表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/243

098 新婚旅行2日目です。3

 ここは島がたくさんある大きな湾です。


 これから、魔法で作ったボートでクルージングをします。


アンナ「出発します。」


 ボートは砂浜を滑るように進み、海上を巡航します。


朝美 「すごーい。」

政樹 「おもしれえ。」


 前回よりも操船が上達しました。魔法で揺れを相殺しているので、ほとんど揺れません。

 わたしは湾内を巡り、二人は撮影します。


     *


 面白い岩を見つけました。中央に穴が空いています。ボートが楽に通れる大きさの穴です。

 わたしは岩の向かって直進して、穴を通過します。


政樹 「おお。」


 今度は離水して、飛行します。


朝美 「すごーい。」

政樹 「魔法はなんでもありだな。」


 はい。魔法はなんでも出来ます。

 二人は透けて見える船底から海を見たり、写真を撮っています。


 探索魔法に反応がありました。湾のすぐ外を数頭泳いでいます。


アンナ「これから珍しい生き物を見に行きます。

    その生き物を見ると幸運が訪れると言われています。」

政樹 「昨日見たけど・・・カーバンクル。」

朝美 「いいの。余計なこと言わなくて。」


 わたしはボートを着水させました。もうすぐ湾の外側です。海の色は濃いブルーになりました。

 わたしはその生き物の群れを目指します。どうやら向こうもこちらに向かっているようです。

 ボートの近くを一緒に泳いでいます。その生き物は海面をジャンプしました。


アンナ「横を見てください。」


朝美 「イルカ?」

アンナ「はい。そうです。」

政樹 「ピンク?」

アンナ「はい。ピンクのイルカです。」

朝美 「異世界のイルカはピンク色なの?」

アンナ「はい。異世界でも珍しいイルカですが、ピンクのイルカは地球にもいますよ。」

政樹 「そうなんだ。」


 数は少ないですが、東シナ海とアマゾン川に生息しています。


 わたしはゆっくりボートを停めました。イルカはボートの周囲を泳いでいます。


 わたしは動画撮影の準備をしたあと、水魔法でウォーターボールを複数作り、

 海上から2mの空中に浮遊させました。


 動画の撮影を開始します。


 イルカはウォーターボールに気付き、ジャンプしてそれを割ります。

 わたしは次々とウォーターボールを作ります。イルカはそれを次々と口先や尾びれで割っていきます。


朝美 「すごーい。」

政樹 「すごいな。」


 今度は、魔法で直径1mの水のリングを作り、空中に浮遊させました。

 イルカはジャンプして、リングをくぐります。


朝美 「すごーい。」

政樹 「イルカショーみたいだな。」


 イルカは知能が高いので、遊びをするのが大好きです。


     *


 イルカはしばらくボートの周囲で遊んだあと、ジャンプしながら泳いで、いなくなりました。


政樹 「あれ? どこかに行っちゃった。」

朝美 「でも楽しかった。」

アンナ「魚の群れを見つけたので、食べに行ったみたいです。」

朝美 「そうだったのね。」

アンナ「私たちも昼食にしましょう。」

政樹 「もうそんな時間か。」

アンナ「はい。」

朝美 「時間が経つのを忘れるよね。」


 わたしはボートで湾内に向かいます。砂浜がある島を見つけたので上陸しました。

 ここで景色を見ながら昼食にしましょう。


 わたしは、天幕、椅子、テーブルなどを出して昼食の準備をします。


     *


 昼食はブラジル料理です。


ムケッカ・バイアーナ

 白身魚、エビ、イカ、トマト、玉ねぎなどを炒めてココナッツミルクで煮込みます。

 とろみがある方が日本人好みなので片栗粉を加え、最後にパセリをちらしました。


アホース・テンペラード

 玉ねぎとニンニクで作る炊き込みご飯です。調理はピラフとほぼ同じです。

 ムケッカを試食したときにご飯が合うと思い、米料理にしました。ムケッカと一緒に食べます。


マンジョッカ・フリッタ

 毒のないキャッサバを素揚げして、軽く塩をかけました。


     *


 朝美さんは料理の写真を撮っています。


 カシャ。


アンナ「いただきます。」

二人 「いただきます。」


 ぱくっ。


政樹 「うめえ。」

朝美 「美味しい。」


 わたしは料理の説明をしました。


朝美 「魚介とココナッツって相性がいいのね。それにご飯にも合う。」

アンナ「はい。わたしもそう思います。」


政樹 「このポテト、めちゃめちゃうめえ。なんだこれ?」

朝美 「ほんと。外はサクサク、中はもちもち。美味しいね。」

アンナ「キャッサバを素揚げしただけです。」

政樹 「キャッサバ?」

アンナ「日本人には馴染みのない食材ですが、タピオカの原材料です。」

朝美 「そうなの? 知らなかった。」


 キャッサバは、日本で注目されてもいい食材だと思います。 

 ちなみに、わたしの好きなポン・デ・ケージョもキャッサバ粉で作られています。


*    *    *


 昼食が終りました。


アンナ「ごちそうさまでした。」

二人 「ごちそうさまでした。」


朝美 「きれいな海を見ながら美味しい食事、よかったね。」

政樹 「うん。最高だった。」




アンナ「ありがとうございます。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