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043 使徒です。3

 ここは、グンマー帝国、リューキの街の教会です。


 わたしは、教会の裏庭でチョコレート作りをソフィさんに指導しています。

 クララさんは筆記用具で記録を取っています。


アンナ「次の作業、精錬は人力で行うのが困難です。

    長時間、原材料を練り続ける必要があります。」

ソフィ「時間は、どれくらいですか?」

アンナ「最低でも、朝から晩までです。」

ソフィ「そんなにですか。」

アンナ「はい。それでも不十分だと思います。」


アンナ「これから精錬をします。」

ソフィ「はい。」


 わたしは、原材料をボウルに入れて、魔法で少しだけ精錬しました。

 少しだけ原材料をすくって、型に入れて、魔法で冷やしました。

 それを皿に移し、その横に昨日作ったチョコレートを並べました。


アンナ「この二つを鑑定してください。」

ソフィ「はい。鑑定」


ソフィ「粒子の大きさが違います。」

アンナ「食べてみてください。」

ソフィ「はい。」


 ぱくっ。


ソフィ「ザラザラして、舌触りが悪いです。」

アンナ「精錬が不十分だとこうなります。」


 わたしは、魔法で原材料を充分に精錬しました。


*    *    *


アンナ「次は、テンパリングという温度調整をします。」

ソフィ「はい。」


 わたしは、魔法で結界を張って。結界内の温度を25度にしました。


ソフィ「涼しいです。」

アンナ「本来、テンパリングは、これくらいの室温で作業します。」

ソフィ「はい。」


 わたしは、テンパリングしていないチョコレートを1個作りました。

 それをソフィさんに食べてもらいました。


ソフィ「表面がざらっとしていて、口溶けが悪いです。」

アンナ「テンパリングに失敗するとこうなります。」

 

 わたしは、原材料のテンパリングを行いました。


 そのあと型に流し込み、魔法で冷却と熟成をしました。


 最後に、型から取り出して、皿にのせました。


アンナ「食べてみてください。クララさんもどうぞ。」


 ぱくっ。


ソフィ「美味しいです。」

クララ「美味しいです。」


*    *    *


ソフィ「今までカカオの種は捨てていましたが、これからはチョコレート作りに活用します。」

アンナ「はい。お願いします。」



*    *    *    *    *



 その後、ソフィさんだけでチョコレートを作りました。


 本人と努力と神器の魔法で、チョコレートは完成しました。


ソフィ「できました。アンナ様ありがとうございました。」

アンナ「はい。それでは、礼拝堂に行きましょう。」

二人 「?」


 私たちは、チョコレートを持って礼拝堂に向かいました。


 礼拝堂にはたくさんの人がいました。注目されています。


 私たちは、女神像の前に来ました。


アンナ「女神様、ソフィがチョコレートを作りました。」


アンナ「召し上がってください。」


 わたしは、チョコレートの皿を掲げました。


 すると、女神像が光り輝きました。


 チョコレートが消えます。


女神 「美味です。ソフィ、ご苦労でした。」

ソフィ「ありがとうございます。」(泣)


女神 「ところで、(よこしま)な者よ、聞いておるか。」


女神 「チョコレート及びその製法を、独占または悪用する者には神罰を下す故、覚悟せよ。」


女神 「地位のある者はチョコレートの普及に協力せよ・・・よいな。」


 女神像から光が消えました。


*    *    *


 その後、教会にいた人達に、チョコレートを配りました。

 人数が多いので一人一個です。皆さん、チョコレートを絶賛していました。


*    *    *


アンナ「ソフィさん、わたしは帰ります。」

ソフィ「私はまだ何もお礼ができていません。」

アンナ「女神様が喜んでいました。それで充分です。」


アンナ「道具類は置いていきます。自由に使ってください。」

ソフィ「アンナ様、またこの教会に来てください。」

アンナ「はい。そのつもりです。またお会いしましょう。」


 わたしは、魔法で街の入口付近に転移しました。


 今日、街に雨は降りませんでしたが、近くで雨が降ったのでしょうか。


 空に大きな虹が出ていました。




 わたしは歩いてリューキの街を出ました。

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