097 新婚旅行2日目です。2
ここは飛行島のコテージです。
朝食のあと、リビングでくつろいでいます。
アンナ「行きましょうか・・・陽子さん、出かけてきます。」
陽子 「はい。いってらっしゃいませ。」
私たちはコテージから出ました。
アンナ「魔法で移動します・・・転移」
* * *
川の近くに転移しました。
水の音がします。近くに大きな滝があります。ナイアガラの滝に似ています。絶景です。
朝美 「すごーい。」
政樹 「すごいな。」
二人は写真と撮り始めました。
朝美 「虹が出てる。」
滝のしぶきで虹が出ています。
朝美 「アンナさん、写真撮って。」
アンナ「はい。」
わたしは、アイテムボックスからカメラを取り出します。
そしてネックストラップを首から下げました。一眼レフカメラです。
ツアー代金を使い、夜にお取り寄せしたものです。
アンナ「このカメラで撮影します。画像データはあとで差し上げます。」
朝美 「ありがとう。」
わたしは、滝、虹、二人をフレームに入れます。
アンナ「撮ります。」
カシャ。
スマホとはシャッター音が違います。いい音です。これで高画質の写真や動画が撮れます。
高い買い物でしたが、後悔はしていません。いい写真を撮ることもツアーガイドの勤めです。
アンナ「昨日頂いた代金で、夜に買いました。」
朝美 「そうなの?」
アンナ「新婚旅行なので、いい写真を撮りたいですよね。」
政樹 「なんか悪いな。余計な出費をさせたみたいで。」
アンナ「気にしないでください。前から欲しかったんです。」
私たちは撮影場所を何度も替えて写真や動画を撮りました。
魔法で空中に足場を作って撮影もしました。通常ならあり得ないアングルです。
今度は飛翔魔法で滝の上流に行きます。
川幅が広く、大小様々な島があります。見晴らしがいいです。
私たちは島に着地して撮影します。
カシャ。
朝美 「滝の上もきれいね。」
政樹 「川の上に立ってるみたいで、面白いな。」
私たちは手をつなぎ、水面の上を滝に向かって飛びます。そして滝壺に向かって降下しました。
朝美 「あああああ・・・」
滝壺の周囲は水しぶきで真っ白です。結界を張っているので濡れたりはしません。
私たちは水しぶきを抜けて、下流の上空に浮かんでいます。
政樹 「今のはスリルあったな。」
アンナ「次の場所に移動しようと思います。よろしいですか。」
朝美 「うん。」
政樹 「充分楽しめた。」
アンナ「それでは移動します。」
私たちは下流に向かって飛行します。
政樹 「やっぱり空を飛べるのはいいな。」
朝美 「うん。楽しい。」
しばらく飛行していると、谷を抜けて扇状地になりました。前方に恐竜の群れが見えます。
四足歩行で首の長い草食恐竜ディプロドクスです。6頭います。
わたしは恐竜の上空を旋回します。
政樹 「でけえ。」
朝美 「すごいね。」
恐竜の全長は20メートル以上、大きなものは30メートルあります。群れで草を食べています。
私たちは地上に降りました。
政樹 「下から見上げると、恐竜でけえな。」
朝美 「動物園で象を見たことあるけど、比較にならない大きさね。」
私たちは恐竜を撮影しています。
朝美 「アンナさん、写真撮って。」
アンナ「はい。」
わたしは、恐竜と二人の写真を撮ります。
カシャ。
政樹 「いいな、恐竜。ずっと見てられる。」
さすがにそう言う訳には、いきません。
アンナ「そろそろ移動します。」
朝美 「今度はどこに行くの?」
アンナ「きれいな景色と珍しい生き物がいる場所です。」
政樹 「それも楽しみだな。」
アンナ「魔法で移動します・・・転移」
* * *
海です。大小様々な島がある大きな湾です。エメラルドグリーンの海がきれいです。
政樹 「海だ。」
朝美 「きれい。」
私たちがいる場所は、陸の海岸です。
ここは海底の石灰岩が隆起したあと、浸食によって出来た地形です。
地球で言えば、ベトナムのハロン湾に似ています。
政樹 「地球なら絶対有名な観光スポットになってるよな。」
朝美 「なのに誰もいない。」
政樹 「貸し切りだよ。」
朝美 「贅沢だよね。」
わたしは二人の写真を撮ります。
カシャ。
二人は海の撮影をします。
わたしは、前回のツアー同様、魔法結界で船を作ります。
まず砂浜の上に、船底と椅子を作りました。透明だと見えないので、うすい青で着色しました。
船首の風防は透明です。
アンナ「座ってください。」
政樹 「なにこれ?」
朝美 「ボート?」
アンナ「はい。そうです。」
二人が着席したので周囲を結界で囲み、ボートの形にしました。
クルージングに出発します。