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009 異世界ツアー初日です。7

すみません。

宿の主人の名前をザックに変更しました。

4月7日

 ここは街の中です。


 私たちは、今日泊る宿の前にいます。看板に猫のマークがあります。宿の名前は『猫耳亭』です。


令奈 「猫耳亭。 日本語に訳されてる。」

アンナ「さあ入りましょう。」


 私たちは、宿に入りました。


ノエル「いらっしゃいませ。」

アンナ「ノエルちゃん、こんにちは。」

4人 「かわいいー。」


 ノエルちゃんは、猫獣人の女の子です。猫マークのエプロンを身に付けています。

 まだ5歳なのに宿の手伝いが出来て偉いです。

 こんなかわいい子が看板娘なら、クレームを言ってくる人はいないでしょう。

 皆さん、テンション爆上がりです。触りたくてウズウズしています。


アンナ「ノエルちゃん、頭を()でてもいいですか。」

ノエル「ちょっとだけよ。」

アンナ「いいそうです。」


 なでなで・・・


令奈 「これもうたまらない。」

菜々子「来てよかった。」

美波 「尻尾もかわいい。」

秋恵 「みみ、みみ・・・」

アンナ「耳を触ってもいいですか。」

ノエル「ちょっとだけよ。」

秋恵 「みみ・・・ぴくぴく動いてるー。」


 ノエルちゃん、『ちょっとだけよ』のあとは、『あんたも好きねえ』というのが定番ですよ。

 昭和の古いバラエティ番組で見たネタです。


ザック「皆さん、いらっしゃい。」


4人 『イケメン! しかも、猫耳!』(心の声)


アンナ「この宿のご主人、ザックさんです。」


 ドドドド・・・


アンナ「お客さま困りますー。お客さまー・・・」


エマ 「いらっしゃいませ。」

アンナ「奥さんのエマさんです。」


 大事(おおごと)にならなくてよかったです。


 私たちは宿代を支払い、ノエルちゃんの案内で2階の客室に向かいます。


 二人部屋をふたつ用意しました。

 令奈さんと菜々子さん、秋恵さんと美波さんで分けました。わたしは一人部屋です。

 ノエルちゃんにチップを渡すと、笑顔で戻っていきました。

 渡したのは銅貨1枚、10円相当です。


 この部屋は、元々鎧戸でした。

 晴れている日はいいのですが、雨が吹き込む日は戸を閉めるので室内は真っ暗になります。


 そこでわたしは、ツアー客のために窓を改装しました。

 ちなみに窓はガラスではなく、雲母(キララ)です。

 『うんも』という呼び方もありますが、わたしは『キララ』の方が好きです。

 雲母は、少し離れた山で見つけました。まだ埋蔵量があります。

 これって勝手に採って売ってもいいのでしょうか。


*    *    *


 私たちは今、令奈さんの部屋に集まり、ベッドに腰掛けておしゃべりしています。


アンナ「皆さん、この宿には街で唯一のトイレがあります。

    場所は外階段を降りた裏庭にあります。」


 コンコンコン。


エマ 「エマです。」

アンナ「はい、どうぞ。」

エマ 「アンナさん、夕食は部屋で食べていただけませんか?」

アンナ「皆さん、どうしますか?」


 皆さん、つなずきます。


令奈 「いいですよ。むしろ個室みたいで落ち着きます。」

エマ 「ありがとうございます。」

アンナ「食堂が忙しいんですか?」

エマ 「はい・・・それと、香草がなくなりそうなんです。入手できませんか。」

アンナ「まだありますよ。」


 わたしはアイテムボックスから香草が入ったバスケットを取り出しました。


エマ 「ありがとうごさいます。」

アンナ「いま、スラムの人たちに香草の栽培をお願いしています。

    いずれ定期的に入手できると思います。」

エマ 「本当ですか。助かります。」

アンナ「わたしからもお願いがあります。夕食と明日の朝食を一人前多く作ってください。

    追加の料金はいま支払います。」

エマ 「はい。わかりました。」


 エマさんは料金を受け取り、戻っていきました。一人分多いのは、女神ローラの分です。


令奈 「ねえアンナさん、お願いがあるんだけど。」

アンナ「なんでしょうか。」

令奈 「ノエルちゃんの写真が撮りたいんだけど、だめかな。」

アンナ「わかりました。ちょっと聞いてみます。」


 わたしは部屋を出て、エマさんとノエルちゃんに写真の件を話しました。

 あっさりと許可がもらえました。

 わたしは、令奈さんの部屋に戻って撮影の件を話しました。



アンナ「スマホの撮影OKです。ただし、ノエルちゃんにチップを渡してください。」

4人 「やったー!」

令奈 「わかった。いくらでもチップ渡すよ。」


 夕食の準備する前に、ノエルちゃんの撮影会が行われることになりました。


ノエル「おしごといそがしいから、ちょっとだけだからね。」


 ライトの魔法で室内を明るくして撮影会が始まりました。

 

4人 「かわいいー!」


 ノエルちゃんは撮影のたびに色々なポーズをさせられています。グラビアアイドルみたいです。

 皆さん、写真をたくさん撮りました。ノエルちゃんと一緒に、集合写真も撮りました。


*    *    *


 撮影会が終わりました。


 ノエルちゃんは、皆さんから大銅貨8枚のチップ

 を受け取り、笑顔で戻っていきました。


 窓のほうを見ると、外が少し暗くなってきました。




 そろそろ夕食の時間です。

ザック 24歳 猫耳亭の主人

エマ  22歳 ザックの妻

ノエル  5歳 ザックとエマの子


*家族は皆、猫獣人です。

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