そんな時もあったな。


懐かしい。


「その時にアイツは確かに図書館に居たんだ。だが私は最初入った時奴に一切気づかなかった。ほぼ話していないだとか、そういう次元の話じゃなかったんだ。そもそも()()()()()()()()()()()()()ような、空虚な感覚があったんだ。」


ほーう。


カーㇴは居たけど気づかなかったとかじゃなく、居るのか居ないのかの境目が分からなくなってたって事か。


現実主義者の玲子がこんな事言うなんて、珍しいな。


「ふん、私だって意味は分からんしこんな事は無いと思っている。粗方そういう現象でもあるんだろう。〇〇現象ってやつ、よくあるだろう?あれみたいなものさ。」


またそうやってすぐ結論付けようとする~。


「しかし、あの時はそうは言っても私の勘違いだろうと思い特に気には留めなかった。が、今思えばおかしかったのだな。」


これが玲子一人の体験であればそんなまたまた~で終わりだろう。


だが、他にも大量に経験している人がいるらしい。


だったら、ほぼ確定じゃないか?


「ま、兎に角あの少女には得体のしれない何か事象が絡んでいるらしい。気を付けた方が良いだろうな。」


気を付けろったって、どうしろって言うんだよ。


カーㇴに気づかなくなるか、俺もそんな事があったような~。


そう思い出そうとしていると話を聞いていたであろう稔も話しかけてきた。


「それ、僕も体験したことあります。」


え、稔君も?


これ、本当に笑えない奴なんじゃ?


ていうかここにいる人らのほぼ全員が体験してんのかよ。


「僕の場合は、初めてお会いした時ですね。何回かまだ僕が恨んでいた時にお兄ちゃんと一緒に居たのを見た事はあったけど、話すのは初めてだったんです。その時......」


稔の話してくれたのは、やはり玲子やベディたちと同じく存在が掴めないと言った話だった。


俺がアメイズを撃破し避難所モドキでご飯をみんなから貰っていた時。


稔はトイレへ行ったらしい。


その帰り道にあった部屋に落ちていたものが何でもイイカード?だか何だかで「こんな所に!?」とびっくりしつつ入ったらしい。


その際、興奮してついこけてしまい恥ずかしくて周りを見渡したそうだが誰も居なかったそうだ。


だが、どうにも誰かが居るという違和感が拭えず、奇妙な感覚で居た時。


後ろから突如としてカーㇴが声を掛けてきたそうだ。


カーㇴ曰く稔君が入ってきた頃から居て何ならこけるとこも何も全て見ていたそうで、稔君は滅茶苦茶恥ずかしそうだった。


「...あの時確かにカードに興奮していたので注意が散漫にはなっていたと思います。...だとしてもありえないんです。カーㇴさんはそこの部屋の隅で掃除をしていたと言いましたが、そこの隅は確認したはずなんです。いる訳が無かった......。」


「だけど、居たって事か。」


「はい...。僕も信じられず本当に居たかどうかを確認しましたが、あの埃の無さ、瓦礫やガラスの一まとめ具合、どう考えたって掃除してなきゃならない状態でした。」


そうか。


ここまで証言が出そろうと気持ち悪くなってくるな。


とはいえ、これをどうこう考えた所で解決策なんて出ずただ気持ち悪さだけが濃くなるだけだろう。


とりあえずカーㇴにこれを話すのはやめておこう。


本人が一番気味悪がるだろう。


確定していない情報で混乱させるのは今の状況で最もやってはいけない事の一つだろう。


幸いみんな同意してくれた。


「実際に行われていたことと、その際本当に存在があったかを分からなかったのが気持ち悪かったには悪かったんですが、その時の僕は皆さんに受け入れて貰えた事で頭が一杯で他の事をあまり考える余裕が無かったんです。」


そっか、ま、それは良い事だけどな。


「正直に言えば、僕なんかは本当に初めて話したので、それも有ってまだその人の感覚というか存在感とか空気とかを分かっていなかったのかもしれませんが......。」


どうなんだろうな。


いくら初めてだからってそんな普通に作業していて気づかないなんて事あるか?


というか、人間そりゃミスもあるから気づかない事自体はあるかもしれない。


でも、初めても何もない気がするんだよな。


それはそうとしてもそもそも存在感自体が失せるならどうしようもないしな。


初めての話だからその人の存在がまだ分かっていないってのはあるのかもしれんとは思うが。


......って、初めて?









あーー――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!








そういえばそうだった。


俺がカーㇴと初めて会った時もそうだった。


「え、そうなんだ。」


そうだ。


俺がカーㇴとあった時、確かカーㇴはインターホンを押して俺に会いに来たんだよな


でも俺がカメラ見た時は誰も居なくてピンポンダッシュかなんかだと思って出たら居たんだよ。


あの時の俺はカメラの不調くらいに思っていたが、ひょっとするとアレもそうだったのか。


だとしたら俺もその話に加われるな。


でも、結局何なのかは分からんよな。


カーㇴが一体現在どういう状態なのか、まるでつかめない。


ただ、今のところそれで何か不都合が起きている訳でも無いし、とりあえずは様子見だな。















ようやく話も済んだのでご飯を食べる。


あーあ、すっかり冷めちゃったよ。


とはいえ悪くないんだけどね。


これはこれで、意外と美味い。


ここ、ひょっとして病院食が美味い神病院だったりする?


稔は一生懸命話しかけてくれる。


玲子はやはり窓を見ている。


......和磨の事を、気にしているんだろうな。


そりゃそうか。


たった一人の残った部下だもんな。


と、さっき付けたテレビの番組が切り替わる。


ニュース番組が始まった。


ニュースか、最近増えたよな。


テレビももうネタが無いんだろうな。


なーんて思いながら飯片手に見ていると、一つのニュースが入ってきた。


それは............













座り込むリーパーの周りに線が引かれ、周りを野次馬が取り囲んでいる状況。


そしてそのリーパーを、政府関係者と紹介されているスーツ姿と作業服姿の奴らが調べようとしているところだった。

わーい、3連休だ~。

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