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073 マリトッツォです。

 ここは、ワウラの街です。


 わたしは商業ギルドを出て、パン屋に来ました。裏口から入ります。

 店主の名前はルパンさんです。ルパンのパン屋。覚えやすくて助かります。

 翻訳魔法を使わずに聞き取ると、「リューペン」みたいな発音です。


アンナ「ルパンさん、こんにちは。」

ルパン「アンナさん、チョコレートを売ってくれ。それと、コーヒー、ココアも頼む。」

アンナ「はい。」


 わたしは、製菓用クーベルチュールを5kg、ココア5kg、コーヒー豆10kg出しました。


アンナ「大銀貨4枚です。」

ルパン「わかった。」


 ルパンさんはお金を取りに行って、戻ってきました。わたしは代金を受け取ります。


アンナ「お店は順調ですか。」

ルパン「ああ、人を雇った。それと急ごしらえだが窯を増やした。」

アンナ「それはよかったです。今日は提案があります。」

ルパン「新作か?」

アンナ「はい。」


 わたしは、手をきれいにします。


アンナ「クリーン」


 次に、生クリームが入ったステンレス製のボウルを出しました。


アンナ「これは生クリームといいます。」


 わたしは、氷でボウルをひやしながら。砂糖を加えて泡立てました。


アンナ「クリームの固さは、用途に応じて変えてください。」

ルパン「わかった。」


 クリームの(つの)が立ちました。

 わたしは小さなパンを取り出して、ナイフで切れ目をいれます。

 そして、スプーンでクリームを詰めました。


アンナ「マリトッツォと言います。食べてください。」


 わたしは、マリトッツォをルパンさんに差し出しました。


 ぱくっ。


ルパン「うまい。」

アンナ「これにココアやチョコレートを加えると違った味のクリームを作ることもできます。」

ルパン「これもスラムで作っているのか?」

アンナ「まだ生クリームは作っていません。これから作る予定です。数日待ってください。」

ルパン「わかった。」


*    *    *


 もう夕方です。

 他にもやりたいことがあったのですが、商業ギルドで時間がかかりました。今日はもう帰ります。

 帰ってマオをもふもふして、美味しいごはんが食べたいです。


 わたしは、飛行島のコテージに転移しました。



*    *    *    *    *



 翌朝、スラムに来ました。


 ここでは、乳製品と玉子、香草を作っています。その他にソバ、野菜なども栽培しています。


 ここはもうスラムではありませんね。村と呼んだ方がいいかもしれません。

 まだ村の名前はありませんが。


 わたしは、スラムの代表者ジミーさんに声をかけます。40代前半の男性です。


アンナ「おはようございます。ジミーさん。」

ジミー「おはようございます。アンナさん。丁度よかった。

    紹介します。こちらは商会主のアキノさんです。」

アキノ「商人のアキノです。初めまして。」

アンナ「アンナです。よろしくお願いします。」


 アキノさんは30代後半の男性です。


ジミー「アキノさんは、ここの支援者なんです。」

アキノ「支援というほどではありませんよ。

    このアンナ村をここまで立派にしたのは、間違いなくアンナさんです。」


 え? 今さらっと何が言ったような・・・


アンナ「アンナ村とは、なんのことでしょうか。」

ジミー「すみません。ここの人達が皆そう呼ぶものですから・・・」


 わたし、村長には、なりませんよ。


     *


 実はこのアキノさん、以前事業に失敗して、一時期ここのスラムにいたそうです。

 その後借金を返し、資金を貯めてまた商会を始めたそうです。

 ジミーさんには、お世話になったのでスラムを支援していたそうです。


     *


アンナ「ところで、ジミーさんにまた作ってほしいものがあります。」

ジミー「わかりました。集会所で伺います。」

アキノ「私もご一緒していいですか。」

アンナ「はい。どうぞ。」


 私たちは、集会所に入りました。


 わたしは、テーブルで生クリームに砂糖を加えて泡立て、パンに挟み、マリトッツォを2つ作りました。


アンナ「食べてください。」


 ぱくっ。


ジミー「美味しい。」

アキノ「美味しいですね。」

アンナ「これは生クリームといいます。これを作ってください。」

アキノ「ジミーさん、これを売ってください。」

ジミー「わかりました。生クリームを作ります。」

アンナ「お願いします。」




 もう一つ作ってほしいものがあります。

ルパン 33歳 パン屋の主人

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