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適合者はこの俺!!!!  作者: こしあん大福
第1章 真紅の雨
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第96話 一旦休憩

今回は久しぶりの敵のでないパートです。

楼汰が気絶し、そこから二日。


現在、復旧活動が進められていた。


生き残った人々や、被害のなかった県などから人々が集まり瓦礫やゴミを撤去しながら救急活動をしていた。


稔や魅羽などの避難民はそのまま避難所へと移動し現在生活を送っている。


カーㇴは撤去活動を手伝いつつ楼汰の下へと通っていた。


あれ以来特に異偶やマシンも来ておらず、打って変わって平和な日々が流れていた。


しかし、その一方楼汰が眠っていた事で様々な事が進んでいた。













稔と魅羽は、家族を失った。


それがきっかけとなり、また人々の目に留まった事で施設に入るコトになった。


魅羽も稔も安心しており、彼らは少しずつだが元の性格に戻りつつある。


そんな彼らは深く楼汰に感謝し、彼が眠る病院へと通っている。


起きた彼に感謝を伝えるために。










カーㇴはこの戦いの後、しばらくは避難をする人たちの手伝いや撤去活動に精を出していた。


とりあえず一旦の活動を終了し、そこからは本来の活動に戻り始めた。


手始めに今回スィゲロが呼び出した異偶たちを倒したポイントまで行き、そこの輝光導石を回収した。


更に元々自身を攫ったベーツの国に連絡し、そこの輝光導石を回収するよう頼んだ。


全て回収し終えたら送ってもらうとカーㇴは聞き、更にあの時の事も聞いた。


現在ベーツは取り調べを受けており、国の不満も高まっているらしい。


近々クーデターがあるかもなんて冗談でもない事を兵士は呆れつつ呟いていた。


そんな話を聞きつつ、彼女は目覚める可能性のある主の為に病院へと足を運んでいた。
















そして、電話と共に居場所が掴めなかった和磨。


彼は瓦礫の中から見つかった。


幸いな事に、彼は大怪我をしていたものの命に別条はなく死んではいなかった。


ただ、命を落とさなかっただけで危険な状態は続いており、未だに意識も戻らず植物人間のようになってしまっている。


なお、彼が通話していたと思われる人物は残念なことに亡くなったようだ。















目を覚ました。


うっすらと光が差し込み、なんだか夢見心地だ。


すると隣から、


「楼汰様......!」


と、感極まった声がする。


見ればそこには涙ぐむカーㇴが。


更に、椅子に座り側にいたのは稔と魅羽。


そして窓側のところで立っているのは玲子だった。


玲子は頭に包帯を巻き、松葉杖を突きながら立っていた。


カーㇴ達が椅子をすすめたが断ったらしい。


「...今、何日だ?」


聞けば既に3日経っているらしい。


あれから日本は異偶もマシンも出てはおらず、安寧が続いていると聞いて一安心だ。


「お身体は大丈夫ですか?」


カーㇴが困ったような表情で聞いてくる。


安心しろよ、そんな軟な身体してないって。


流石に疲れたからまだ身体自体は悲鳴を上げてるが、幸い今までの様な大怪我が有る訳でも無い。


数日経てば回復するだろうな。


稔と魅羽はお大事にと栄養剤をくれた。


なんでもコンビニで買ってきてくれたらしい。


なんて言うか、子供に気を遣われると申し訳なくなるな。


ありがたく飲んでおくか。


しかし、ここに4人も居るって事は何か話でもあるって事だろう。


話してみろよ。


「あの!僕たちはほんとn......」


「では私からですが、まずあn......」


「体は大丈夫か?我々はまずm......」


いっぺんに話してくるなよ......。


