表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/243

005 異世界ツアー初日です。3

 ここは街の外壁から出た、小さな丘の上です。


 わたしは、天幕・テーブル・椅子をアイテムボックスに片付けました。


アンナ「これから魔法で移動します。よろしいですか・・・いきますよ。」


 わたしは千里眼で転移先を確認して・・・


アンナ「転移」


*    *    *


 周りに人家がない、広い荒野に転移しました。


 わたしは魔法を使いながら、腕輪型魔道具の説明をしました。

 

 使用できる魔法は、翻訳魔法、鑑定魔法、収納魔法アイテムボックス

 いわゆる異世界三大特典です。


 それ以外に、攻撃魔法、防御魔法、生活魔法が使えます。


*攻撃魔法(ファイヤーボール、アイスジャベリン)

*防御魔法(常時発動)

*生活魔法(クリーン、ライト、ウォーター他)

*鑑定魔法(人や物を鑑定できる)


アンナ「皆さんのアイテムボックスの中に、食器とロールペーパーが入っています。

    試しにコップを出してみてください。」


令奈 「コップが出た。」

秋恵 「すごい。」

アンナ「次に、そのコップに生活魔法ウォーターで水を注ぎ、飲み終わったら、クリーン。

    最後にコップを収納。やってみてください。」


 皆さん魔法を試しています。目がキラキラしています。


秋恵 「本当に魔法が使える。すごい。」

菜々子「魔法が使えただけでも、異世界ツアーに参加した甲斐があったよね。」

美波 「私、バッグを収納しよう。」


 それぞれ皆さん、生活魔法とアイテムボックスを堪能しています。

 派手な魔法ではありませんが、最初は感動するものです。


 その間にわたしは、天幕・テーブル・椅子を出して、休憩スペースを用意します。

 仮設トイレは少し離れた風下に設置します。そのあと攻撃魔法を練習するための準備もしました。



アンナ「あちらに4つの的を用意しました。攻撃魔法の説明をします。こちらに来てください。」


 皆さん集まったので、わたしは的に手を向けます。


アンナ「手の前に火の球が生成して、飛んで行くイメージです・・・ファイヤーボール。」


 火の球が直撃しました。的が派手に壊れます。


4人 「すごーい。」


 的は土魔法で作った素焼きのようなものです。派手に壊れますが、そのあと何度も再生する魔道具です。


 続いて・・・


アンナ「手の先に氷の槍先が生成、それを投擲するイメージです・・・アイスジャベリン。」


 直撃です。的が壊れますが、再生します。


4人 「かっこいい」


アンナ「皆さん、やってみてください。

    ちなみに魔法名は言葉で言わなくても、頭の中で念じれば魔法は発動します。」


 皆さん、的に向かって魔法を撃ち込みます。いい顔しています。


アンナ「皆さん、よければスマホで写真を撮りますよ。」

4人 「撮ってー。」


 わたしは、スマホで写真を撮り続けました。

 皆さん、かっこいいです。これは中二病ではなく、本物の魔法です。


令奈 「ちょっとー・・・それ、あたしの的。」

菜々子「ごめん、ごめん。」

令奈 「絶対わざとやったでしょう?お返しー。」

菜々子「あ〜。」

秋恵 「楽しい・・・テンションやばい。」

美波 「みんな子供みたいだよ。私もだけど。」


*    *    *


 10分後。


アンナ「そろそろ終わりにします。」

令奈 「えっ、もう終わり?」

アンナ「明日も魔法を使う時間はあります。

    次に用意する的を皆さんで破壊できたら、終わりにしましょう。」


 わたしは、的を作る魔道具を回収して、代わりに大きな的をひとつ用意します。高さ5メートルあります。

 特撮怪獣の形です。先ほどの的と同様、素焼きのようなものです。中は空洞になってます。


アンナ「先ほどの的より厚く作ってあります。

    魔法が当たっても、ひびが入るか、穴が開く程度です。皆さん頑張ってください。」


 魔法攻撃が開始されます・・・そして、2分後。


 ピシッ・・・ピシッ、ピシッ・・・傾く怪獣

 ガッシャーン。


4人 「やった!」

菜々子「なにこの達成感。」

令奈 「ものすごい爽快感。」

秋恵 「異世界、サイコー!」

美波 「楽しかった。」


アンナ「皆さん、喉乾いていませんか。あちらの天幕に冷たいお茶を用意しました。

    休憩にしましょう。」


 お茶を飲みながら、おしゃべりが続きます。


*    *    *


アンナ「そろそろ街に向かいますが、その前にお小遣いを差し上げます。」

秋恵 「本当に?」


 わたしは、皆さんに小さな巾着袋を配ります。


アンナ「中に銀貨10枚、大銅貨10枚が入っています。

    あくまで目安ですが、銀貨は1000円、大銅貨は100円位です。」


菜々子「ということは、11000円」

アンナ「基本的に街での支払いは皆さんにして頂くことになります。

    お金を使うことも異世界での体験です。」

令奈 「それもそうね。」

アンナ「お金はあまり残らないと思います。もしお金が足りない人は申し出てください。

    先ほどのレートで両替します。」

4人 「はい。」


 わたしは、天幕などをアイテムボックスに片付け始めます。あ、トイレ・・・


アンナ「皆さん、街に行く前にトイレに行っておいてください。街にはトイレがありません。」

4人 「えっ。」

秋恵 「どういうこと?」

アンナ「中世のヨーロッパと同じで、常設のトイレはありません。

    このトイレはわたしが作りました。」

菜々子「街の人はどうしてるの?」

アンナ「空き地でするか、屋内にある壷のようなオマルにして、外に捨てています。」

美波 「信じられない。」

アンナ「皆さん現実を受け入れてください。

    順番にどうぞ。手は生活魔法できれいにしてください。」


* * * トイレタイム * * *


 ちなみに、このトイレは日本の山小屋にあるバイオトイレと同じものです。


 皆さん、トイレが終わりました。


アンナ「それでは、転移魔法で街に向かいます。よろしいですか・・・いきますよ。」


 わたしは千里眼で転移先を確認して・・・


アンナ「転移」


*    *    *


 街の外壁が見える街道に転移しました。


4人 「おー。」

令奈 「異世界の街。」




 街の中に入ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