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058 無料招待2日目です。5

 ここは、巨木の森です。


 最大の巨木を目指して飛行していましたが、わたしは寄り道をして、着地しました。


アンナ「あれを見てください。」

友絵 「あれって、あの途中で折れた木のこと?」

真美 「変な形ね。」

アンナ「よく見てください。」


友絵 「ん? 動いた?」

真美 「歩いた。」

友絵 「巨人?」

アンナ「森の魔物、トロールです。」


 トロールは、高さ18mです。全身が赤茶色の体毛で覆われています。

 顔は鼻だけが少しだけ見えていますが、目と耳と口はほとんど見えません。


友絵 「木と同じ色だから、折れた枯れ木だと思ったよ。」

真美 「私も。」


 私たちは、トロールを真横から見ていました。


アンナ「もう少し近づきましょう。」

友絵 「大丈夫?」

アンナ「はい。巨人が人を食べるのはアニメの話です。」


 トロールはゆっくり歩いたり、立ち止まったりを繰り返しています。理由はわかりません。

 二人はトロールの後方から写真を撮っています。


アンナ「今度立ち止まったら、一緒に写真を撮りましょう。スマホを貸してください。」

友絵 「わかった。」


 わたしは、友絵さんからスマホを借りました。

 そして、トロールの正面から離れて、シャッターチャンスを待ちます。


 トロールが立ち止まりました。わたしは手で合図を出します。二人はトロールの横に並びました。


カシャ。


 わたしは、また手で合図を出しました。二人は、すぐにトロールから離れます。


 わたしは、二人のところに戻り、友絵さんにスマホを返しました。二人は写真を見ています。


友絵 「まるで現実感がないね。」

真美 「 ww 」

友絵 「着ぐるみを着た人とフィギュアの写真だよ。」

真美 「 wwww 」


友絵 「あたしたち、小人(こびと)になった訳じゃないんだよね。」

アンナ「はい。大丈夫です。小人には、なっていません。」


*    *    *


真美 「さっきみたいに、木の上からトロールを撮影できないかしら。」

友絵 「それいい。」

アンナ「わかりました。」


 二人は、わたしの手を握りました。

 わたしは、トロールに向かって飛行します。そして適当な巨木の枝に降りました。


 二人はトロールの写真を撮ります。


 撮影する巨木の枝を何度か代えました。


アンナ「いい写真撮れましたか?」

友絵 「うん。もう充分だよ。」

アンナ「それでは移動しますが、よろしいですか。」

二人 「はい。」


 二人は、わたしの手を握りました。

 わたしは、巨木の枝から飛び立ちます。

 そして、トロールの周囲をドローンのように旋回飛行しました。

 トロールは、私たちのことを気にしていません。


友絵 「すごい。」


 まるでアニメのワンシーンのようです。


 わたしは旋回飛行を二周して、トロールから離れました。


 次の目的地に向かいます。


*    *    *


 わたしは、この森最大の巨木を目指して森の中を飛行しています。


アンナ「見えてきました。」

真美 「大きい。」

友絵 「すごい。」


 わたしは、着地せずに最大巨木の周囲を旋回します。そして螺旋を描くように上昇しました。


 枝葉を抜けて、視界が開けました。


アンナ「ここが最大巨木の天辺です。高さは、170 mあります。」


友絵 「すごーい。」

真美 「言葉がでない。」

友絵 「高さもすごいけど・・・コレ全部が巨木の森?」

アンナ「はい。端から端まで100kmくらいあります。」


 わたしは、ゆっくり降下して着地しました。


友絵 「この木、周囲の木よりも一際大きいね。」

アンナ「はい。幹の直径は、15 mあります。」


 二人は、最大巨木の写真を撮っています。


友絵 「いい写真のはずなんだけど、なんか変。」

真美 「巨大さが伝わらないですよね。」


友絵 「アンナさん、写真撮って。」

アンナ「はい。」

友絵 「今度は、上から見下ろすように撮ってほしいんだけど。」

アンナ「わかりました。」


 わたしは、友絵さんからスマホを受け取り魔法で飛翔しました。


アンナ「撮りまーす。」


 カシャ。


 わたしは降りて、友絵さんにスマホを返しました。

 二人は今撮った写真を見ています。


友絵 「完璧。絶対、人に見えない。ありえないアングル。ありえない木の大きさ。

    もう、フィギュアにしか見えない。」

真美 「トリック写真みたい。 ww 」


 わたしも、その写真を見ました。撮影したわたしが言うのも変ですが、面白い写真です。


マオ 「ミュー、ミュー・・・」


アンナ「すみません。休憩にしませんか。マオがミルクを欲しがっています。」

友絵 「休憩にしよ。」

真美 「はい。」


 わたしは、その場にレジャーシートと毛布を出して、腰を下ろしました。

 そしてマオにミルクをあげます。


 二人は靴を脱いで、毛布を上に座り、マオのことを見ています。


真美 「かわいい。」

友絵 「いい人に拾ってもらって、よかったね。マオちゃん。」




 マオのミルクが終ったら、お茶にしましょう。

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