一人一人順番にだ。


全員積もる話もあるだろうが、どうせ俺から選ばないとまた始めるだろうし勝手に決めるぞ。


まずは稔と魅羽。


お前らから話してくれ。


「...分かった、ありがとうお兄ちゃん。」


稔の話は壮絶だった。


家族を失い、生きる為に、そして心を守るために必死で抗う子供の体験談だった。


とても子供のいう事なんて馬鹿に出来ないような地獄の日々だ。


彼らは必死に頑張ってきたのだ。


間違えた部分もあっただろうが、俺は評価したい所が一杯ある。


だが、もうそれはいいだろう。


一つだけ言えるのは、生きていてくれて良かったってところだ。


何が有ろうと、彼らは絶対に幸せになるべきだからな。


「...僕らは確かに大変だったけれど、その中で様々な人を傷つけてしまった。まずはお兄ちゃん。それに、カーㇴさんや和磨さん。そして、お兄ちゃんを信じた人たち。改めて、本当にごめんなさい。...謝って何とかなるとは思わない。だけど、とりあえず謝りたいって思えたから。」


「私もごめんなさい。私が、ユウって人の事を正しいって信じ込んで暴走したから。...私たちが出来る事ならなんでもします。悪いって思ってます。ごめんなさい...。」


本気でしょげている子供に何度も謝られると来るものがあるな。


しかも、この子らもまた被害者なのだ。


やった事はやった事。


だけどそれとは別に、俺は彼らを好ましく思えた。


少なくとも彼らには自分から謝りたいという意思があった。


そして、ユウに騙されていたにしろ協力していたにしろその彼だけのせいにしない罪悪感があった。


何より誰を傷つけて、そのせいで何が起きたかを分かっている。


これ以上の償いは、俺からは要らないだろう。


「大丈夫。...きっと二人はこれから想像以上に大変な仕打ちを受けるかもしれないし、想像以上の生活が待っているだろう。それだけでも十分罪になってるし、俺にはもう叱る気は無いよ。...安心して。」


「............いいの?僕らはまた、何かやらかすかもしれないんだよ。ここでもっと言うべきじゃないの?」


「私たちが言うのもなんですけど、お兄さんは甘すぎる気がします。もっと、怒られても平気です。」


「ははは、まさか叱られる側にそれを言われるとは。とはいえ、君らはもうあそこの避難生活で散々教わったんだろう?なら十分だよ。...それよりも、もしこれから大変な事があったら気兼ねなく頼ってくれ。」


「え!?......流石に、それは何も言えないです......。」


「私たちを怒るどころか助けてくれるの?......意味、分かんないよ。」


2人とも割とガチで困惑してるっぽいな。


「そらそうだよ。これから先、子供に対して大人げなく恩着せがましく怒る奴とかも出てくるだろうし。何よりの当事者の俺が許したんだから良いの。何かあったら大人を頼る、今回で覚えたろ?......きっと世間の風当たりは冷たいからさ、せめて俺くらいはね。...それに、なんだかんだ言っても俺も無責任だったところもあるしさ。これでおあいこって事で。」


「...お兄ちゃんがいいなら、それでも...。」


「うん...。」


困った顔だが、一応納得してくれたみたいだ。


本来こうなる可能性のなかったかもしれない子たちなんだ。


和磨もカーㇴも庇ってはくれたが、実際俺があそこでもっと強ければ、この子たちの家族は亡くなっていないかもしれないんだ。


そう思うと、どうしても彼らは被害者に思えてしまう。


俺は甘いのかもしれない。


でも、それくらいがいいと思うんだ。


それに彼らはまだ子供、そうやって覚えていくんじゃないかな。


幸い、彼らのせいで誰かが死んだわけでもない。


結局、彼らはデマを振りまいたけれど日本中がそれに乗っかった訳でも無いしな。


少なくとも彼らはもう十分だろう。


さてと、これで稔たちは終わりかな?


