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003 異世界ツアー初日です。1

*話は数日前にさかのぼります。


 わたしは宿の室内でスマホを見ています。

 魔法でデジタル信号を召喚できるので、異世界でもスマホが使えます。


 随分前から使っていなかったSNSのアカウントが、まだ使えるようです。

 サイトに異世界で撮影した画像を貼付けて、ツアー客の募集を始めていました。


 冷やかしの人がかなり多いです。

 それと、いわゆる『釣り』だと思っている人も多いです。


 異世界ツアー最初の客は、なるべく無難な人にしましょう。

 やはり個人参加よりもグループ参加のほうが無難ですね。

 それから、男性よりも女性のほうがトラブルを起こしにくいと思います。


 そうなると・・・この女性4人組がよさそうですね。



*    *    *    *    *



 一方、日本では4人の女性がネット上でチャットをしていました。

 大学を卒業して1年が経ち、同窓会を兼ねた旅行をどうするのか、話し合っていました。



* * * * * * * * * * * *


4人の女性プロフィール


令奈(れいな)  23歳、フリーター、みんなのまとめ役、合気道初段


菜々子(ななこ) 23歳、警察官、真面目な性格、合気道初段(令奈と同じ道場)


美波(みなみ)  23歳、商社勤務、写真撮影が好き


秋恵(あきえ)  23歳、販売員、ムードメーカー


* * * * * * * * * * * *



令奈 「ネットで面白いもの見つけたよ。」


   『異世界ツアー 2泊3日の旅 お一人様12万円』


菜々子「なにこれ?」

秋恵 「異世界は草ww」

美波 「異世界ってどこ?国内?海外?」

令奈 「今度のプチ同窓会の旅行、これにしようよ。」

秋恵 「マジで?めっちゃ怪しい。」

菜々子「大丈夫かな?」

令奈 「もし詐欺だったら、みんなでコイツを捕まえよう。警察官もいるし。」

秋恵 「異世界というキーワードがワクテカすぎる。」

菜々子「異世界旅行が出来る。もし詐欺だったらみんなで捕まえる。」

美波 「どちらにしても、おもしろそう。」

令奈 「じゃあ決まりね。」



*    *    *    *    *



 その後、ツアー客の代表者とネットでやり取りをして、話を詰めていきました。



*    *    *    *    *



 異世界ツアー当日になりました。

 現在、日本時間で午前5時55分です。


 ツアー客の女性4人は、東京の日比谷公園に集合していました。


令奈 「もう一度確認するよ。特に問題がなければ、相手の指示に従う。

    もし相手がこの場で襲って来たら、あたしと菜々子で戦う。」

秋恵 「二人だけで、大丈夫?」

菜々子「平気。」

令奈 「秋恵はこのライトを使って、相手の顔に光りを当てて牽制する。

    美波は、あそこの交番に行って助けを求める。いい?」

秋恵 「わかった。」

美波 「OK。」


秋恵 「もうすぐ6時。近づいて来る人いないね。」

菜々子「みんな、周囲を警戒して。」


美波 「6時になったよ。」


 次の瞬間・・・


アンナ「ようこそ、異世界へ。

    わたしは、異世界ツアーガイドのアンナと申します。皆様を異世界へご案内します。」


4人 「えーー!」


 ここは街の外壁から出た、小さな丘の上です。ツアー客4人は、全員マスクを着用しています。

 地球では現在、新型ウイルスが流行しています。


菜々子「どこ?日比谷公園・・・じゃないよね。」

秋恵 「どうなったの?」

美波 「これって、夢?」

令奈 「本当にここ異世界なの?」


アンナ「そうですよ。あちらをご覧ください。あの高い外壁の街、日本には無いですよね。」

令奈 「あれは・・・大きな絵とか、撮影用セットとか。」

アンナ「では、あれは何でしょうか?」

令奈 「?」

菜々子「何あれ?」

秋恵 「小さいおじさん?」

美波 「緑色?」


アンナ「ゴブリンです。」


秋恵 「やだ。こっち来る。」


 2体のゴブリンが近づいて来ます。


秋恵 「きゃあー。」

美波 「きゃあー。」

令奈 「・・・・・」

菜々子「・・・・・」


アンナ「大丈夫です。結界が張ってあります。」


 わたしは飛翔魔法で空中に浮かび上がりました。

 結界の外に出てゴブリンを上から見下ろしています。

 討伐してもいいのですが、皆さんドン引きしそうです。それなら・・・


アンナ「ファイヤーボール」


 二つの火の球がゴブリンに命中します。火の球は着弾と同時に消滅しました。


令奈 「魔法?」


 2体のゴブリンは逃げて行きました。わたしは地上に降ります。


アンナ「外壁のある街、ゴブリン、魔法・・・

    ここが異世界だと信じていただけましたか?」


4人 「・・・・・・・・」




 異世界ツアーが始まりました。

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