066 無料招待2日目です。13
ここは飛行島のコテージです。
夕食が終わりました。わたしは、食器類を魔法で片付けました。
アンナ「お茶いれますね。」
真美 「ちょっと待って。コーヒーがいい。」
友絵 「あたしも。」
アンナ「わかりました。」
わたしは、マキネッタでコーヒーを作ります。
アンナ「ミルク入れますか。」
真美 「はい。」
アンナ「カフェ・コン・レチェにしましょう。」
友絵 「よくわかんないけど、あたしもそれで。」
カフェ・コン・レチェとは、濃いめのコーヒーに、ミルクを同量入れて作るスペインのミルクコーヒーです。
*
友絵 「いい匂い。」
コーヒーができました。
わたしは、三つのカップにコーヒーとミルクを入れて、カフェ・コン・レチェを作りました。
アンナ「砂糖はお好みでどうぞ。」
*
友絵 「2日間あっと言う間だったね。」
真美 「はい。楽しかったです。」
友絵 「最初は驚いたよ。公園にいたのに、いきなり景色が変わって。真美は、いるし。」
真美 「やっぱり、ついて来てよかったです。」
友絵 「ほんとに、真美は勘がいいよね。」
真美 「はい。」
二人は、スマホの写真を見ながらツアーを振り返っています。
友絵 「魔法が使えたのは楽しかったね。」
真美 「はい。攻撃魔法に生活魔法。」
*
真美 「異世界の街がきれいでした。」
友絵 「朝市に行って、冒険者ギルド。」
真美 「ギルド依頼の翡翠探し、楽しかったです。」
友絵 「いいお土産できたよね。」
真美 「はい。海もきれいでした。」
友絵 「音がする海岸、魔法で作った乗り物。」
真美 「海で見た大昔の生き物。恐竜。」
友絵 「空飛ぶクジラ。生まれて初めてだよ。クジラ見たの。」
真美 「私もです。」
*
真美 「夜空の星、きれいでしたね。」
友絵 「うん。二つの月もね。」
真美 「はい。」
*
真美 「着ぐるみみたいなペンギン。」
友絵 「記念撮影、最高だったね。」
真美 「私、笑いをこらえるの必死でした。」
友絵 「あたしも。 ww 」
*
真美 「その後、青い桜でお花見。」
友絵 「きれいだったね。」
真美 「はい。それと巨木の森。」
友絵 「あれはすごかった。」
真美 「面白い写真、いっぱい撮れましたよね。」
二人 「 ww 」
二人は森で撮った写真を見せ合っています。
*
友絵 「森の中や海の上を鳥のように飛んだよね。」
真美 「はい。楽しかった。」
友絵 「飛行島の冒険も楽しかったね。」
真美 「庭園の花がきれいでした。」
*
真美 「それから、あの不思議でかわいい羊。」
友絵 「まさか、あの羊が地球にいるとは思わなかった。」
真美 「ですよね。」
*
友絵 「三人で力をあわせたダンジョンでの冒険。」
真美 「ドラゴン倒せて、ほっとしました。」
友絵 「あの黒い箱、気になるよね。」
真美 「はい。」
友絵 「アンナさん、箱の中身わかったら、教えてね。」
アンナ「はい。もちろんです。」
*
友絵 「料理が毎回美味しかった。」
真美 「おやつも美味しかったです。」
アンナ「ありがとうございます。」
真美 「料理の写真もたくさん撮りました。」
友絵 「まだアンナさんの写真撮ってない。」
真美 「マオちゃんも。」
アンナ「わたしの写真は勘弁してください。」
真美 「何か訳ありね。」
わたしは、頭からミニハットを外しました。
二人は、その写真を撮りました。
真美 「あとはマオちゃんね。」
二人は、リビングにいるマオの写真を撮りに行きました。
真美 「アンナさん、写真撮って。」
アンナ「はい。」
カシャ。
友絵 「アンナさん、マオちゃんを保護してくれてありがとう。
また会いに来るからね。マオちゃん。」
二人は、指先でマオを撫でています。
友絵 「ねえ、ツアーの料金って、いくらなの?」
アンナ「2泊3日で12万円です。」
真美 「安い。今は大金さえ払えば宇宙旅行ができる時代よ。
異世界ツアーの内容を知った上で、チケットをオークションにかければ
落札が億単位になるはずよ。」
友絵 「それくらいの価値はあるね。」
アンナ「そんな大金を手にしても、使い道がありません。」
真美 「それもそうね。」
友絵 「ところで、いま日本は何時?」
アンナ「夜の9時を過ぎました。」
友絵 「あたし、明日は早番だから、もう帰るよ。」
アンナ「はい。」
*
アンナ「それではアイテムボックスから私物を出してください。魔道具を回収します。」
二人は、バッグなどの私物を出しました。
アンナ「ギルドカードとお金は、次回も使えますから、お持ち帰りください。」
わたしは腕輪型魔道具を回収しました。
*
アンナ「最後に、鑑定魔法で検疫をします。」
アンナ「クリーン・・・鑑定」
アンナ「検疫終了しました。問題ありません。」
* * *
私たちはコテージから外に出ました。
友絵 「このきれいな夜空もしばらく見納めだね。」
真美 「そうですね。」
*
アンナ「これ、お土産です。」
わたしは、二人に一つずつ箱を渡しました。
アンナ「わたしの手作りチョコレートです。」
真美 「ありがとう。」
友絵 「食べるの楽しみ。」
アンナ「それでは、日本に送ります。」
友絵 「またね。」
真美 「お手紙ちょうだいね。」
アンナ「はい。またお会いしましょう。」
アンナ「送還」
二人は笑顔で帰っていきました。
異世界ツアー無料招待は、無事に終了しました。
* * * * *
『転移』
わたしは二人を送還した後に、ダンジョン内のドラゴンを倒した場所に転移しました。
わたしは腰を降ろして、黒い箱に魔力を注入します。
黒い箱が虹色に輝き出しました。そして光と共に結界が消滅しました。
中には、少女が入っています。
三つ編みの黒髪で、日本人のような顔立ちです。
年は13歳くらいでしょうか。クラシックなメイド服を着ています。
少女が目を開けて、起き上がりました。
少女 「おかえりなさいませ、安奈様。お久しぶりでございます。」
え?
???
無料招待編が終了しました。