「...はい、ありがとうございます。僕らからは以上です。」


そっか。


じゃあ次はカーㇴ...ってお前、すんげえ嬉しそうだな。


「それはもう...。とても久しぶりに、こうやって落ち着いて話せますからね。」


「久しぶりって、まだ1か月も経ってないぞ。」


「いえ、私にとってはとても久しぶりですよ。ずっと腰を落ち着かせることが出来ませんでしたから。」


確かに、それもそうか。


俺の正体がバレて、デマ映像が拡散されて、カーㇴが攫われて、ジャッジが現れて。


ようやく再会かと思えばすぐ異偶と戦闘、アメイズと戦闘、オーガと戦闘。


挙句俺がぶっ倒れて3日爆睡。


久しぶりと言えば久しぶりなのか。


「楼汰様におかれましては、久しぶりにとても気持ちの良さそうな顔をしておられますね。」


「そりゃな。戦いも一区切りついて、睡眠もとれて、腹も減ったからな。」


「ふふ......そう思って、先ほどナースさんに届けてもらいました。病院食。」


げっ。


病院食、まずかないんだけど味が薄いんだよな。


意外といろんなものが出る分味は優しめ。


個人的には、全然死にかけてたしずっと味気ない生活してたからこういう戻った初日こそがっつり行きたいんだけどな。


ハンバーガーとか食べたい。


あー、思い出したら腹減ってきたな。


稔たちにお小遣い握らせて買いに行ってもらおうかな。


お使いくらいなら喜んでしてくれそう。


栄養剤買ってきてくれた訳だし、少しくらいいいだろ。


「楼汰様、今悪い事考えませんでした?」


あれ、顔に出てた。


...っていうか、このやりとりも久々だな。


本当に、ようやく戻ってきたんだな。


「ほっとしますね。...街は未だ復旧が続いており、まだまだ時間はかかると思いますがひとまず安心だと思います。」


そうだな。


...で、カーㇴもなんか報告があるんだろ?


「あ、そうでした。...まず、ベーツの国ですが。」


あー、あったなそういえば。


後が濃すぎてすっかり忘れてたが、アイツしっかり裁いてくれただろうか。


「玲子さんに伺った所、彼は現在尋問されており、現地のメディアや国民からも批判されているそうです。他国からもバッシングされていてこのまま行けば責任をとらせた上でこちらに大分利を持って交渉できそうだそうです。」


そっか、まぁそりゃそうだよな。


国の重鎮がとりあえずで用意した俺という切り札の大事な仲間を攫ったんだからな。


これくらいは納得、いわば妥当だ。


国がやってくれるんなら、俺がやることは特にないだろう。


そう思っていると、玲子がこう聞いてきた。


「...それでお前はいいのか?...言っちゃなんだがお前には文句を言う資格がある。何か吹っ掛けても今の空気であれば許されるぞ。」


おいおい、国家の役員の公安が言っちゃいけない台詞だろそれ。


「まぁ、言ってしまえばそりゃあるさ。でもま、もういいんだよ。カーㇴは帰ってきたし、デスペラードも一人減らした。街は大惨事になってしまったけれど、次また白黒野郎が湧いたら倒す。だから、これくらいが妥当だ。」


「.....そうか、お前がそれでいいんならいいんだ。」


結局は俺の発言のままか。


ま、それが一番気楽だぜ。


ぶっちゃけて言えばベーツはしかるべき罰を受けて欲しいが、それ以前に色々と言ってた言葉もアウトすぎて各国から先に潰されるだろう。


それだけで大ダメージだろうし、今更攻撃する必要は無い。


勿論、助ける事なんてしないがな。


種を蒔いたのは自分だからな。


「私も同感です。これ以上の罰はやりすぎ......とまでは言いませんが、楼汰様ならばそれで良いと仰ると思っておりました。」


そうだな。


流石カーㇴだ。


「えへへ.........。じゃない、次の報告です。続いてはユウについてです。」


ユウ、か。


アイツは結局何がしたかったのやら。


俺を利用して再生数稼ぎ。


失敗すれば俺に濡れ衣を着せて怒り、稔たちを利用して好感度稼ぎ。


それも失敗したし、暫くはもう黙っていて欲しいし懲りて黙るべきだと思う。


だがほとぼりが覚めたら出てきそうだな。


まぁ、それは兎も角、どうしたんだ。


「それが、その。稔さん達や避難者の皆さんにもお聞きしたのですが、残念ながら居場所が掴めず。」


なーんだ、そんな事か。


それがどうしたんだよ、そんなのいつもの事じゃないのか?


