048 無料招待初日です。3
ここは、ワウラの街の冒険者ギルドです。
私たちは今、依頼掲示板の前にいます。
友絵 「色々あるね。」
真美 「そうですね。」
アンナ「やってみたい依頼はありますか。」
友絵 「んん・・・」
真美 「どれも大変そう。」
アンナ「それでは、私が選びます。」
わたしは依頼書を指さしました。
アンナ「これにします。」
真美 「翡翠の採取。」
友絵 「大丈夫? 翡翠って宝石だよね。」
アンナ「心当たりがあります。」
真美 「アンナさんがそう言うなら大丈夫そうね。」
友絵 「宝探しみたいで、面白いかも。」
アンナ「友絵さん、依頼書をはがしてカウンターに持って行きましょう。」
友絵 「うん。」
友絵さんが依頼書をはがしました。三人でカウンターに向かいます。
友絵 「これをお願いします。」
ヒルダ「はい・・・本当に大丈夫ですか。」
アンナ「はい。」
ヒルダ「宝石や貴金属の採取場所は、ほとんど情報がありません。
この依頼もダメ元で出された依頼のようです。」
ヒルダ「今回、未達成でもペナルティはありません。」
アンナ「はい。やってみようと思います。」
ヒルダ「わかりました。それではギルドカードの提出をお願いします。」
私たちはギルドカードを提出しました。
ヒルダ「依頼達成の条件を説明します。」
ヒルダ「翡翠は、出来れば二つお願いします。一つでも納品可能です。
色は鮮やかな緑色。または模様が美しいもの。
大きさは20ミリメートル以上です。」
アンナ「わかりました。」
私たちはギルドカードと依頼番号の木札を受け取りました。
ヒルダ「皆さん、頑張ってください。」
三人 「はい。」
* * *
私たちは、ギルドを出た後、魔法で海岸に転移しました。
ここは砂浜ではなく、小石が多い礫浜です。近くに河口があり、三角州になっています。
真美 「きれいな海。」
友絵 「何度体験してもすごいね、転移魔法。」
わたしは丘の上にコテージを出しました。
私たちはコテージに入りました。二人はダイニングから外を眺めています。
友絵 「青い海と青い空。」
真美 「ここからの眺め、最高ね。」
アンナ「昼食の準備をします。」
* * *
昼食は、ニューヨークの料理です。
チキンオーバーライスとブロススープです。
チキンオーバーライスとブロススープは、数年前
からニューヨークで話題になっているそうです。
日本では、コロナ禍の影響もあり、まだ有名では
ありません。味付けはわたしのオリジナルです。
チキンオーバーライス
うすく味を付けたターメリックライスを皿にのせます。
特製ソースで炒めた鳥肉を、ライスの上にのせます。
ライスの横にサラダを盛りつけます。
最後に、ヨーグルトを使ったホワイトソースをかけて完成です。ワンプレートランチです。
ブロススープ
骨や野菜から出汁をとったスープです。
今回は、牛の骨、野菜、香草、調味料でスープを作りました。
* * *
アンナ「食事にしましょう。」
友絵 「もう出来たの?」
アンナ「昨日作って、今アイテムボックスから出しました。」
真美 「魔法って便利ね。」
私たちはダイニングの席に着きました。
アンナ「チキンオーバーライスとブロススープです。」
アンナ「いただきます。」
二人 「いただきます。」
真美 「料理の写真撮ってもいいかしら。」
アンナ「はい。どうぞ。」
カシャ。
ぱくぱく・・・
友絵 「美味しい。」
真美 「美味しい。」
アンナ「ありがとうございます。」
真美 「チキンオーバーライス、名前は知っていたけど、食べるのは初めて。
このヨーグルトソース美味しい。」
友絵 「スープも美味しい。」
真美 「このスープ、作るのに時間かかったでしょう?」
アンナ「練金魔法を使って、短時間で作りました。」
友絵 「魔法で料理作るの? すごい。」
* * *
昼食が終わりました。
アンナ「ごちそうさまでした。」
二人 「ごちそうさまでした。」
食器を片付けた後、わたしはリビングで、マオにミルクを上げました。
その様子を、二人はニコニコしながら見ていました。
これから翡翠探しに行きます。