236 秋です 2
ここはアンナミラの村です。
わたし、ローラ、陽子さんの三人で来ています。
いま私たちは森の前にいます。
アンナ「転移」
わたしは、根の付いた木を魔法で転移させて、敷地の隅に積み重ねていきます。
ジミー「すごい」
下草も転移させてました。地面が穴だらけです。
穴は土魔法でふさぎ、改めて植樹用の穴を開けました。
アンナ「皆さんはここにいてください。すぐに戻ります」
アンナ「転移」
*
わたしだけ柿の林に転移しました。
周囲には、実を付けた柿の木が百本近くあります。野生動物の食料になっているかもしれません。
わたしは柿の木を30本だけロックオンしました。
そして根に付いた土ごと・・・
アンナ「転移」
地面の穴は土魔法でふさぎました。
*
次は栗の林に転移してきました。
そして柿の木と同様に30本の栗の木を転移させました。
終了したので戻ります。
アンナ「転移」
*
アンナミラ村に戻ってきました。
アンナ「戻りました」
植えた果樹は、土魔法で地面を固めて、水魔法で水をかけました。
ローラ「仕事が早いわね」
ジミー「すでに実がなっている」
アンナ「あとで収穫してください」
ジミー「ありがとうございます」
*
私たちはアンナミラの村から、街の入口に転移しました。
私たちは守衛に許可証を見せてサンローラの街に入ります。
今日は、ギルドと各お店を回る予定です。
教会にも行きたいのですが、ローラが一緒だと女神像が光って大事になります。
まず最初に向かうのは冒険者ギルドです。
冒険者ギルドに到着しました。
ローラ「混雑しているわね」
アンナ「はい」
朝なので混雑しています。まずは掲示板を見ましょう。
収穫時期なので農作業の依頼が多いですね。
冒険者は次々と依頼書を剥がしてカウンターに持っていきます。
アンナ「裏の買取窓口に行きましょう」
私たちはギルドホールを出ました。
以前に仕留めた大きな鹿の買取をしてもらいます。
わたしは買取窓口の前で鹿をアイテムボックスから出しました。
アンナ「買取をお願いします」
職員 「でかいな、いつも通り解体場に運んでくれ」
アンナ「はい」
一旦、鹿は収納します。
そして私たちは解体場に向かい、わたしは鹿を出しました。
おカネを受け取り、外に出ると10歳前後の女の子が二人いました。孤児院の子です。
街の清掃作業が終わり、掃除道具を返却、報酬を受け取って帰るところですね。
アンナ「ちょっと待ってください」
女の子「アンナおねえちゃん」
アンナ「クリーン」
清掃作業は汚れます。わたしは二人の全身をきれいにしました。
そしてアイテムボックスからバスケットを二つ出します。
アンナ「いつも街の清掃作業、ありがとうございます。
これはアップルパイです。施設の皆さんで食べてください」
女の子「ありがとう」
ふたりは笑顔で帰っていきました。
次はアキノ商会に向かいます。
*
アキノ商会に着きました。
商会は新築した大きなお店です。
アンナ「アキノさん、こんにちは」
アキノ「アンナさん、いらっしゃい」
アンナ「先日は旅行の見学に協力していただき、
ありがとうございました」
わたしは、アイテムボックスから平らな木箱を出しました。中には干し柿が入っています。
木箱は、空いている商品棚に置きます。
アンナ「干し柿です。柿を天日で干したものです。
一つ手に取って食べてください」
アキノ「柿? カラスも食べないあの渋い柿ですか?」
アンナ「元は渋柿ですが、甘くなっています」
アキノ「甘い?」
ぱくっ。
アキノ「本当だ、甘い」
アンナ「差し上げますので、食べきれない分は販売してください」
わたしは干し柿の作り方を説明しました。
アキノ「その方法で渋い柿が甘くなると・・・」
アンナ「はい」
アキノ「アンナさんが嘘をつくとは思えない。信じます。
貴重な情報、ありがとうございます」
アキノ「こうしてはいられない。
私、柿がたくさんあるところを知っています。
これから人を集めて採りにいきます」
アキノ「リンダ、急用が出来た。店を頼む」
リンダ「はーい」
アキノさんは急いで外出しました。行動力がありますね。さすが商人です。
リンダ「アンナさん、いらっしゃいませ」
アキノさんの奥さんが出てきました。
リンダ「すみません、せっかく来ていただいたのに」
アンナ「気にしないでください。
私たちも用事がありますので、これで失礼します」
リンダ「また来てください」
アンナ「はい」
次は商業ギルドに向かいます。
*
私たちは商業ギルドに到着して中に入りました。
ローラ「混雑しているわね」
アンナ「以前に比べたら、マシな方です」
わたしは行列の最後尾に並びました。すると・・・
マギー「アンナさんは並ばなくても結構です」(小声)
マギー「アンナさんの仕事は最優先です。こちらへどうぞ」
私たちは奥に通されました。