どうせ何処か秘密基地でも作って隠れてんだろ。


「それが、今はこうして街が破壊されて基本的に何とか形が残っている所から復旧が開始されているため人が必ずいる筈なんです。逆に、全て壊れているようなところは人こそあまり居ませんがそもそも隠れられる所が存在しません。」


...ほう?


つまり.........?


「つまり、彼はこのたった数日で何処か別の街に消えたと言う事です。」


「だが、それはありえない。我々政府もリストに載せた為監視対象にしていたが見当たらないんだ。」


ふむ、ソイツはおかしいな。


玲子がいう事が本当ならアイツはこの世界に居ないという事になる。


となると、死んだか、或いは......。


「あぁ、最悪奴らに攫われている可能性がある。」


そうなるよなぁ。


そうなった場合、最悪なのは利害の一致でまたこちらに攻撃を仕掛けてくることだ。


アイツは執念深そうだし、やり合うのはきつそうだ。


ま、ただ人質やってる可能性もあるがな。


「とはいえ、例えそうだとしても行く事が出来ないのではどうする事も無い。」


「そうなんです......。だから、今のところは警戒しつつ過ごすしかないのかなと思います。」


なるほどな。


ま、行けないんじゃしょうがない。


別に無理して助けたい奴でもない。


今無理に行くよりも、何処かで見つかる事を祈る方が現実的だ。


「...それでですね、3つ目なのですが......。輝光導石になります。」


そういえば、そんなのもあったな。


輝光導石ってのは簡単に言えばエネルギーだ。


ただ、どうやらカーㇴ達の世界のモノの劣化版らしい。


それくらいしか知らないが、それがどうしたんだ?


「今回集まった分を集計したところ、理論上はあと数()()()あればA-101に帰還できます。」


おおおお!!!!!


やったな、カーㇴ!!!!!!!!!!


......で、ノーンって何?


「あ、ノーンというのは私たちの世界での単位です。それでですね、今回なのですが......。」


そう言って見せてくれた資料。


今回倒したアメイズに関してはエネルギーは燃え尽きていてとることは出来なかったらしい。


そしてジャッジの呼び出した異偶達に関しては、やはり人型だったり小さかったりと勝手が違ったためエネルギー量も更に少なくなっていたらしい。


「とはいえかなりの量いたのでそれのお陰で大分溜まったという形ですね。更に、アメイズが呼び出した異偶たちがかなり濃いエネルギーを落としたのもあって。」


なるほどな。


じゃ、本当にあと少しって訳か。


ちょうどジャッジを倒せれば行けるんじゃないか?


「その可能性はありえますね。ですが、それでなんだと気を抜かれないようお気を付けください。」


安心しろよ、俺に限ってそれは無い............よな?


「...?それ、何の話なんですか?」


「...私たちにも分かるように説明してもらいたいものだな。」


魅羽と玲子が話に食いついてきた。


そういえば、異世界諸々の話は大事な所を除いてしか話していなかった気がする。


これ、どう説明しよう。


そう思っていると、その問いを見透かしたようにカーㇴが言った。


「それでなのですが、最後の報告です。......それは、私についてです。」


私?


というと?


なんか見つかったのか?


