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221 修学旅行3日目です 1

 ここは飛行島のコテージです。


 修学旅行3日目の朝です。

 わたしは日課にトレーニングを終えてあと、シャワーを浴びました。


アンナ「陽子さん、マオにフードとお水をあげてください」

陽子 「はい」


 わたしは朝食の準備をします。


     *


 今日の朝食はモロッコ料理です。

 ハリラ、ベルベルオムレツ、ホブスです。


ハリラ

 豆、野菜、肉などで作るとろみのあるスープです。北アフリカで広く食べられています。

 地域や家庭ごとに様々なレシピがあります。日本で言えば味噌汁のような料理です。

 作り方は、鍋にオリーブ油を入れて牛肉炒めます。そこに刻んだ玉ネギ、ニンニク、ショウガを加えて炒めます。

 玉ネギがしんなりしたら、水、トマトペースト、ひよこ豆、レンズ豆を入れて煮込みます。

 具材が柔らかくなったら、クスクス、水で溶いた小麦粉、塩、ターメリック、クミンなどの香辛料を加えて、とろみがついたら完成です。


ベルベルオムレツ

 タジン鍋にオリーブ油を入れて、刻んだ玉ネギとトマトを炒めます。

 トマトの水分が少なくなったら、塩と胡椒を入れた溶き卵を入れて、軽くかき混ぜます。

 そこにチーズとパセリ加えて、蒸し焼きにします。


ホブス

 モロッコで日常的に食べる円形のパンです。

 ホブスはたくさんの種類があります。

 今回は、小麦粉、砂糖、塩、オリーブ油、酵母で作るオーソドックスなパンにしました。

 焼きたては、外がカリカリ、中がモチモチです。ちぎってハリラやオムレツと一緒に食べます。


     *


 朝食の準備が出来ました。

 皆さん着席しています。

 わたしは料理の結界を解除しました。


アンナ「いただきます」

全員 「いただきます」


 ぱくぱく・・・


女子 「美味しいね」

女子 「うん」


 わたしは料理の説明をします。


女子 「このパン、焼きたて」

女子 「本当だ。いい匂い」


男子 「スープがうまい」

男子 「(から)そうに見えたけど、あんまり辛くない」


高木 「いいですね。こういう朝ごはん」

志村 「ホテルの朝食と違って、素朴(そぼく)な味です」

加藤 「海外で食べる、家庭の朝ごはんみたいな感じですね」


 インターネットの旅行ガイドを見ると、ホテルやレストランで食べる観光客向けの朝食が紹介させていますが、地元の人が食べる朝食の情報は少ないです。


ローラ「これ、かわいい鍋ね」

アンナ「モロッコのタジン鍋です」

高木 「私、これ持っています。2回だけ使って、それっきりですけど」

アンナ「鍋料理や蒸し料理に使えて便利ですよね」


 修学旅行のために、わざわざ作りました。


加藤 「ベルベルオムレツのベルベルって、何ですか?」

アンナ「北アフリカの民族ベルベル人が考案したオムレツと言われています」

加藤 「ベルベル人、なるほど」


     *


 朝食が終わりました。


アンナ「ごちそうさまでした」

全員 「ごちそうさまでした」


 わたしは陽子さんと食器を片付けます。

 生徒の皆さんはツアーに出掛ける準備をします。


 わたしはキャリーバッグにマオを入れてコテージの外に出ます。ローラと陽子さんも一緒です。

 外では生徒が整列して待っていました。

 わたしはMTVを出しました。

 そして搭乗します。ローラとマオは先頭の席です。

 生徒に続き、志村先生も搭乗しました。MTVのタラップは収納しました。


アンナ「出発します」


 MTVはゆっくりと上昇します。B組のMTVもついてきます。


アンナ「魔法で移動します・・・転移」



*    *    *



 転移先は、鳴き砂の海岸に近い、海の上空です。

 

 わたしはMTVに光学迷彩をかけます。

 MTVは、ゆっくりと高度を下げて着水しました。そのまま海中に潜航します。

 ここは砂地の浅い海です。古代生物が生息しています。


男子 「変な海草」

アンナ「あれは海綿の仲間です」


アンナ「それからあそこの海底にいるのが三葉虫です」


 わたしはMTVを三葉虫に近づけます。


女子 「あ、こっちにもいる」


 大きな生き物がこちらに近づいてきました。


アンナ「あちらをご覧ください」


女子 「何あれ?」

アンナ「アノマロカリスです。5億年前のカンブリア紀に

    地球でも生息していました」

女子 「こんなのが地球にもいたんだ」

男子 「CGで見たことある」

ローラ「面白い生き物ね」


 全長1mのアノマロカリスは海底に近づき、小さな三葉虫を触手で捕食しました。


男子 「すげえ」


 わたしはMTVをアノマロカリスに近づけます。

 アノマロカリスは海底から浮上して、再び泳ぎ始めました。


女子 「目が大きい」

アンナ「あの目は、昆虫と同様の複眼です。周囲360度を見ることが可能です」

女子 「すごい」


 今度は下に回り込みます。


男子 「下はこうなっているのか」

男子 「あの丸いのは、(くち)?」

アンナ「はい、そうです」

男子 「なんかやばい」


 わたしはアノマロカリスから離れます。B組も近くで見たいはずです。


 B組のMTVがアノマロカリスに近づきました。

 同様に観察しています。


     *


 そろそろ移動しましょう。

 わたしはMTVを沖に向かって進めました。MTVは沈降します。

 周囲がだんだん暗くなってきました。

 わたしはMTVの周囲に、光魔法で複数の照明を作りました。


女子 「暗くなってきたね」

アンナ「ここは水深200m付近です。太陽光はほとんど届きません」


 見えてきました。


アンナ「あれをみてください」


女子 「なにあれ?」




アンナ「巨大アンモナイト、パラプゾシアです」

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