091 新婚旅行初日です。5
私たちはワウラの街から転移しました。
ここは、大陸から離れた無人島です。
アンナ「無人島の平原に転移しました。」
政樹 「おお。魔法すごいな。」
アンナ「あれを見てください。」
政樹 「なに、あの変な鳥。」
朝美 「えー、変じゃない。かわいいって言うんだよ。」
体高1メートル、ずんぐりした、白とグレーの鳥です。
アンナ「近くに行ってみましょう。」
*
朝美 「逃げないね。」
アンナ「この鳥の名前はドードーと言います。地球では、数百年前に絶滅しました。」
政樹 「なんか聞いたことある。」
朝美 「絶滅した鳥が異世界にいるんだね。」
アンナ「はい。女神様が転生させました。」
政樹 「そう言うことか。」
朝美 「生き残れて、よかったね。」
アンナ「写真撮りましょう。」
わたしは朝美さんからスマホを受け取りました。
カシャ。
朝美 「ちょっと撫でてみよう。」
なでなで・・・
朝美 「かわいい。」
政樹 「けっこうかわいいな。」
朝美 「でしょう。」
アンナ「この島には他にも変わった鳥がいますよ。」
私たちは少し離れた平原に転移しました。
* * *
アンナ「あれを見てください。」
政樹 「でけー。」
朝美 「大きいね。」
政樹 「魔物?」
アンナ「いいえ。普通の鳥です。」
政樹 「普通? あれが?」
アンナ「あれはジャイアントモアです。」
ダチョウに似た鳥です。体高は約4メートル、羽根の色はグレーです。
アンナ「あの鳥も地球では、数百年前に絶滅しました。」
政樹 「すげー、こんなのがいたんだ。」
アンナ「写真を撮りましょう。」
わたしは三人で打ち合わせをしました。」
三人 「・・・・・・・・・・」
朝美 「なるほどね。」
政樹 「了解。」
私たちは魔法で姿を消します。
アンナ「迷彩」
姿が消えました。輪郭がぼんやり見えています。ゆっくりとジャイアントモアに近づきます。
カシャ、カシャ。
二人は近づきながら写真を撮っています。
わたしは朝美さんからスマホを受け取りました。
ジャイアントモアは小さな実が付いた草を食べています。透明ですが、ばれないか緊張します。
二人がジャイアントモアの横に立ちました。
今です。
アンナ「迷彩解除」(小声)
カシャ。
アンナ「迷彩」(小声)
うまく撮れました。ジャイアントモアは大きいので
足元には気がついていません。
まだ撮れそうです。別のアングルから・・・
アンナ「迷彩解除」(小声)
カシャ。
アンナ「撤収します。」(小声)
私たちはジャイアントモアから離れました。こういうのは、スリルがあって楽しいです。
政樹 「スリル満点。」
朝美 「めっちゃ緊張したー。」
アンナ「写真を見てください。」
朝美 「うまく撮れてる。」
政樹 「やっぱりでけえな、あの鳥。」
アンナ「次行きましょう。」
私たちは魔法で転移しました。
* * *
緩やかな丘の上に転移しました。
アンナ「ここは別の島です。」
政樹 「ん? 太陽の位置が違うような・・・」
アンナ「はい。かなりの距離を移動したので。時差があります。」
政樹 「そう言うことか。」
朝美 「よく気がついたね。」
アンナ「それより、あれを見てください。」
政樹 「あれって、もしかして・・・」
アンナ「はい。恐竜です。ステゴサウルスです。」
政樹 「恐竜キター!テンションやべえ。」(小声)
朝美 「恐竜か・・・すごいね。」
体長は約8メートル、体全体はくすんだモスグリーン、背中の突起がやや赤いです。
テンションが上がる気持ち、わたしにもわかります。
アンナ「ゆっくり近づきましょう。」
政樹さんは近づきながら動画を撮っています。
朝美 「そんなに近づいて大丈夫?」
アンナ「大丈夫です。草食ですから。」
政樹さんは動画撮影しながら、恐竜の周囲を回っています。
政樹 「尻尾の刺、かっけー。」
ステゴサウルスは。まったく気にしていません。
アンナ「記念撮影しましょう。」
わたしは朝美さんからスマホを受け取りました。
カシャ・・・カシャ・・・カシャ。
恐竜と一緒に記念撮影です。いいですね。
政樹 「触ってみてえ・・・ちょっとだけ。」
政樹さんはゆっくり手を伸ばして軽く触れました。
政樹 「触っちゃったよ、恐竜。やべえ。」
朝美 「政樹楽しそう。少年みたい。」
男性はいくつになっても少年です。大目に見てあげてください。
さすがにうざいと感じたのか、ステゴサウルスは歩いてどこかに行ってしまいました。
政樹 「他にも、恐竜見たい。」
アンナ「わかりました。その前にちょっと休憩しましょう。」
わたしは、トイレや天幕などを出しました。
おやつにします。
首長竜、翼竜を除けば、恐竜初登場です。