「いえ、そういう事では無く。......私が攫われた事に反し楼汰様が妙な慌て方をしていた事。更に、敵のよく分からない組織が攫いたいと思う存在という事でかなり怪しまれてしまっているみたいです。」


「悪いな。私からも怪しい人物ではないと口添えしたが、如何せん情報が少なくてな。」


「玲子様が悪いわけではございません。...ただ、これ以上の黙秘は無理でしょう。今回の事を含め事情を説明して頂きたいそうです。...体調が整い次第来て欲しいとの事です。」


なるほどな、俺の口からカーㇴが何者で一体今回の流れが何なのか説明しろって事か。


ま、そりゃそうなるよな。


訳わかんないまま日本が戦場になった訳だしな。


知る権利はあるか。


ただ、カーㇴはそれでいいのか?


もし言ったら、最悪身体を調べられたり酷い言葉を投げられたりするかもしれないぞ。


俺はそんな奴を許さないし、きっとみんな守ってはくれるだろうが急に起きる事だってある。


そんな状況で本当に説明してもいいのか?


「今はそんな事を言っている場合では無いと判断しました。この世界も、故郷もどちらも守るためには、両方の世界の協力が必須です。ですから、下手な隠し事で疑われるよりかは話した方が得策かと。」


なるほど、よく考えていたんだな。


確かに一つになる為には、まずお互いを知る必要があるからな。


カーㇴにとって信用のたる相手かどうかはさておき、日本もまとまらなきゃ勝てないしな。


まずは情報共有、良いと思うぞ。


「ありがとうございます。では体調が戻りましたらまた出向きましょう。私からは以上です。」


そうだな、そうしようか。


で、最後は玲子か。


お前、脚悪いんだからやっぱ椅子使えよ。


なんでわざわざ立とうとするんだよ。


「どうも落ち着かなくてな。...私からの報告はまず公安の事だ。」


玲子からの話は中々に強烈なものだった。


まず、今回の異偶の襲撃で俺に関する情報を探っていた仲間は全滅。


辛うじて和磨だけが助かったが、他の隊員はもう......といった状態。


更に和磨もダメージを受け、今はここで療養しているといった事だ。


「和磨は残念なことに脳に傷があったらしく、目覚めるのにはかなりの時間を要するのだそうだ。...アイツもまた必死で戦いみんなを守った。私はアイツが誇らしい。」


ま、そうだな。


和磨は少し抜けてるけどいい奴で、何かと世話を焼いてくれた。


彼の通話のお陰で俺は日本へすぐ帰ったしな。


あの通信で嫌な予感は感じていたが、まさかその張本人である和磨自体が風前の灯火だったとは。


そりゃ、未だに目覚めないわな。


アイツには色々と感謝してる。


最後に話したときはほぼ喧嘩みたいな形で別れてしまったし、目覚めたらしっかりと話をしたいと思ってる。


例え話せなくなっていたとしても、俺は必ず話して見せる。


和磨もまた大事な俺の仲間だと、そう思っているからな。


心配だが目覚めない以上俺には何も出来ない。


悔しいが、そこは専門の医者に任せよう。


アイツは強い、きっと大丈夫だ。


「それでだがな、こうなってしまうともはやお前を監視する事が出来なくなった。」


そうか、そうだよな。


俺を追っていた彼らが一斉に亡くなって、和磨も出来ないとなれば。


「幸いお前は日本、そして世界の為に戦った。国も一応建前上はそれを認め、お前を監視から解放することになった。」


!?


マジか、そんなあっさり。


「驚いているな。...当然か。だが、国としても今や裏切るリスクの低い君をどうこうするよりも新たな侵略者に対する対策で頭が一杯でね、監視なんかしている場合じゃないと判断されたんだよ。だから、言ってしまえば監視する必要が無くなった訳では無く、監視できなくなったから一時的に辞めるってだけだ。」


なるほどな、だから建前上はなのか。


「あぁ、あくまでも表面上はな。これからもお前はある意味では人類の脅威だし監視はされるだろ。ただ、表立って干渉してこなくなるだろうなって話だ。」


それはありがたい、和磨こそあれだったが他の隊員が来てた時は空気重かったしな。


やり辛かった節はある。


「ま、認めただの何だの言ってはいるが、ただ監視する人材とコストを全て対策に使いたかっただけに過ぎんがな。...だが、だからといって問題を起こそうとするんじゃないぞ。...お前に限ってそれは無いと思っているが。」


