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231 修学旅行3日目です 11

 ここは宇宙です。


 私たちは、クラゲの群れを見学したあと、垂直に上昇して宇宙空間にやってきました。


女子 「ここ宇宙なの?」

アンナ「はい」

男子 「すげえ・・・あれ? 宇宙って無重力だよな」

アンナ「MTVには、1Gの重力をかけてあります。

    皆さんには後で無重力体験をしていただきます」

男子 「おおお・・・」

女子 「面白そう」


志村 「アンナさん、本当に大丈夫ですよね」

アンナ「はい、心配いりません。

    有害な宇宙線は結界で遮断しています。

    宇宙空間に漂う石が衝突しても平気です」

男子 「魔法って、すげえな」


女子 「B組の乗り物を見て」

女子 「なんか宇宙船っぽい ww 」

女子 「うちらも宇宙船っぽく見えてるはずだよね」

女子 「SF映画みたい ww 」


アンナ「まずは、この惑星アウローラを一周します」


アンナ「発進」


 MTVは、惑星の東に向かって飛行します。


ローラ「改めて見ると美しい惑星ね」

アンナ「はい、地球にそっくりです」


 青い球体が暗闇に浮かんでいる様子は、なんだか不思議な感じがします。


志村 「ここは地表からどれくらいの高さですか?」

アンナ「高度約400km、国際宇宙ステーションとほぼ同じ高さです」

男子 「おお・・・」

志村 「乗り物の速度はどれくらいですか?」

アンナ「現在、時速2万5000km、更に加速しています。

    いま第一宇宙速度を突破しました」

男子 「おおお・・・」

男子 「かっこいい」

アンナ「最終的には、時速25万kmで飛行します」

男子 「すご過ぎてよくわからん」

アンナ「十数分で惑星を一周します」

男子 「それはすごい」


女子 「太陽が隠れる」

女子 「暗くなった」

アンナ「いま地表は夜です。地球では都会の街灯りが見えるはずですが、

    この惑星では街灯りはほとんど見えません」

女子 「電気がないから?」

アンナ「はい、そうです」


アンナ「上を見てください」


女子 「すごーい、月がきれい」

女子 「星もきれい」

アンナ「ここには空気がないので、地上で見るより

    星の数が多く見えると思います」

女子 「たしかにそうね」

アンナ「それから、大気による星の(またた)きがありません」


女子 「本当だ、気がつかなかった」

男子 「宇宙やばい」

生徒 「 wwww 」


     *


女子 「明るくなってきた」

志村 「宇宙から見る日の出ですね」

アンナ「はい」

ローラ「すてきね」

男子 「なんか、すげえ」

女子 「感動的ね」


 わたしはMTVの速度を少しずつ落とします。

 皆さんは惑星アウローラを(なが)めています。


     *


アンナ「惑星アウローラを一周しました」

志村 「いい体験をしました」

女子 「すごかったね」

女子 「うん、宇宙すごいね」

男子 「と言うことは・・・次、無重力?」

アンナ「はい」

男子 「おおおお・・・・」


 わたしは、アイテムボックスから宇宙空間に大きな構造物を転移させます。


男子 「なにあれ?」

アンナ「宇宙ステーションです。わたしが作りました」

男子 「宇宙ステーションって、国際プロジェクトだろ、

    個人が作るって、チートすぎる」


 宇宙ステーションは、直径10m、長さ25mの円筒形のモジュールを二本、直列に接続したものです。

 全体が銀色ですが、内側から外が見えるのは、MTVと同じです。


 わたしは、MTVの後部を接続通路にドッキングさせました。


アンナ「まず、重力について説明をします。ここは高度400kmです。

    本来の重力は地上の約90%です。現在私たちは時速2万8000km

    で飛行しています。惑星から離脱しようとする遠心力と惑星の引力が

    釣り合っているため無重量を実現しています」


アンナ「次に宇宙ステーションの説明をします。円筒形のモジュール内は無重力

    ですが、それを繋ぐ通路には、魔法で重力を発生させています。

    ベンチとトイレを用意してあるので休憩する際に利用してください」


アンナ「もし気分が悪くなったときは、申し出てください。

    わたしが魔法で治療をします」


アンナ「いま時刻は17時を過ぎました。18時まで自由時間にします。

    皆さん、最後の修学旅行を楽しんでください」


 わたしはマオをスリングに入れて、たすき掛けにしました。


アンナ「行きましょう」


 わたしはMTVの後部に向かい、ドッキングハッチを確認します。

 そして開口部の結界を解除しました。

 わたしは通路に出て、生徒を案内します。


アンナ「男子は左側です。女子は右側です」


 生徒が次々と降りてきます。

 陽子さんも通路に出て、B組の生徒を案内しています。


 最後に先生がMTVを降りてきました。


高木 「もうすご過ぎて、なにがなんだか・・・」

加藤 「ですよね」

志村 「あと一息です。がんばりましょう。そして・・・

    ぼくたちも一緒に楽しみましょう」

高木 「はい」

加藤 「はい」


 志村先生は男子のモジュールへ、高木先生と加藤先生は女子のモジュールへ向かいました。


ローラ「私はマオちゃんと遊びたいわ」

アンナ「わかりました・・・ちょっと待ってください」


 わたしはヘアゴムを取り出して、ポニーテールにします。

 無重力では、長い髪が広がってしまします。


陽子 「ローラ様も髪をまとめて差し上げます」

ローラ「お願いするわ」


 陽子さんはローラの髪をポニーテールにしました。


アンナ「さあ行きましょう」


 私たちは女子のモジュールに向かいました。

 わたしと陽子さんは、宇宙空間での訓練を事前にしてあるので問題ありませんが・・・

 マオはどうでしょう。どんな反応をするのか気になります。


 女子のモジュールに入ります。マオがスリングの中でモゾモゾしています。

 わたしはマオをスリングから出して、手を放しました。


マオ 「ミャ、ミャー」


 マオは空中でジタバタしています。(あせ)った顔がかわいいです。


ローラ「マオちゃんは無理みたいね」


 わたしはマオの方へ腕を伸ばしました。

 マオは、わたしの腕にしがみ付きます。


マオ 「ミャー」


 わたしはマオをだっこして通路に戻ります。

 そしてキャリーバッグを出して、マオを入れました。開口部は開けておきます。


ローラ「私はマオちゃんを見ながら通路の近くで遊んでいるわ」

アンナ「すみません、お願いします」


アンナ「陽子さん、女子生徒の撮影をお願いします。ある程度撮影できたら

    あとはローラと遊んでください」

陽子 「わかりました」


 陽子さんはカメラで撮影を始めました。

 女子は皆さん楽しそうです。


女子 「めちゃめちゃ楽しい」

女子 「宇宙飛行士になったみたい」

女子 「やばい、誰か()めてー」


 くるくる回っている女子がいます。


女子 「 ww 大丈夫? ww 」

女子 「ちょっと焦った ww 」


 楽しんでいますね。




 わたしは男子の撮影に向かいます。

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