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212 修学旅行2日目です 5

 ここは、森の中を流れる川の上空です。


 私たちは森から出て来る魔物を見学するために、転移魔法で各地を移動しています。

 わたしは、河原にMTVを着地させました。B組のMTVも着地します。


アンナ「河原で魔物を見学します」


 周囲の安全を確認をしました。最初に志村先生が降ります。生徒も続いて降りていきます。

 わたしは、カメラのストラップを首から下げ、A組の旗とキャリーバッグを持ってMTVを降ります。

 ローラもついてきます。


ローラ「マオちゃんは、私がみているわ」

アンナ「お願いします」


 少し離れたところに1体の魔物がいます。河原から森に向かってゆっくり動いています。


アンナ「あそこに魔物がいます。わかりますか?」


女子 「なんか光ってる」


 太陽の光が反射しています。


男子 「あれって、スライム?」

アンナ「はい、そうです」


 スライムは、直径60cm、高さ30cm、山型でゼリー状の魔物です。

 色は、ほぼ透明です。


アンナ「近づいてみましょう」


 私たちはスライムに近づきました。


男子 「思っていたより、でかい」

アンナ「もっと大きなスライムもいます。わたしが見た最大は、

    直径が4m、高さが2mありました」

男子 「そんなでかいのがいるのか」

アンナ「はい。スライムは通常、魔物の死骸(しがい)を食べますが、

    (まれ)に生き物を襲うこともあります」


アンナ「特殊能力は、生き物の気配や魔力を感知することです。

    こう見えて、一応バクテリアに近い生き物です」

男子 「バクテリアかよ。でかすぎだろ」


アンナ「スライムの中央に丸い玉が二つ見えると思いますが、

    大きな黒い玉が(かく)です。小さな赤い玉は、

    魔石です」


 わたしは、アイテムボックスから魚を一匹取り出して、スライムの近くに投げました。

 するとスライムは魚を包み込みました。魚は白く変色して、気泡がたくさんで出てきました。


生徒 「うわー」

アンナ「スライムは、あのように生物を溶かして吸収します」


     *


 B組も同様にスライムの見学をしました。


 私たちはスライムの見学を終えて、MTVに戻ります。


アンナ「陽子さん、次は******」

陽子 「わかりました」


 生徒は全員戻り、最後に先生が乗り込み、タラップを収納しました。


アンナ「次の場所に移動します・・・転移」



*    *    *



 私たちは、丘の上空に転移しました。

 丘に1体の魔物がいます。


アンナ「あれがオーガです」

男子 「おお・・・」


 わたしはMTVをオーガに近づけます。


 オーガは、大きさが2.5m、筋肉質で全身が赤褐色です。

 耳が(とが)っていて、額には2本の角があります。

 オーガはマチェットと呼ばれる大きな(なた)状の武器を持っています。

 冒険者から奪ったものかもしれません。


アンナ「オーガの特殊能力は、防御力の高さと怪力です。

    複数の冒険者が(いど)んでも、簡単には討伐できません」


オーガ「ウォー・・・・・」


男子 「すげえ」

女子 「なんか怖い」

志村 「見た目は、鬼ですね」


 男子は喜んでいますが、女子の半数はドン引きです。

 人型の魔物は、日本人にとって(いぎょう)形の存在です。怖いですよね。

 見学は短時間にしましょう。


 B組も同様に見学をしました。


 わたしは陽子さんに連絡をします。


アンナ「陽子さん、次は******」

陽子 「わかりました」


 わたしはMTVを上昇させて、光学迷彩をかけます。


アンナ「次の場所に移動します・・・転移」



*    *    *



 森の上空に転移しました。

 大きな魔物が森の上空を飛行しています。わたしは魔物に接近しました。


男子 「ドラゴンだ」

アンナ「いいえ、ドラゴンではなくワイバーンです」

男子 「違いがわからん」

アンナ「ドラゴンには足が四本あります。

    ワイバーンは二本足です」

男子 「なるほど、そういうことか」


 ワイバーンは全長が10m、全身が黒色です。


男子 「ゲームに出てくるモンスターみたいで、かっこいい」

女子 「なんかすごいね」


 MTVはワイバーンの周囲を飛行しています。


志村 「これだけの巨体でよく飛行できますね」

アンナ「空を飛ぶ魔物は、物理的な揚力(ようりょく)だけではなく、

    魔力も使って飛行します」

志村 「なるほど、そういうことですか。

    飛び方が不自然だったのは魔力を使っているからですね」

アンナ「はい、そうです」


 わたしは陽子さんに連絡をします。


アンナ「陽子さん、次は******」

陽子 「わかりました」


アンナ「次の場所に移動します・・・転移」



*    *    *



 大陸近海の上空に転移しました。


 わたしはMTVの高度を下げて着水、海中を潜航します。光学迷彩は、かけたままです。


女子 「海の中がきれい」


 海中を泳ぐ魔物が見えてきました。


アンナ「あれを見てください」


男子 「タコ?」

アンナ「大タコの魔物、クラーケンです。

    腕の長さを含めると20mあります」

男子 「でけえ」

アンナ「クラーケンには再生能力があります。

    腕を失っても1日に復元します」

男子 「すげえ」


 今クラーケンは海面近くを泳いでいますが、その先には島があります。

 クラーケンは沿岸に到着しました。

 わたしはMTVを半分だけ海面から出します。


 クラーケンは海面から目だけを出して陸地を見ています。

 磯に巨大なカニがいます。甲羅の大きさだけで1mあります。


 クラーケンは腕を伸ばして巨大なカニを捕まえました。そして海中に引きずり込みます。


男子 「すげえ」


 海岸を歩いていたら、いきなり海に引きずり込まれる。考えただけでもぞっとしますね。


 クラーケンは、巨大なカニを捕食したあと、海岸から離れて姿を消しました。


 わたしはMTVの光学迷彩を解き、陽子さんに連絡をします。


アンナ「陽子さん、次は******」

陽子 「わかりました」


 わたしはMTVを離水させて上昇します。


アンナ「次の場所に移動します・・・転移」




 お腹が()きました。昼食にしましょう。

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