「ああ、当たり前だろ。問題なんて起こす機無いし、監視が無くなるってんなら大歓迎だから大人しく休憩しとくさ。」


「そうしてくれ。...さて、次の話題だ。ここら辺はニュースでもやっているが、一応報告だ。」


テレビを点けてもらい確認すると、どうもメディアが責任逃れの真っ最中だった。


今回の騒動でデマ動画が拡散した際、俺を追い詰めてきたメディアの面々が寄ってたかって動画を出したユウや稔たちを叩いていた。


稔たちは目を伏せ、申し訳なさそうにしている。


胸糞悪ぃな。


確かに稔たちはやらかしたし、ユウも全面的に悪い。


だがそれを大々的に報じて拡散したのは何処の誰だよ。


これだからメディアは困るんだよな。


どうやら日本は平和らしい、ってのがよく分かるな。


「ま、この番組の通りだ。テレビ局や雑誌編集部は寄ってたかってデマ動画を叩いているぞ。お前たちが何を言ってるんだって話だが話を聞かんだろうな。」


ま、謝れない連中だからな。


こんな事になるのは予想できたさ。


「ここら辺も一応注意してくれ。未だにあのデマ動画を信じる奴や、稔たちを害そうとする奴もいるかもしれんからな。」


分かった。


サンキュー。


「あぁ。...じゃあ、次で最後だ。......一応、もう監視が外れた以上お前は自由だ。よって脅威対抗国営防衛機関員を辞退する事が出来る。いきなりかもしれんが、どうする?...勿論ここでは決められないだろうから、待つには待つ。」


あー、そういえばそんな御大層な名前だったっけ。


すっかり忘れてたぜ。


最近は忙しくて通帳もロクに確認していないが、結構な金額が振り込まれていてありがたいんだよな。


それに、確かに自由は魅力的だが、俺の場合何かに縛られていないとダメそうだ。


自由になったとしても、そうしたらまた稼ぎ先探さなきゃいけないしな。


せっかくいいポストになったんだ。


収入もいいし、命こそ懸けなきゃいけないが他の職業やるよかよっぽどいいだろうな。


それに、今更俺が他の職業をやるっつっても無理だろう。


面倒臭いし、普通に周りの人も「うわ、あのマシンの人だ」ってなって気まずいだろうし。


流石に俺だって誇りはある。


この活動が充実していて、少なくとも誰かに必要とされているって明確に感じるしな。


俺のこの仕事が誰かの命を救えるなら、ずっとやっていたい職業でもある。


別に英雄気取りする訳じゃないが、俺は出来るならこれからもその長い名前の職業で居たいな。


「......そうか。お前ならそう言ってくれると思っていた。では、これからも継続という形でいいな。」


「ああ、勿論。というかむしろ宜しく頼む。......誇りとか何とか言ってはいるが結局お金も欲しいからな。継続させてくれ。」


「ふん、そういった所はやはり人間だな。...分かった。では、継続として受理させてもらう。」


俺はこれからもみんなを守る戦士でありたいと思うし、そういった職に就いていれば自然と手助けしてくれる人も増えていくだろう。


そうやってみんながみんな英雄になって行けばいいと思うんだ。


だから、俺は辞めない。


自由になっても俺には『()()』もあるしな。


本当の自由にはなれないから。


だから、暫くは縛られて居よう。


異偶もデスペラードも、まだ終わった訳じゃない。


戦いは続く。


俺以外に戦うことの出来る人が居ないのだから、俺は逃げたくないし逃げられない。


みんなを守れる役を続けられるなら、それで良い。


そう、思うんだ。

覚悟を改めて決める楼汰様..................カッコいいです...。




てことで次回もお楽しみに。

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