090 新婚旅行初日です。4
ここはワウラの街、ダノン食堂の裏口です。
アンナ「アンナです。こんにちは。」
ダノン「アンナさん、いらっしゃい。」
アンナ「予約、大丈夫ですか。」
ダノン「ああ。席は用意してある。入ってくれ。」
アンナ「はい。」
ダノン「日替わりでいいかい?」
アンナ「はい。三人分と持ち帰りを一つお願いします。」
ダノン「はいよ。」
わたしは陶器の深皿を渡しました。
裏口から中に入り、席に着きました。前回と同様、衝立があります。
政樹 「異世界の料理かあ。」
朝美 「どんな料理かな。」
料理が運ばれて来ました。私たちはお金を支払いました。ローラの分は収納します。
カレーの匂い?
ダノン「すまねえ。忙しいから戻る。後で感想を聞かせてくれ。」
アンナ「はい。」
これ、わたしが教えた料理ではありません。
アンナ「食べましょう・・・いただきます。」
二人 「いただきます。」
ぱくっ。
政樹 「うまいな。これ。」
朝美 「うん。美味しい。」
アンナ「美味しいです。」
カレー風味のスープパスタです。
ショートパスタは、わたしが教えたクスクスを発展させたものでしょうか。
カレーは猫耳亭の影響ですね。野菜や肉など、具材がたくさん入っています。
上に乗ったチーズがトロトロです。ピザからヒントを得たのでしょうか。考えましたね。
アンナ「わたし、この料理食べるの初めてです。」
政樹 「そうなんだ。」
朝美 「これ、日本人が好きな味だよね。」
政樹 「だよな。」
わたしもそう思います。
* * *
食べ終わりました。
アンナ「ごちそうさまでした。」
二人 「ごちそうさまでした。」
政樹 「朝美、スープが服に跳ねてるぞ。」
朝美 「そういう政樹だって。」
政樹 「ほんとだ。」
朝美 「でもこれ、魔法できれいにできるからね。」
政樹 「そうか。」
朝美 「クリーン・・・食器も、クリーン。」
政樹 「俺も。クリーン・・・食器も、クリーン。魔法、便利でいいな。」
わたしも、魔法で食器とテーブルをきれいにしました。
アンナ「行きましょう。外で待っていてください。」
食器は、わたしがまとめて厨房に返します。
アンナ「ごちそうさまでした。」
ダノン「味はどうだった?」
アンナ「美味しかったです。工夫しましたね。」
ダノン「よかった。教えてもらうばかりじゃだめだ。自分で考えようって、思ったんだ。」
アンナ「そうでしたか。この街の名物になるといいですね。」
ダノン「ありがとう。」
アンナ「また来ますね。」
ダノン「ああ。」
わたしは裏口から外に出ました。
私たちは街の散策を再開しました。パン屋の様子も気になります。
ルパンさんのパン屋が見えてきました。
食堂ほどではありませんが、並んでいる人がいます。また裏口に回ります。
朝美 「異世界のパン屋、気になる。」
アンナ「わかりました。友達ということにします。一緒に行きましょう。」
政樹 「俺は待ってる。大勢で行っても迷惑になるから。」
アンナ「すみません。」
朝美さんと中に入りました。
アンナ「アンナです。こんにちは。友達を連れてきました。」
ルパン「おう、アンナさん。いいところに来た。新作だ。食べてくれ。」
昼食を食べたばかりです。
アンナ「はい。いただきます。」
ぱくっ。
メロンパンに、ナッツをトッピングしたビターチョコクリームが挟んであります。
アンナ「美味しい。この緑色はピスタチオですね。」
ルパン「ああ、そうだ。」
アンナ「見た目もきれいです。」
朝美 「私も食べたい。」
わたしは、パンをちぎって朝美さんにあげました。
朝美 「美味しい。甘さ控えめのチョコクリームがいい。」
ルパン「そうなんだ。パンが甘いから、チョコは甘さ控えめにしたんだ。」
アンナ「考えましたね。このパン四つください。」
わたしは食べかけのパンを収納して、バスケットとお金を出しました。
ルパン「アンナさんからお金は受け取れねえよ。」
アンナ「お金はここに置きますから。」
ルパン「わかった。ありがとう。」
アンナ「また来ますね。」
ルパン「ああ、また来てくれ。」
わたしはメロンパンが入ったバスケットを受け取り外にでました。
アンナ「政樹さん、お待たせしました。
メロンパンを買ったので、あとでおやつに出します。」
政樹 「いいね。」
朝美 「私、少し食べちゃった。」
政樹 「ずるい。」
朝美 「 ww 」
ワウラの街は一通り見ました。移動しましょう。
アンナ「これから異世界の珍しい生き物を見に行きます。転移魔法で移動します。
いいですか・・・いきますよ。」
アンナ「転移」
私たちは魔法で転移しました。