046 無料招待初日です。1
ここは森と湖が見える台地、コテージの前です。
アンナ「ようこそ、異世界へ。
わたしは異世界ツアーガイドのアンナと申します。」
友絵 「え?、あなたがアンナさん?」
アンナ「はいそうです。いつもお世話になっております。」
友絵 「その前に、なんで真美がいるの?」
真美 「ついて来ちゃった。」
友絵 「ついて来るなって言ったのに。」
真美 「絶対、面白いことになると思ったから。」
友絵 「もう。」
真美 「やっぱり、面白いことになった。」
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プロフィール
友絵 100円コンビニ店員。24歳、フリーター
真美 100円コンビニ店員、20歳、大学生
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アンナ「異世界ツアー1泊2日の旅に、お二人を招待します。」
友絵 「ここ本当に異世界なの?」
アンナ「はいそうです。」
真美 「面白そう。」
アンナ「これから検疫を行います。」
友絵 「けんえき?」
アンナ「はい。病原体のチェックです。
最初に魔法で体の表面をきれいにします。友絵さんからです。」
アンナ「クリーン」
友絵 「ちょっと、くすぐったかった。」
真美 「今の魔法?」
アンナ「はい。すみません。お化粧も落ちてしまいました。
あとで、お化粧をしてください。」
友絵 「はあ。」
アンナ「それでは、魔法で診察します。」
アンナ「鑑定」
アンナ「平熱、健康、病原体なし、異常ありません。」
友絵 「はあ。」
次に真美さんも、クリーンと鑑定をしました。
異常ありません。
アンナ「マスクを外しても、いいですよ。」
真美 「外でマスク外すの、久しぶり。」
アンナ「まずは、家の中に入ってください。」
わたしは、二人をコテージに案内しました。
友絵 「広いね。家というより、ホテルだね。」
アンナ「ルームシューズを使ってください。」
アンナ「トイレは、こちらです。」
わたしは、二人をリビングに案内しました。
子猫 「ミュー、ミュー・・・」
アンナ「今ミルクあげますからね。」
わたしは、子猫にミルクを飲ませます。
友絵 「その猫・・・」
アンナ「この猫を知っていますか。」
友絵 「店の裏口にいた子猫に似てる。」
アンナ「はい。その子猫です。親猫を見ましたか。」
友絵 「見てない。昨日の朝その子を見つけて、昼休みには、いなくなってた。」
真美 「この猫が、昨日話していた猫ね。」
アンナ「それでは、友絵さんも詳細は知らない訳ですね。」
友絵 「うん。知らない。でも無事でよかった。」
アンナ「魔法で発見して、魔法で保護出来ました。」
友絵 「子猫触ってもいい?」
アンナ「はい。どうぞ。」
真美 「かわいい。」
* * *
子猫のミルクが終わりました。
私たちも朝食にします。フランスの料理です。
アンナ「クロック・ムッシュとカフェオレです。」
クロック・ムッシュは、ハムとチーズをのせたオープンサンドです。
カフェオレは、アイテムボックスからドリップコーヒーとホットミルクを出して、その場で作りました。
真美 「これ、アンナさんが作ったの?」
アンナ「はいそうです。」
友絵 「すごいなあ。」
アンナ「さあ食べましょう・・・いただきます。」
二人 「いただきます。」
ぱくっ。
真美 「美味しい。」
友絵 「美味しい。」
真美 「これ、モルネーソース?」
アンナ「はい。そうです・・・詳しいですね。」
モルネーソースとは、ベシャメルとブイヨンで作ったソースです。
クロック・ムッシュにかけてあります。
友絵 「真美はお嬢様だから、こういうの詳しいんだよ。あたしにはさっぱり。
美味しいのは、わかるけど。」
真美 「私、このソース好き。」
友絵 「真美は、道楽でコンビニのバイトをやってるんだよ。」
真美 「いいえ。社会勉強のためです。」
二人は食事をしながら、色々と話をしてくれました。
* * *
朝食が終わりました。
三人 「ごちそうさまでした。」
わたしは食後、二人に色々と説明しました。
事情があって、お店には買いに行けないこと。お取り寄せと送金は、魔法を使うこと。
千里眼のこと。名前はタイムカード見て知ったこと。
今は1万円札しかなく、お釣りがほしいことなど。
友絵 「なるほど、そういうことね。」
アンナ「お釣りのこと、よろしくお願いします。」
友絵 「うん・・・幽霊事件の真相がわかってホッとした。」
アンナ「お騒がせしました。」
友絵 「次回からはお釣りを渡すね。真美もそうして。」
真美 「はい。」
アンナ「ありがとうございます。」
真美 「次からは、私も不思議体験できる。楽しみ。」
アンナ「よろしくお願いします。」
友絵 「アンナさんは、いい人だよね。」
アンナ「はい?」
友絵 「子猫を保護したり、商品を盗めるのにお金払ったり。」
アンナ「当然のことですよ。」
お取り寄せする際に、お釣りがもらえるようになりました。
子猫はこのまま、わたしが飼うことになりそうです。
無料招待編始まりました。