表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
243/243

243 秋です 9

 ここは飛行島、コテージの前です。


 わたしは、ローラ、陽子さんと一緒に陶芸工房を見て、温泉に入り、帰ってきました。


アンナ「お疲れ様でした。中に入りましょう」


 私たちはコテージに入り、ダイニングに向かいます。


アンナ「マオもお疲れ様」


 わたしはマオを床に降ろしました。


アンナ「夕食の準備をします」

ローラ「昼間の親子丼が食べたいわ」

アンナ「親子丼ですか・・・」


アンナ「洋風ではなく、日本の親子丼はどうですか?」

ローラ「いいわね」

アンナ「陽子さんは日本の親子丼を知っていますか?」

陽子 「いいえ、知りません」


 前世のわたしが知らない料理ですね。

 明治の終わり頃か、大正時代にはあったはずですが、普及したのは戦後でしょうか。


アンナ「これから親子丼を作ります。

    陽子さんも調理を覚えてください」

陽子 「はい」


 わたしは陽子さんとキッチンに入ります。ローラもついてきました。

 丼鍋(どんなべ)は持っていないので、スキレットで調理します。


     *


親子丼の作り方

 スキレットに出汁(だし)、醤油、調味料、鳥肉、玉ネギを入れて加熱します。

 今回はキノコも入れます。ある程度加熱したら、火を止めて水溶き片栗粉を入れます。

 わたしはとろみがある方が好きです。ごはんがべちゃっとしません。

 次に溶き卵と三つ葉を入れて(ふた)をします。

 卵が半熟になるまで加熱すれば完成です。

 ちなみに卵は、ファームで採れた無菌のものです。生食でも平気です。


     *


 調理しているとマオがわたしの足元に来ました。鳥肉が食べたいのかもしれません。

 わたしはマオのために、出汁と鳥肉で卵とじを作ります。


 完成しました。


 夕食は親子丼以外に、アイテムボックスから豚汁とカボチャのコロッケを出します。

 マオのごはんは、鳥肉の卵とじです。


 ダイニングのテーブルに夕食の準備が出来ました。


三人 「いただきます」


 パクパク・・・


ローラ「これが日本の親子丼ね。美味しいわ」

陽子 「親子丼、美味しい、記録しました」

ローラ「マオちゃんも美味しそうに食べているわ」


 マオは普段キャットフードを食べています。

 鑑定魔法でマオの健康状態をみながら、時々私たちと同じものをあげるのもいいかもしれません。


ローラ「いま豚汁に入れたのは何かしら?」

アンナ「七味(ななみ)唐辛子です。好みで少し入れると美味しいですよ」


 ローラは豚汁に七味唐辛子を入れました。


ローラ「美味しい。

    みそと唐辛子が合うのは知らなかったわ」


 今回の豚汁は具沢山(ぐだくさん)なので、食べ応えがあります。

 七味唐辛子はネットで材料を調べて自作しました。


ローラ「カボチャのコロッケは初めて食べたわ。

    衣はさっくり、中ほホクホク、甘くて美味しいわね」

アンナ「カボチャは野菜ですが、パイやプディングなどの

    レシピがあります。今度お菓子を作りますね」

ローラ「楽しみね」


     *


 食事が終わったので、陽子さんが日本茶を()れてくれました。

 わたしはデザートを出します。焼き芋のアイスクリーム添えです。


ローラ「氷屋で話していたのは、これね」

アンナ「はい」


 ぱくっ。


ローラ「美味しいー、熱いのと冷たいの、一緒に食べる発想が面白いわ」

アンナ「はい、それにサツマイモと乳製品は相性がいいです。

    今度、サツマイモ入りのアイスクリームを作ってみます」

ローラ「それも美味しそうね」


     *


 デザートが終わりました。


三人 「ごちそうさまでした」


ローラ「今日は楽しかったわ。またね、おやすみ」

アンナ「おやすみなさい」

陽子 「おやすみなさいませ、ローラ様」


 ローラは天界に帰っていきました。


アンナ「陽子さんも特にすることがなければ休んでください」

陽子 「はい、失礼します」


 陽子さんはマオをだっこして自分の部屋に向かいました。


 わたしはリビングに行って、ビーズクッションに座りました。

 そして一日を振り返ります。

 今日は秋を楽しむ一日でした。

 異世界の紅葉もきれいです。秋の味覚も美味しかったです。

 今日は朝から食べてばかりでした。

 わたしは食事制限(ダイエット)をする気はありません。運動をやめると大変なことになりますね。


     *


 さて、スマホで異世界ツアーのサイトを確認しましょう。


 サイトを見ると、明らかな冷やかしは減りました。

 そして、まともな申し込みと問い合わせが増えました。

 比較的に多いのは、新婚旅行、修学旅行、恐竜ツアーの申し込みと問い合わせです。

 これはツアー客による書き込みの宣伝効果ですね。


 他には・・・


 『冒険者になってドラゴンを討伐したい』・・・却下です。ドラゴンは討伐対象ではありません。


 『ダンジョンの攻略がしたい』・・・ダンジョンはありますが、難易度設定が大変そうです。保留ですね。


 『植物を採取して、持ち帰りたい』・・・却下です。


 変わった申し込みがありました。


 『宇宙ステーションをレンタルしたい』・・・情報が早いですね。個人ではなく企業からです。

 無重力空間で新素材の研究と開発がしたいと書かれています。


 わたしは、ツアー客と一緒に楽しめる内容がいいです。


 気になる申し込みがありました。

 わたしは、その人と連絡を取りました。そして数日間やり取りをして話を詰めていきました。

 連絡を取り始めて2週間が経ちました。



*    *    *



 ここは飛行島、コテージの前です。


 異世界ツアー当日の朝です。時刻は5時55分です。

 わたしは、マオをスリングに入れてたすき掛けにしています。隣には陽子さんがいます。

 地球では、待ち合わせの場所にツアー客がいます。皆さんウイルス対策のマスクをしています。

 そして期待と不安が入り交じった表情です。

 新たなツアーの始まりです


 6時になりました。


アンナ「召喚」


 ツアー客がコテージ前に現れました。




アンナ「ようこそ、異世界へ・・・」

最終回


 皆さん、ありがとうございました。

 連載「異世界ツアーしませんか?」は終了します。


 *


 新作「宇塚井真帆は魔法使い」連載開始しました。(2024年1月25日)

 下書きは、最終話まで書き終えています。

 よろしくお願いします。

 


ゑゐる

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