222 修学旅行3日目です 2
ここは水深200mの海です。
私たちは浅瀬の海でアノマロカリスを見たあと、ここに潜航してきました。
アンナ「巨大アンモナイト、パラプゾシアです」
男子 「遠近感がおかしいぞ」
アンナ「殻の直径は約2mです」
男子 「でかすぎだろ」
志村 「すごいですね」
ローラ「かわいいわ」
地球から転生した生き物には、愛着があるのでしょう。
わたしはMTVを巨大アンモナイトに近づきます。
男子 「すげえ」
男子 「でけえ」
女子 「やばい」
女子 「なんかキモイ」
男子は喜んでいます。一部の女子はドン引きです。
私たちは巨大アンモナイトを周囲から観察と撮影をします。
見た目はオウムガイに似ていますが大きさが全く違います。
日本人から見れば、非現実的な生き物ですね。
B組も同様に観察と撮影をしました。移動しましょう。
ん?
少し離れた岩場に大きな魚の反応があります。面白い魚だといいですね。
わたしは岩場に向かいました。
*
岩場に近くに来ると、何かが光りました。
いま光ったのは魚の目ですね。大きな魚です。
全長は約2m、黒っぽい色で、斑模様があります。この魚は確か・・・
わたしは鑑定をしました。そして動画の撮影を開始します。
アンナ「シーラカンスです」
男子 「マジか」
男子 「すげえ」
志村 「すごいですね」
女子 「シーラカンスだって」
女子 「図鑑で見たことある」
わたしは陽子さんに連絡をします。陽子さんはシーラカンスを見たことがないはずです。
アンナ「いま私たちが見ている魚はシーラカンスと言います」
陽子 「シーラカンス、記録しました」
シーラカンスは岩場に近くをゆっくり泳いでいます。
わたしも見るの初めてです。生きた化石と言われる古代魚です。感動しますね。
ローラ「この魚、美味しくないのよね」
アンナ「そうみたいですね」
美味しくないので、捕食されにくい。それが長く繁栄した理由とは思えませんが・・・
*
B組も同様に観察と撮影をしました。
アンナ「次の場所に移動します」
わたしはMTVを浮上させます。少しずつ明るくなってきました。
頭上の海面がキラキラしています。
そして海上に出たあと離水して上昇します。
アンナ「転移」
* * *
転移先は大きな入り江です。
男子 「また海だ」
わたしはMTVの高度を下げて着水、潜航させます。光学迷彩はかけたままです。
しばらく進むと見えてきました。
アンナ「前方を見てください」
女子 「あれって恐竜?」
アンナ「エラスモサウルスです。厳密に言えば恐竜ではなく、
首長竜の一種、水生爬虫類です」
志村 「分類上、恐竜とは違うわけですね」
アンナ「はい、そう言うことです」
わたしは首長竜に近づきます。
首長竜エラスモサウルス全長10mです。首だけでも5m以上の長さがあります。
色は腹部が白色、首と背中は紺色で斑模様があります。
ローラ「首が長いわね」
男子 「すげえ」
男子 「かっこいい」
女子 「すごく大きい」
男子も女子も興奮しながらスマホで撮影しています。
首長竜は海面に近づき、頭だけを海上に出しました。
志村 「呼吸ですか?」
アンナ「はい、そうです。肺呼吸をしているので、
時々海上に頭を出して、呼吸をします」
また泳ぎ始めました。前方に魚がいます。
ぱくっ。
首長竜は魚を捕食しました。
男子 「おお・・・」
男子 「魚を食べた」
女子 「顔ちっちゃいね」
女子 「意外にかわいい顔してる」
爬虫類好きの女子は今どき珍しくありませんね。
*
アンナ「次の場所に移動します」
わたしはMTVを浮上させます。そして離水、上昇しました。
アンナ「転移」
* * *
転移先は海岸の上空です。
アンナ「下の岩場を見てください」
男子 「あれって・・・プテラノドン?」
アンナ「はい、そうです」
プテラノドンが平らな岩場を歩いています。
男子 「ああやって歩くのか」
アンナ「プテラノドンは恐竜ではなく、翼竜です。
歩行に適した骨格を持っていないため、
鳥のように歩くことはできません」
アンナ「翼をたたみ、コウモリのように四肢で歩きます」
女子 「コウモリって歩くんだ」
アンナ「はい、コウモリは歩きますよ」
志村 「興味深い話です」
ローラ「かわいい歩き方ね」
MTVは、翼竜の近くを旋回飛行しています。
男子 「近くで見るとデカいな」
男子 「かっこいい」
男子 「飛ぶところ見たいな」
男子 「飛ばないかな」
翼竜は岩場の縁のところまで歩いてきました。
キョロキョロと海の方を見ています。
翼竜が翼を広げました。風を受けて、翼膜が張っています。
翼を広げると横幅は約8mあります。
女子 「大きい」
男子 「飛んだ」
プテラノドンが飛び立ちました。